スナヲさんの近代文学論争まとめ（全25回）

籠原スナヲ @suna_kago

【没理想論争（逍鴎論争）とは】　坪内逍遥が「小説って色んな種類があるけどさー、どれも個性だし褒めたり貶したりする批評よくないよねー」と言ったのに対して、鴎外が「は？　褒めたり貶したりすんのが批評に決まってんじゃん」と噛み付くことで起こった論争。最終的に逍遥の方が折れた。

籠原スナヲ @suna_kago

【『舞姫』論争とは】　石橋忍月の「鴎外っちの『舞姫』って小説さー、マジ主人公のキャラ支離滅裂だよねー。あの展開でエリスちゃん捨てるのありえなくない？」という批評に、鴎外が「分かってねーな！　俺はヘタレ主人公を書きたかったんだしアレでいいんだよ！」と反論して起こった論争。

籠原スナヲ @suna_kago

【人生相渉論争とは】　山路愛山が「文学って事業なんスよ。だから世の中とか人生の役に立って初めて意味があると思うんスよね」と書いたのに対して、北村透谷が「表出ろお前。文学は文学なんだよ！　役に立つとか立たねえとかつまんねーこと言ってんじゃねーぞ！」と反論して起こった論争。

すばる @Rin_Subaru

@suna_kago 森鴎外はインサイダーで上り詰めた知識人の典型のようだが、漱石よりもその内面においてはアウトサイダーだったかもしれない、という説を読んだことがありますね。どうも激しいようで底の知れない人物に感じます

籠原スナヲ @suna_kago

@Rin_Subaru その説はすごく面白いですね……。それでいうと、漱石と鴎外の恋愛描写や女性観の違いなんかも、興味深く読めてきます。漱石は最後の『明暗』までずっと三角関係に留まったけれど、鴎外の『雁』とかは、もうちょっと別の方向に行こうとしている気がするんですよね。

すばる @Rin_Subaru

@suna_kago あと、私見だと鴎外は、こう、いわゆるうじうじ系ではなく、もっと海外っぽい、堂に入ったアウトサイダーな気もします。世間的成功も信頼も得たが、どうもこれではない、みたいな。中島義道が墓碑銘にふれて、内心相当溜め込むタイプだったのではと言っていました

籠原スナヲ @suna_kago

@Rin_Subaru 「海外っぽい、堂に入ったアウトサイダー」というのはなるほど感あります。感覚的な言葉になりますが、漱石が『エヴァ』タイプだとしたら、鴎外は『ウテナ』タイプの人だったのかな、と。

すばる @Rin_Subaru

@suna_kago やはり感覚的ですが、エヴァタイプとウテナタイプと言うのは、シャアタイプかトレーズ閣下タイプかでも成り立ちますかね？この二人は例えばウィルソン的な意味ではアウトサイダーではないけど、なかなか対照的な精神だと思います

籠原スナヲ @suna_kago

@Rin_Subaru 成り立つと思います！　そして「エヴァとウテナ」「シャアとトレーズ」と並べて見ると、漱石と鴎外の対比とは、つまるところ（ラカン派的な意味での）男性性と女性性、という対比として語れそうな気がしますね……。

籠原スナヲ @suna_kago

【自然主義論争とは】　島村抱月「客観描写したいし主観いらない子！」　田中王堂「客観描写に主観は必要だろｊｋ」　長谷川天渓「現実描きたいし理想いない子！」　木下杢太郎「それも理想だろｊｋ」　石川啄木「自然主義って言葉だけ同じで皆言ってることバラバラやな」　岩野泡鳴「主観ペロペロ」

籠原スナヲ @suna_kago

【『白樺』論争とは】　生田長江＆赤木桁平「白樺派とか自然主義以前じゃねーか」　和辻哲郎「理想があってイイじゃないかオレは泣いたよ」　森田草平＆江口渙「それにしたって空疎」　広津和郎「情熱はあると思うの」　有島武郎「うわーどないしよ」　岩野泡鳴「和辻のナミダ安っぽーいww」

籠原スナヲ @suna_kago

近代文学論争まとめツイートは、今日はここまで。続きはまた明日。

mushagumi💙💛＠幸せなら手を叩こう @mushagumi

「そんなことは百も承知だ。俺たちのトラップにはまって吠えてんじゃねえ」という実篤のいきがってるさまが好きです。 RT @suna_kago 【『白樺』論争とは】　生田長江＆赤木桁平「白樺派とか自然主義以前じゃねーか」　和辻哲郎「理想があってイイじゃないかオレは泣いたよ」……

籠原スナヲ @suna_kago

@mushagumi ですねー。実篤は、非常に熱い人だと思います。

籠原スナヲ @suna_kago

近代文学論争まとめを読んだＭちゃんの感想が「みんな人の子だからな」だったので感動している。

あらやまつみ @arayama

@suna_kago 評論お嫌いとのことでしたが、優しいお言葉なような、そうでないようなｗ

籠原スナヲ @suna_kago

@arayama 冷たく突き放しながらも暖かく見守る、ヒューモア（柄谷行人）の視点を手に入れていますね。。

籠原スナヲ @suna_kago

【『宣言一つ』論争とは】　有島武郎「これからはプロレタリアが頑張るわけやしインテリはホンマ負け組やわー」　広津和郎「ちょっとモノの見方が狭いと思うの」　片上伸「そーそー、有島はアタマでっかちすぎんだよなー（注：誤読です）」　河上肇「どっちか片方ってことはないんじゃね？」

籠原スナヲ @suna_kago

【内容的価値論争とは（以前に作家凡庸論をめぐる論争がある）】　菊池寛「やっぱり文学はさー、書かれてる中身が大事だよねー(*ﾟ▽ﾟ*)♪」　里見弴「なんだと……我ら芸術家の面汚しよ……」　菊池寛「いやいや、里見くんみたいな芸術家はもちろん尊敬していますよー？(^_^;)」

籠原スナヲ @suna_kago

【散文芸術論争とは】　広津和郎「散文芸術とその他の芸術は区別しなきゃって思うの。散文って『人生の隣』な芸術だし、芸術以外も大事でしょ？」　佐藤春夫「それなー。マジ散文精神」　生田長江「ハァ？wwww意味わからんwwww」　広津和郎「むぅ……要するに『卑近美』ってこと！」