音楽誌「ERIS」をめぐる高橋健太郎氏と竹場元彦氏の論争のまとめ

新創刊された音楽雑誌「ERIS」(WEB版は無料 http://eris.jp/ )をめぐる、編集長高橋健太郎氏と竹場元彦氏のやりとりをとりあえず時系列にまとめました。
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竹場元彦 @tingtong115

高橋さんは「僕は人生が趣味と興味で出来ている。」と言っていたが、ボクはそんな人生はご免被りたい。これが「見解の違い」の大元だろう。一方で「それぞれが、それぞれの戦場にいるんですよ」とも言っている。異議はない。その「それぞれの戦い」をキチンと伝えているのかどうか、という問題。

2012-10-07 08:39:08
竹場元彦 @tingtong115

ボクが元ロッキンオンというだけで、ERISには「自分語り」がないから不満なのだろう、などと見当外れの納得をされても困る。要するに、何としてでも、ボクがつぶやいた「つまらない」というのが「まったく不当な評価」であると思いたかった、ということなのかなあ?よく分かりません。

2012-10-07 08:45:21
竹場元彦 @tingtong115

ちなみに、ロッキンオンもいまではロキノンと呼ばれ、「自分語り」がそのスタイルということらしいが、そういう時代になってからのことはまるで知らない。ボクがかかわっていたのは1973年くらいから80年代の初めにかけてです。

2012-10-07 08:48:09
竹場元彦 @tingtong115

ロッキンオンに書き始めた当初はクリムズン、イエス、ゴングなど、プログレに関する記事が多かった。「ロバート・フリップ架空インタヴュー」なんてのもやりましたw これには、他のライターがみんなボクより一世代上で、プログレはどうもピンと来ないので竹場に書かせろ、みたいな内部事情があった。

2012-10-07 08:49:58
竹場元彦 @tingtong115

それが、パンク・ムーヴメントを経て、もう「暢気な洋楽フォロワー」ではいられない、と思うようになった。ピストルズを聴いて思ったのは、彼らのレコードについて書くのではなく、自分が実際に生活している東京のシーンを書かないとならない、ということだった。

2012-10-07 08:52:40
竹場元彦 @tingtong115

そうして、当時ニューウェイヴに触発された遠藤健司やPANTAの力作、P-Modelやヒカシューなどの新しいアーチストを積極的に紹介するようになった。高校生が主体だったROの読者が来やすいように、日曜の午後に800円で観られるライヴを企画した。

2012-10-07 08:59:07
竹場元彦 @tingtong115

1980年にジョン・レノンが暗殺されて、スーパースターの時代が完全に終わったと感じた。これからは、まさに「それぞれの戦い」の時代なのだと考えていた。けれども、世の中はバブル時代へ。音楽もどんどんファッション化していくばかり。

2012-10-07 09:12:03
竹場元彦 @tingtong115

80年代を、青山の外資系オフィスで浮かれて過ごしたボクは、すっかり音楽シーンから遠ざかっていた。P-Modelの解散ライヴのあと、久しぶりに打ち上げに顔を出したら、「いまごろノコノコ出てきていい気なもんだ」と平沢が言う。彼の「10年間の戦い」をボクはネグレクトしていた。

2012-10-07 09:16:20
竹場元彦 @tingtong115

そのころ、六本木にあったWAVEで、巻上公一にバッタリ再会した。最近は何を?というボクの問いに、音楽をやっていると言う巻上。へえ、いまはなんていうバンド?と問うと、彼はちょっとムッとしたように見えた。「いまでも、ヒカシューだよ」。彼の「10年の戦い」を、ボクはネグレクトしていた。

2012-10-07 09:23:05
竹場元彦 @tingtong115

しゃんと生きて行くために、毎日、新鮮な音楽を腹いっぱい喰って出かけたい。胸いっぱい吸って帰りたい。街中の家が高い塀を廻らせ、塀の中では「趣味と興味」の人生たちが、お互いの顔も見ずに昼間から虚ろな言葉を交わす。50年前の予言通り、そんな街になってしまった東京をクルマの窓から眺める。

2012-10-07 10:26:43
竹場元彦 @tingtong115

あるピアニストが言う。もし演奏が終わったときに、ステージの床が血で染まっていなかったなら、そのコンサートは失敗だったのだ、と。キリスト教文明の支配下では、残念ながら血を流さなければ何も出来ない。自らの血をインクとして書かれたものでなければ、何も言ったことにはならない。

2012-10-07 10:37:10
竹場元彦 @tingtong115

いまも、誰も血を流さずに生きて行ける世の中を夢見る。プロフィールにある通り、「第二次世界大戦は終わっていない」。この戦いに勝って、キリスト教の支配する世界を終わらせたい。そこにはもう原発もオスプレイもない。だけど、それまでは血を流し続けなければ、まともに語ることも出来ない。

