島田荘司エロミスTL
- daimokuzin18
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最近の会話では、島荘ファンの知人との会話の相違が興味深い。彼は島荘の荒唐無稽さが好きで、それに対して現実味がないと言い返そうとしたのを飲み込んで、なんとなればリアリティはあくまで味を調えるためのものであって必要条件でなく。となると彼の方がよほど真っ当な読み方なのかも
2010-07-25 19:07:20人に勧めるには注意が必要な作品シリーズも早いもので今回で10回目を迎える。その栄えある10回目に相応しい作家と言えばこの人しかいないだろう。……ということで、ゴッド・オブ・ミステリーこと島田荘司編である。ただ個人的に島田荘司は愛すべきバカミスキングでもあると思っている(爆)。
2010-07-25 19:13:23その1「犬坊里美の冒険」/昔「黒死館」を読了した知人の第一声は「探偵役の法水に殺意を覚えた」だった。そして本作もまた違う意味で探偵役の犬坊里美に殺意を覚える小説である。事ある毎に「じゃなくてぇー」「ですぅ」と語尾を伸ばすその喋り口調に果たしてあなたは付いていけるだろうか……。
2010-07-25 19:14:22その2「ハリウッド・サーティフィケート」/本作は女優松崎レオナが主人公の、御手洗シリーズの番外編なのだが、問題はこの作品が壮大な物語の序章に過ぎないという点である。そして今に至ってもその続編は書かれていない。なので本作は「消化不良上等!」という読者にしか勧められない作品である。
2010-07-25 19:15:38その3「御手洗パロディ・サイト事件」/【警告】本作は島田荘司が腐……もとい熱烈なファンと共に作り上げたファンブック的な作品である。そのため普通の読者には到底お勧めできない。一応柄刀一や霧舎巧も参加しているのでそれ目当てに読むのもアリかもしれないがあくまで自己責任でお願いします。
2010-07-25 19:16:40以上三作品。ちなみにその3で取り上げた「パロディ・サイト」には「パロサイ・ホテル」なる続編があるのだけれど、これもまあ前作同様あくまで自己責任で(略)。そんな島田作品で個人的に好きな三作を選ぶとするなら「占星術殺人事件」「暗闇坂の人喰いの木」「切り裂きジャック・百年の孤独」。
2010-07-25 19:17:54@mysteryEQ いつもありがとうございます。私も「占星術」と「暗闇坂」好きです。大がかりなケレン味を読ませてしまう筆力、やっぱゴッドなんですね。mysteryEQ様のまとめ、エアミス研以外の方々にも評判良かったです。ネタバレしてないのに「読みたい感」が盛り上がります♪
2010-07-25 19:58:12@rufa9 こちらこそ、いつもまとめて頂き有り難うございます。「占星術」が好きな方は多いのですが、反面「暗闇坂」は否定的な意見の方も多いので、好きと言って頂ける方がいるのは嬉しいですね。とりあえず今月は島田荘司編で一旦終了、次は8月以降にぼちぼち再開したいと思います。
2010-07-25 20:11:23@air_mys_ken mysteryEQ様の「人に勧めるには注意を要するミステリ」シリーズhttp://togetter.com/li/37153 島田荘司編を追加しました。おまけ http://bit.ly/2t2vA7 最近初めて見ました。 #air_mys_ken
2010-07-25 20:20:07個人的には「巨人の家」だけでも「暗闇坂」は傑作認定。確かクラニーも同じことを言っていたような。 QT @mysteryEQ: 「占星術」が好きな方は多いのですが、反面「暗闇坂」は否定的な意見の方も多いので、好きと言って頂ける方がいるのは嬉しいですね。
2010-07-25 20:43:05@taipeimonochrom 「巨人の家」はトリックもさることながら、謎の見せ方も素晴らしいと思います。これも斜め屋敷のようにイラストからトリックを思い付いたような感じがしますね。
2010-07-25 20:52:03ではちょっとだけネタ投下。ちょうど @Colorless_Ideas が数日前に「虚擬街頭漂流記」の原版と日本版の違いのことを訊かれていたので、これに絡めて御大の創作メソッドの話をホンの少しだけ。創作とか興味のない方は軽く飛ばしてください。
2010-07-25 20:52:22@mysteryEQ ただ御大自身、アンマリ「暗闇坂」に思い入れがないような気が……あくまで個人的な印象なんですけど。先っき創作メソッド云々の話を書きましたけど、ではそれにもちょっと関連した話を続けてみます。
2010-07-25 20:54:32「占星術」以後、黙っていてもアイディアが振ってきた御大がスランプに襲われたという時期に近いのが「暗闇坂」の頃、という話をどこかでしていて……でそれに関係して、「創作を目指す人はとにかくどんな小さなことでもメモしなさい」というアドバイスが続きますよね。
2010-07-25 20:57:57で、そんな時期に書かれたということもあって、あんまり「暗闇坂」には思い入れがないのかな、という……まあ、これは自分の勝手な感覚なのですけど。
2010-07-25 20:58:04で、話を @Colorless_Ideas さんの質問に戻すと、御大が選考に関わっている賞では、受賞作には御大のアドバイスにしたがって作品が磨かれるのが通例だと思います。「虚擬街頭漂流記」日本版にも同様の方法によって、原版となる台湾版に変更が加えられています。
2010-07-25 21:00:36RT @amuchan01: 島荘は暗闇坂以降、本格ミしての骨格はすごいシンプルになった印象。早い話が「幻想的な謎の提出と解体」で割りきれてしまう。だから作者の問題意識を共有できない人には面白くないのかなー、と。 #air_mys_ken
2010-07-25 21:04:12ネタバレにならない程度にチョットだけ話すと、最大の変更部分は最終章のある人物の台詞。これは訳者とも完全に意見が一致していて、まず最初に変更が加えられた部分。原版の台詞はある意味、寵物先生の短編「吾乃雜種」の主題を変奏したものとしてはなかなかのものなのですが……
2010-07-25 21:04:18島荘は暗闇坂以降、本格としての骨格はすごいシンプルになった印象。早い話が「幻想的な謎の提出と解体」で割りきれてしまう。だから作者の問題意識を共有できない人には面白くないのかなー、と。 #air_mys_ken
2010-07-25 21:04:20「虚擬街頭」の作品の主題としては、変更後の台詞の方が俄然良い、とは自分も思います。で、この台詞の変更の考え方というか方向性に御大の創作に隠されたヒントがあるのではないかなーと個人的には感じた次第。
2010-07-25 21:04:23「人に勧めるには注意が必要な作品」として「犬坊里美の冒険」を取り上げたけれど、謎とそのトリックだけ見れば充分凄い作品だと思う。ただ里美のせいで、何人が結末まで辿り着けるかどうか分からないけれど……。
2010-07-25 21:04:38