司法試験の答案での「書くべきか、書かざるべきか」:法解釈論を中心に

すえ(@Sue_06)の質問に対するほりーさん(@usmmmask)の回答がとてもためになったためまとめさせていただきました。
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ほりー @usmmmask

寂しさに負けた~いいえTL(世間)に負けた~

2012-09-19 18:14:35
すえ @Sue_06

@usmmmask すみませんが、いくつか質問をしたいのですがよろしいですか?

2012-09-19 18:16:03
ほりー @usmmmask

@Sue_06 昭和枯れすすきじゃないならば。

2012-09-19 18:18:18
すえ @Sue_06

@usmmmask あの歌の歴史的背景は…(ryではないですw いくつかあるのですが、①事例において、明らかに条文に当てはまるであろう場合であっても条文解釈などが必要なのか(例えば、住居侵入罪に明白に該当する場合でも、保護法益について触れるべきなのか)

2012-09-19 18:23:15
すえ @Sue_06

@usmmmask ②条文解釈において定義が学説等で一義的でない場合であっても、理由付けなく『~とは…である』のような記述をしてもよいのか。(例えば、『故意とは構成要件の認識認容であるところ~』のような)

2012-09-19 18:26:48
すえ @Sue_06

@usmmmask ③理由付けなく解釈(というより定義のような)書き方が許されるか(94条2項の『第三者』は虚偽表示によって生じた法律関係につき新たに独立の法律上の利害関係を持つに至ったもの。のように理由なく解釈を定義的に示す)。②と③については重複してるかもしれないです。

2012-09-19 18:30:07
すえ @Sue_06

@usmmmask とりあえずは以上です。よろしくお願いいたします

2012-09-19 18:30:48
ほりー @usmmmask

@Sue_06 晩飯食ってから返事します。基本は、「出題意図による」なんですがまあw

2012-09-19 18:32:02
すえ @Sue_06

@usmmmask むむむw とりあえずお待ちしております(・ω・)

2012-09-19 18:33:29
ほりー @usmmmask

@Sue_06 司法試験を念頭に置くならば、時間と紙面にはかなり制約があることが最大のポイントです。論点を探そうとする限り、また、己の論理的美意識に忠実に書く限り、書くことは多岐にわたり、おそらく20枚くらい書くことになると思います(H23刑訴など)。

2012-09-19 19:34:36
ほりー @usmmmask

@Sue_06 しかし、その中でも、①出題者が当該設問の急所とした部分、②およそ法律家として書かねばおかしい部分、③受験生の相場観として書いたほうがいいような気がする部分があります(これらはいずれも相互に関わっていますが)。そのうち①は定義的に点に直結しますが、②を落とすと悪印象

2012-09-19 19:37:22
ほりー @usmmmask

@Sue_06 ①については、多くは、事案の特徴というべき部分かなあと。それは法解釈論レベルで通説判例との齟齬を引き起こすこともありましょうし、あてはめレベルの問題で落ち着くこともありましょう。あてはめが法解釈論に影響されないことはまずないでしょうから、結局法解釈するはず。

2012-09-19 19:42:37
ほりー @usmmmask

@Sue_06 ②については、条文示さないレベルのミスを指します。こういうのは、書いたからといって点が跳ね上がることはないでしょうが、書かないと採点者は粗探しをはじめますし、よっぽど全体の出来が悪ければ、それなりの配点があることもあります。

2012-09-19 19:44:52
ほりー @usmmmask

@Sue_06 ③が今回悩まれている部分でしょうかね。ここについては、「ほかの受験生が書くと思えば書いたほうがいいし、書かなくていいと思われている場合には書かなくても得点が一気に下がることはないが、その相場観は当てにならない」ので、別の基準があったほうがいいのだろうとは思います。

2012-09-19 19:47:22
ほりー @usmmmask

@Sue_06 というのも、「ほかの受験生が書くと思えば」といいましたが、正確には「『出題者が多くの作法を守っている受験生ならば書くと思っている』と自分が思っているなら」書くが正解だからです。刑訴19年の出題趣旨には、受験生が強制処分の定義を解釈論として示せていないとありました。

2012-09-19 19:49:41
ほりー @usmmmask

@Sue_06 おそらく多くの受験生は、昭和51年決定の文面をそのまま受け取って書く限り、それでいいと考えていたのだと思います。しかし、これは誤りでした。というのも、H19刑訴においては、この部分は①につながるからです(ビデオカメラ撮影の適法性の前提問題)

2012-09-19 19:52:18
ほりー @usmmmask

@Sue_06 他方、出題者は①とは相対的に区別された、「どうせ君ら、これなら書いてくれるんでしょ」みたいな部分を用意していることが多いです。多くの場合、ここが先のすえさんの質問の相場の見せ所となります。

2012-09-19 19:54:21
ほりー @usmmmask

@Sue_06 こうして、限られた時間の中で、①②を維持しつつ、③のなかでも出題者がちゃんと点を振ってくれているであろう箇所を書いておく、というのが基本的な答案作法です。これは結論の先取りにも見えるのですが、十分に問題を理解している限り①は外さないですし、②は練習あるのみです。

2012-09-19 19:57:48
ほりー @usmmmask

@Sue_06 答案は出題者とのコミュニケーションといいますが、出題者が圧倒的優位を持つ以上は、こうした、客観的基準によらない答案作法しかないように思います。ひたすら出題者の側の意図を読んで、出題者の欲求を満たしつつ、出題者が回答者に温情をしめすであろうところは拾いにいく。

2012-09-19 20:00:53
ほりー @usmmmask

@Sue_06 以上が総論となります。

2012-09-19 20:01:08
ほりー @usmmmask

@Sue_06 で、質問①~③についてですが、法令解釈して当てはめる能力というのは、実務家に必要なものである以上は、法令の解釈論を一言でも書いておくのは印象がいい場合が多いはずです。しかし、その配点には、急所or(書かないことが)禁忌に当たらない限りは、ゆれ幅があるでしょう。

2012-09-19 20:05:17
ほりー @usmmmask

@Sue_06 その中でも①については、結論が分かれない事案であるならば、解釈論の必要は乏しいわけで、書かなくてもいいことが多いと思います(私ならば、「侵入」の意義ぐらいは理由付けなく書いておくかもしれませんが)。

2012-09-19 20:06:50
ほりー @usmmmask

@Sue_06 質問②については、定義が学説において一様でない場合において、その定義のゆれによって「結論が変わる」場合には、書いたほうがいいでしょう。定義の違いが結論に影響しないならば、そこを問う意図は弱いと推認されます。

2012-09-19 20:09:21
ほりー @usmmmask

@Sue_06 ③については、受験生相場では書かなくてもよく、基本書の記述も弱い場合などを想定していると思います。H19刑訴状況の留保が必要ですが、時間がない場合には書かなくても点が下がることは低いでしょう。本当に理由なく示された定義が流通している場合もあるかもしれませんし。

2012-09-19 20:17:51
ほりー @usmmmask

@Sue_06 基本的に出題者の絶対優位ゲームですが、まあ回答者全員または圧倒的多数が出題者の意図を読めない場合ば、出題者がゲームの成立条件を備えそこねたことになります。このとき出題者側は、配点比率を変えることがありえますwが、相対評価の試験の場合には開き直ることもありますw

2012-09-19 20:22:50