奥田知志さんの「のり突込み」

奥田知志（NPO抱樸/牧師） @tomoshiokuda

乗り突っ込み①　北九州空港朝七時発羽田行き。最近は、この便に乗ることも珍しくなくなった。午前五時に起き六時に家を出る。眠い目をこすりこすり、空港のエスカレーターに乗っかる。メーテル（空港受付にいるロボット）もまだお休み中。エスカレーターを上がると二階正面の喫茶コーナーが現れる。

奥田知志（NPO抱樸/牧師） @tomoshiokuda

のり突っ込み②　　この店先の看板がなかなかいい。「朝のモーニングセット」と大きく書かれている。「うんん、親切でわかりやすいねえ。朝のモーニング、おいしいそう・・・・・って、ほんじゃあ、夜のモーニングセットもあるんかい！」と思わず突っ込む。毎度一人空港で楽しんでいる。

奥田知志（NPO抱樸/牧師） @tomoshiokuda

のり突っ込み③　息子は来週修学旅行。「どこに行くの？」と尋ねると「阿蘇ホームランド」。「なるほど、なるほど、ホームランドねえ。ホームランみたいで楽しいそう・・・って、あんた、そりゃ阿蘇ファームランドやろうがあああ！」。ああ、はいはい。　

奥田知志（NPO抱樸/牧師） @tomoshiokuda

のり突っ込み④　先日わがおばあ様夫妻と国会前の反原発集会に参加した帰り。タクシーで浜松町駅に向かっていた。芝の増上寺の手前、あーばーが「ああ、東京世界ツリーがきれいに見えているわ。私一度行ってみたいわ」。

奥田知志（NPO抱樸/牧師） @tomoshiokuda

のり突っ込み⑤　「ああ本当、きれいだね。イルミネーションが夜空に浮かんで・・・って、あーばー、あのきれいなのは東京タワーでしょうが！それにそもそも東京には東京世界ツリーなんぞあらしまへんがな。あるのは東京スカイツリーやろうがあああ」と僕。

奥田知志（NPO抱樸/牧師） @tomoshiokuda

のり突っ込み⑥　　まあ、これは漫才の基本「ボケと突っ込み」の「突っ込み」にあたるもの。関西人はそれが小さい頃から身についており、電車の中の普通の会話が漫才に聞こえるから恐ろしい。上記の例は、その「突っ込み」の中でも少々高等技術に属する「のり突っ込み」という技。

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のり突っ込み　⑦　さらに上には自分でボケて自分で突っ込む「一人のり突っ込み」という荒業もあるが、僕の場合は、やはり誰かに「ボケ」ていただいて、そこに一端「のり」そして「突っ込み」たい。

奥田知志（NPO抱樸/牧師） @tomoshiokuda

のり突っ込み⑧　「のり突っ込み」の良いところは、一旦相手の言い分に乗るということ。「そうそう、○○だね・・・ってあんた、それは××やろうが」という感じ。これが無ければ単なる否定、あるいは注意になる。「朝モーニング！」「おかしいやろう！」。うんん、味気ない。

奥田知志（NPO抱樸/牧師） @tomoshiokuda

のち突っ込み⑨　その点「のり突っ込み」は、一旦相手のことを引き受けて、でも、違うことは違うという。漫才流コミュニケーションと言うところか。引き受けた人だけが裁く（突っ込む）ことができる。急に話は高尚になるが、十字架の恵みとは実はそういうこと。

奥田知志（NPO抱樸/牧師） @tomoshiokuda

のり突っ込み⑩　キリスト教の真骨頂は、イエスの十字架というのは、僕が背負うべ十字架をイエスが引き受けたということ。しかし、それは単なる肩代わりではない。引き受けたイエスは、僕を赦すと共に「お前さん、そのままでいいのか？」と問う。あるいは「それはダメだ」と迫ってくる。

奥田知志（NPO抱樸/牧師） @tomoshiokuda

のり突っ込み　⑪　僕のために僕の十字架を負ってくださった方が、僕にとっては救い主であることは当然だが、もう一つ大事なことがある。それは、僕のことをちゃんと叱り、裁くのはほかならぬ十字架を負った方だけであること。

奥田知志（NPO抱樸/牧師） @tomoshiokuda

のり突っ込み　⑫　一旦引き受けて、そして言う「いや、違うやろう」と。無縁社会を打ち破る福音、絆の中身とは、一旦引き受けてからキチンと避難する―すなわち「のり突っ込み」だと思う。「出会いにのり突っ込み！」、ちょっと流行らせようと思う。

奥田知志（NPO抱樸/牧師） @tomoshiokuda

のり突っ込み　追伸　ああ、なんだかバカなことを書いている。少々疲れているんだろうなあ。おしまい