@ayakouchikoshi さんの第32回中央環境審議会動物愛護部会

長い時間をかけて小委員会でまとめられた内容を参考にして、動物愛護管理法が改正されました。10月3日開催の部会を傍聴席からみたまとめです。
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打越綾子 @ayakouchikoshi

10月3日の中央環境審議会第32回動物愛護部会について、傍聴して感じたことをまとめます。7000字のメモは、やはり正式の議事録に近くなるので発言者の了解なしに公開するのは控えます。他方、興味ない人は、申し訳ないのですが、どうかスルーしてくださいな。

2012-10-05 00:46:47
打越綾子 @ayakouchikoshi

1番目のヒアリング団体は販売業者。年間2万頭扱うペットのコジマ、年間500頭生産するブリーダーのヒロナカ、そして零細ショップのシライさん。いずれも誠実に動物を取り扱っていて、販売できない個体についても最後まで治療、スタッフ親戚に譲渡、殺処分はゼロと断言してました。

2012-10-05 00:46:55
打越綾子 @ayakouchikoshi

印象的だったのは、白井さんのご発言。会社の中でも、古参スタッフと若いスタッフは意識が違うと。若い彼らが動物の取り扱いを厳しい目で見ている限り、販売不可能な個体を殺したり治療放棄をすれば、若いスタッフから社長へ強い反発が寄せられると思うと。なるほど。

2012-10-05 00:47:05
打越綾子 @ayakouchikoshi

もう一つ白井さんのご発言。法律規制前は、業者同士がライバルで交流がなく、業界全体として透明性がなかったと。しかし法改正後、講習会等を通じて情報交換、交流が活発になったと。また、オークションに獣医師を常駐させるなど第三者の目が入り、愛護団体とお話しする機会が増えて透明性が増したと。

2012-10-05 00:47:20
打越綾子 @ayakouchikoshi

2番目のミグノン友森さんの話は、私のツィッターのフォロワーさんは彼女の努力をみんなよくご存じなわけで(笑)、詳細は省略。印象に残ったのは、多頭飼育の崩壊現場から直接保護するよりも、行政保健所から引き受けるのを重視しているという理由。

2012-10-05 00:47:30
打越綾子 @ayakouchikoshi

①命の期限のある子から保護してやりたいこと、②所有権をめぐるトラブルがないこと、③一定程度飼育されているので感染症等の心配がないこと。愛護団体として継続的に活動していく上では、情に流されずに戦略的判断をすることも大切なのだと、彼女の強さに改めて敬服。

2012-10-05 00:47:44
打越綾子 @ayakouchikoshi

3番目のヒアリング団体は、全動協(自治体保健所等の協議会)。東京都職員さんが代表して意見表明。多頭飼育に対する勧告命令を出す場合の限界について論じていました。これは、小委員会で私が指摘したとおりの内容。

2012-10-05 00:47:53
打越綾子 @ayakouchikoshi

崩壊すると、民間団体でも対応しにくい多数の動物が一度に出てしまうので、そうした動物たちの行く先がない限り、厳しい命令は出せないと。行政が引き取れば致死処分せざるをえない個体が増えてしまうが、愛護団体がそれを許さない限り、自治体としては多頭飼育者に踏み込んで対応できない、と。

2012-10-05 00:48:23
打越綾子 @ayakouchikoshi

私は、致死処分を認めない活動家の言動は、時に生き地獄を味わっている犬や猫を放置することにつながりかねないと思う。小委員会でこう発言したところ活動家から「時代錯誤の大間違い」と実名入りで非難されましたが、私は、死の概念のない動物にとっては、致死処分より生き地獄の方が残酷だと思う。

2012-10-05 00:48:41
打越綾子 @ayakouchikoshi

なお、自治体側としては、虐待の「おそれ」がある場合に指導をするよう規則を作るならば、全国統一的な行動ができるよう具体的数値や基準を明確に示してほしいと。これは彼らの昔からの要望。しかし実際には、基準の不明確さより、マンパワー不足が動きの鈍さの最大の原因ではないかと私は思います。

2012-10-05 00:48:50
打越綾子 @ayakouchikoshi

4番目は、日本獣医師会。今後は、販売日齢に規制がかかることになったが、獣医師が出産に立ち会わない限り、出生の証明書を書くことができないのが獣医のルールのとこと。獣医が全て立ち会うのは無理な話で、動愛法とのずれが生じないかを懸念しているとのこと。

2012-10-05 00:49:00
打越綾子 @ayakouchikoshi

また、マイクロチップについては、埋め込み・情報管理が一体にならないと効果を発揮しないとして、大手のペットショップなどが、自社販売用の動物に対してオリジナルなデータベースを作っていることに対し、データベースそのものが乱立するのはよろしくない、とのこと。

2012-10-05 00:49:07
打越綾子 @ayakouchikoshi

動物病院に連れ込まれる虐待の可能性のある動物と飼い主については、警察に通報する仕組みができていないのが歯がゆいとのこと。具体的な通報マニュアルなど、関係者で整備されていくことを望むとのことでした。以上、長くなりましたが、10月3日のご報告です。

2012-10-05 00:49:18
打越綾子 @ayakouchikoshi

最後に書きますが、私は、ペットに対する自治体での致死処分も虐待もきちんとしたゼロにできるならばそれが一番だと思いますが、現実の社会において不可能である限り、判断の場において妥協せざるを得ない、ベストを尽くせない、そういうことはあるのだと、そう考えています。

2012-10-05 00:52:47
打越綾子 @ayakouchikoshi

そういえば、交通事故ではねられたタヌキを保護した時、「長野県にはリハビリセンターがないため動物病院に連れて行ってやることしかできない」と涙声で電話相談した私に対し、「今の体制下で、出来うる限りのことをなさってるんですよ」と励ましてくれた友人がいました。

2012-10-05 01:11:01
打越綾子 @ayakouchikoshi

結果として、いきなり10万円以上かかり、また我が家のフェンスを改造して飼育施設まで作って野生復帰させるところまで到達しちゃったのだけれど、「これしか」なのか、「現在できうる限り」なのか、その解釈次第で、人は前を向いていけるか否か違うのだと思ったことがあったなあ。

2012-10-05 01:13:34