2012年9月17日

ハックルさんと加藤さんの会話

ハックルさんこと岩崎夏海さんと加藤貞顕さんの会話をまとめました。
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岩崎夏海 @huckleberry2008

お金の話って難しい。「おれはこんなに金の使い方が下手なんだ」という話(自虐ギャグ)はムカッとされる。逆に「おれはこんなに金の使い方がうまいんだ」という話(自慢話)はみんなにありがたがれる。モテ話と全く逆。それを分かってない人がたまにいる。

2012-09-16 23:09:40
岩崎夏海 @huckleberry2008

余計なことを言わないのが賢者、と教わった。例えば、あなたは会社の課長をしています。すると、部下の女の子が昨日と全く同じ服を着て出社しました。それに気づかなかった振りをするのが賢者。「あれ?」と気づいたことを表明するのが愚か者。

2012-09-16 23:18:22
岩崎夏海 @huckleberry2008

セクハラとかそういうくだらない話じゃない。あらゆる可能性を合理的に判断すれば、気づかない振りをした方がいいのは明らか。言及したいのは人の性(さが)。だから、その性を自省できるかが賢者と愚者のライン。

2012-09-16 23:19:46
岩崎夏海 @huckleberry2008

簡単に言うと、不要な恨みは買ってはならない。部下の女の子が昨日と同じ服を言及したって、課長には何の得もない。ただ部下の女の子の恨みを買うだけ。くり返し言うがこれはセクハラの話ではない。

2012-09-16 23:20:57
岩崎夏海 @huckleberry2008

おれは無類の正論吐きだった。ある時その圧倒的な不利さにめまいがした。おれ、どんだけ修羅の道歩いて来たんだよ……それで、不必要なことを言うのをやめた。いつもニコニコ笑って他者の話に心からの関心を寄せるようになった。友だちが百人できた。

2012-09-16 23:22:33
岩崎夏海 @huckleberry2008

その後、縁あって小説を書くことになる。ところがそこで予想外のこと――いや、薄々分かっていたことが起きた。小説を格上でおれを助けてくれたのは、修羅の道を歩いてきたおれ自身だった。そして、それが修羅の道だと気づき、日和って宗旨替えをしたおれだった。

2012-09-16 23:24:01
岩崎夏海 @huckleberry2008

過去のつらかった経験が、おれを助けた。その時に思った。「人生って捨てるところがないなぁ」。大根と一緒で、全てのパーツを美味しく頂くことができるのである。試練も、困難も、不幸でさえも。

2012-09-16 23:25:03
岩崎夏海 @huckleberry2008

最近また、余計なことをするようになった自分がいる。でも、そういう自分をなんとなく信じられる自分もいるのが以前とは違うところ。あ、おれバカやってんな。でも、そのバカなことが、あとでおれを助けてくれるかもな。だから、他人から見ても、いや、おれから見てもバカなことをする。

2012-09-16 23:26:42
岩崎夏海 @huckleberry2008

ぼくのどうでもいい修行を一つ。それは東日本大震災に際して3000万円を寄付したことを積極的に表明すること。プロフィールなどにはチャンスがあれば書くようにしています。これがなぜ修行になるのか?それは、3000万円を寄付したことをことを宣伝してる、と受け取る人がいるからです。

2012-09-16 23:33:00
岩崎夏海 @huckleberry2008

善行は隠れてするのは格好いい。でも、圧倒的に楽なんです。表だってやるよりも。だけど、あしながおじさんは、世間の役にはあまり立たない。善行は、それをしていることを積極的に表明する方が世の中の役に立つ。

2012-09-16 23:34:10
岩崎夏海 @huckleberry2008

それについては今度ブロマガに書きます。

2012-09-16 23:35:14
加藤 貞顕 @sadaaki

@huckleberry2008 修羅の道の話、おもしろいです。修羅の道から日和ったことがどう小説を書くのに役立ったか、できればもうちょい知りたいです。

2012-09-16 23:35:43
岩崎夏海 @huckleberry2008

@sadaaki 簡単に言うとメタの視点を持てた。正論吐きと正論吐きなどくそくらえという二つの視点を持てたことで、視点のレイヤーが一段メ上がった。その俯瞰の視点から見ると、両者が社会の中でどのような機能を担っているかの理解が進んだ。それはキャラ造形に振幅を与えた。