2012-10-07 10:47:32
竹場元彦 @tingtong115

Misao Redwolfよ、知っているのか? 原発を無くすには、第二次世界大戦に勝利する以外に無いのだと。そうでなければ、誰が世界中の富を再分配し、誰がメツァモールの発電所を止めるのか。あなたのコールは力強いが、硬直したリズムでは前には進めない。スウィングしなけりゃ意味ないよ。

2012-10-07 11:00:31
竹場元彦 @tingtong115

高橋さんのことは、何も知らなかった。あとから調べると、この30年間、音楽評論(と制作)の一線で活躍してきた人らしい。ERISの「錚々たる」執筆陣も、ほとんど知らない。要するにボクは、この30年間、日本の音楽ジャーナリズムとは無縁だった。

2012-10-09 04:39:42
竹場元彦 @tingtong115

ネット上で、「高橋健太郎」を探す。そこで読めた過去のテキストは、驚いたことに(竹場基準ですがw)ずっと「リアリティ」のあるものだった。これならボクだって「オタクの戯れ言」とは思わない。今回のERIS所載の原稿は、明らかに「傍観者的」と読める。これは一体どういうことなんだろう?

2012-10-09 04:45:07
竹場元彦 @tingtong115

しかも、高橋さんのライターとしてのキャリアの出発点は、ジャマイカ取材から始まっていると言う。このことと「現場至上主義は大嫌い」ということは必ずしも矛盾しないが、ちょっと意外な感じではあった。

2012-10-09 04:48:25
竹場元彦 @tingtong115

何を書くか、ではなく、どう書くか、だと確かに言った。しかし、世界中の音楽ジャーナリズムで、自分の生活圏でいま実際に演奏されている「音楽の現場」をホームにせず、海外や過去のことばかりに目を向けているなんて、東京だけの特殊例としか思えないんだけどなあ。

2012-10-09 04:58:15
竹場元彦 @tingtong115

いま、東京の、日本のミュージシャンたちは世界に向けて発信(しようと悪戦苦闘)しているのに、音楽ジャーナリズムはいまだにそこをネグレクトして、世界から受信することに精を出すばかりなのか、という「がっかり感」が、ERISに対する不満の根っこなのかもしれない。

2012-10-09 05:11:40
竹場元彦 @tingtong115

@shen1oong まず、「現場のリアリティ」を重視している、は誤読です。ボクが重視しているのは「実在の人間としてのリアリティ」です。批評の対象となるミュージシャンではなく、書き手のリアリティ。その「書き手のリアリティ」を担保するのに「現場のリアリティ」は寄与する。例外あり。

2012-10-09 05:55:41
竹場元彦 @tingtong115

@shen1oong ミュージシャンにとっての演奏の場、それを聴く聴衆の存在、それを報じるメディア、そうしたものの集合体です。

2012-10-09 06:11:17
竹場元彦 @tingtong115

先の論争?の合間に高橋健太郎さんがつぶやいた「化石を発見したのかもしれない」とは言い得て妙だ。感心してどうする!?しかし、本当に、自分でもこの30年間の世の中の変化を、理解も適応もしていないと思いあたる。その化石が口を開いて「いま・ここ」と言い張るのだから、面白いじゃないですか。

2012-10-10 02:06:16
竹場元彦 @tingtong115

『「エリス」はたまたま音楽雑誌なのです。同じ手法で"原発事故後の食と生活の雑誌"とか作れないかと考えています。』と高橋さんは言うが、これは音楽を「表現」として捉えていないことを意味するだろう。表現者としてのミュージシャンに対峙する気など最初からない「趣味と興味の音楽生活情報誌」。

2012-10-10 03:02:54
竹場元彦 @tingtong115

ならば、ERISが「いま・ここ、東京で日常的に活動しているミュージシャン」に特に関心がないのも、もっともだ。消費主義の立場では、「音楽の現場」とは、PCの前でYouTubeを観ている「いま・ここ」なのだから。彼らは「これ、面白いね」という言葉でゆるやかに連帯する。

2012-10-10 03:16:34
竹場元彦 @tingtong115

高橋さんがERISで紹介するSOURのビデオ、確かに「面白い」。しかし、その400万アクセスというビデオの成功が、SOURというバンド自体の成功にまったく繋がっていないことをどう考えるのか?2012年消費主義の立場では、そこはスルー。そこが70年代化石の理解できないところ。

2012-10-10 03:24:12
竹場元彦 @tingtong115

というか「音楽が主で、映像が従という関係はもはや終わろうとしている。映像スタッフも表現者である、あるいは、YouTubeにおけるバンドとは、映像スタッフも含めたチームである、というような意識が、世界のあちこちで芽生えているのでは」だから、ライヴやCDは別に何でもいいのか。

2012-10-10 04:01:58
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