2012-09-16 23:39:46
岩崎夏海 @huckleberry2008

@sadaaki よく本の解説をしないという小説家がいるけど、そんなのかっこわりいぜ、という視点を持てた。以前の正論吐きならそれはできなかった。

2012-09-16 23:41:59
岩崎夏海 @huckleberry2008

@sadaaki 小説家は小説で語るべきだという考えと、小説家は小説の内容を十全に解説する必要があるという二つの視点を同時に持つ、これが小説家として成長を促した。振り向くと、歴史上の偉大な小説家はみんなその視点を持っていた。で、あ、おれ、ここまで来たんだという実感が持てた。

2012-09-16 23:42:50
岩崎夏海 @huckleberry2008

@sadaaki 小説家はそういう確信がないと前に進めない。確信がより所でありエンジン。人間が一生に一作は小説を書けるというのは、この確信があるから。自分のしてきたことだからと確信が持てた時、人は小説を書ける勇気を抱ける。

2012-09-16 23:44:01
加藤 貞顕 @sadaaki

@huckleberry2008 なるほどなるほどおもしろいです。このぼくへのメンションと、その次の解説しない小説家の話、どっちもブロマガの1記事になりそうなトピックスですね。おおお、まだ次が。メンションだとみんなが見えないからもったいないですよ!

2012-09-16 23:44:20
岩崎夏海 @huckleberry2008

@sadaaki 名前を出して悪いけど、近藤 麻理恵さんの「人生がときめく片づけの魔法」は人が一生に一度しか書けないという種類の小説。誰も気づいてないけど。だから魂がこもっていたので、読む人が感化された。山本氏の例のあれもそう。だから、もったいないなと思った。

2012-09-16 23:45:56
岩崎夏海 @huckleberry2008

@sadaaki まあ、近藤さんも山本さんも小説家じゃないからいいのかもだけど。おれはまあ小説家でもあるので、そういうのは書きません。歴史上の偉大な小説家はなぜかそういうのは書かない。あ、続けて書く人は、という意味です。一作だけなら偉大な小説家は多い。ミッチェルとか。

2012-09-16 23:47:41
加藤 貞顕 @sadaaki

@huckleberry2008 いやあ、めちゃくちゃおもしろいですよ。もうひとつ質問いいですか。自作の十全な解説っていうのは、実際に、作品とは別に普通に解説するってことですか? 「歴史上の偉大な小説家はみんなその視点を持っていた」ってのもちょっとよくわからないのですが。

2012-09-16 23:51:01
岩崎夏海 @huckleberry2008

メンションを入れるとメンション相手をフォローしていない人には見えない仕様なのか。知らなかったです。

2012-09-16 23:51:44
加藤 貞顕 @sadaaki

@huckleberry2008 たしかに継続はポイントですね→「一作だけなら偉大な小説家は多い。ミッチェルとか。」

2012-09-16 23:51:50
加藤 貞顕 @sadaaki

.@huckleberry2008 そうなんですよ。みんなに見えるようにしたいときは、いまやってるみたいに.をつけて書くといいです。このやりとり面白かったから、だれかがtogetterしてくれないかなあと期待age。

2012-09-16 23:53:34
岩崎夏海 @huckleberry2008

@sadaaki 自分の作品へのとんちんかんな批評について反論したりするのがだいじなのです。「ドン・キホーテ」後編はそれをコンセプトに書かれ、歴史上ナンバーワンの作品になった。

2012-09-16 23:55:12
岩崎夏海 @huckleberry2008

一言で言えば、「もしドラ」をすばらしい小説だと理解できない人はみんなかわいそうで、ぼくはこれまでそれに反論してきたし、これからもしていくというわけです。

2012-09-16 23:55:35
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