マンガ家、田中ユタカ先生と藤田和日郎先生の対話

Hマンガ界においてあまりにも独自にして特異なスタンスを持つ作家田中ユタカ先生と、少年マンガ界で有数の熱いマンガを描く作家藤田和日郎先生の「創作の方法論」を巡る真摯なやり取り。始まりは西尾維新先生の特異な創作論から、お互いの作劇方法の一致点と相違点を巡るスリリングなやり取りへ。お二人の対談本というのも是非見てみたいような気がします。
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田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

@Ufujitakazuhiro こちらこそ、お会いできる機会が来ることを心より楽しみにしています。 藤田先生に自分のHマンガをほめてもらえたことは、自分にとってとても大きな励ましとなっています。うれしいです。深く感謝します。

2012-10-05 07:59:25
藤田和日郎 @Ufujitakazuhiro

@tanakayutak 自分はあさりよしとお先生にアシとしてお世話になっていた昔、先生の周りの友人方に成人向けの漫画を描かれる方が多かったです。その中で漫画家っぽくなった自分は、H漫画に対する描き手の状況も少しはわかるんです。 あなたはスゲーですよ。

2012-10-06 11:21:10
藤田和日郎 @Ufujitakazuhiro

@tanakayutak これは面と向かっては言えぬコトですね。 なんか、恥ずかしいデスもんね。f^_^;)

2012-10-06 11:21:38
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

@Ufujitakazuhiro 心の深いところにある物語は、必ずしも明るいものではないと感じます。その物語は「真実」であるかも知れないですが、もっと別のものに書き換えることが人は出来ます。作品を描いていて、これこそ真実だと感じていたものがゴボッと生まれ変わる時があります。

2012-10-05 07:45:30
藤田和日郎 @Ufujitakazuhiro

@tanakayutak なるほど……。それだからこそ、田中さんの描く作品は奥深く、心をざらりと撫でるんですね。 でも、それを要求しないヒトもいて。きっといつも戦いになるのでしょうね……。 その辺りは、自分も作家の端くれとして、わかるのです。 (笑)

2012-10-06 11:04:14
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

@Ufujitakazuhiro 自分はお話の展開もキャラがどういう人物なのかも、わからないまま描き始めます。事前の準備していたものは、ほとんど使えないです。作り物で浅いのです。自分の場合、描く前にわかる程度のことでは作品にならない感じです。メジャーに向かない習い性です(^^)

2012-10-05 07:57:56
藤田和日郎 @Ufujitakazuhiro

@tanakayutak それは、描いてゆくことで、その登場人物のコトや物語が着地したがっているトコロが、自分で理解出来てゆく。 というコトでしょうか? ごめんなさい。微妙で難しいコトを話されている時、知ったかぶりもしたかないのですよ。(笑) でも、もしそうなら、わかります。

2012-10-06 11:08:26
藤田和日郎 @Ufujitakazuhiro

@tanakayutak でも、自分はキャラも展開も最初に決めておかないとヒドイコトになる描き手なので(笑)。(からくりサーカスと言う拙作はえらい目にあいました。(笑)) 作家のやり方は様々ですね。 まるで個別の創作のエネルギー球を持っているようですねー。

2012-10-06 11:12:45
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

@Ufujitakazuhiro 宮崎駿監督が仰る「映画の奴隷」というのに近いかもしれないです。「『もののけ姫』はこうして生まれた」で宮崎監督が仰っています。映画は映画にろうとします。自分が何かを訴えたいというよりも、映画がそれを言いたがっているのだからしょうがない。

2012-10-08 05:39:55
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

@Ufujitakazuhiro 「心の底からわき起こってくるもので、当人にとってもどうしようもなく、ファンタジー自身が自律性をもつ」「頭で考えだした作品は、『作り話』」「ファンタジーは『たましいのあらわれ』」(『ファンタジーを読む』河合隼雄)。とても共感を覚えます。

2012-10-08 05:52:06
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

@Ufujitakazuhiro 頭で考えたただの思いつきかほんとうのことか。それを見極める根拠は作者である自分の感覚のはずなのに正解・不正解は厳然としいます。執念深く何度も描きな直して、少しずつ探り当てていきます。どこかに既にある正しい姿を掘り出す感じがします。

2012-10-08 05:52:57
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

@Ufujitakazuhiro 「作り話」を避ける傾向はHマンガで職業作家となったことに因ると考えます。Hマンガは読者にとって「体験」となることがとても重要です。(と僕は考えます)。紙に描かれた裸が、どうすれば読者のリアルな心の体験となることが出来るか。空疎な作り話でなく。

2012-10-08 05:55:58
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

@Ufujitakazuhiro Hマンガは、読者の心のもっともプライベートな部分に触れる仕事です。描いていて、そう感じます。 人が日常生活で見せていない傷つき易い心に直接触れます。人に読んでもらうことのこわさや尊さを僕はHマンガで学びました。

2012-10-08 05:57:10
藤田和日郎 @Ufujitakazuhiro

@tanakayutak 怖いです。尊いです。 田中さんは、だからこそ、真っ正面から、切れば血の出るような、まるで詩人の言葉のようなHマンガを描かれるのでしょうね。

2012-10-08 15:56:20
藤田和日郎 @Ufujitakazuhiro

@tanakayutak 田中さんは面白い方ですねえ。 なぜにおれが食いつきたくなるような、そんなイイ話題を! (笑) これは、あくまで、おれの個人の思いですから、宮崎監督にも田中さんにも何の腹づもりもありませんよ。 ……と前置きして。

2012-10-08 13:59:25
藤田和日郎 @Ufujitakazuhiro

@tanakayutak 自分の漫画人生は常に「それを許さない」を心にざばざば泳いできたようなモノなんですね。 自分の心にあるどうしても言いたいこと、を作品として物語るためには、どうして自分が作品の奴隷になりましょう? 自分が、ぐねぐねと動いて常にあっちに行きたがる物語を

2012-10-08 14:05:18
藤田和日郎 @Ufujitakazuhiro

@tanakayutak 取りひしぎ、押さえつけ、殴り合って、思った通りの読後感を読者にお届けしなければ、一体誰が自分の作品と言えるのでしょう。 こちらは、大切な友達と話したり、家族と過ごしたりする大事な時間を全て、一滴の残りもなく、漫画に注いでいるのです。

2012-10-08 14:09:19
藤田和日郎 @Ufujitakazuhiro

@tanakayutak その上、作品が勝手に自身を主張するだとお。(笑) あはは。田中さん、おれはそういうワガママな漫画家なんですよ。 対等な立場でケンカして来たんです。 物語はおれ達を、どこから来るのかは知りませんがパイプとして使おうとします。 でも、そこで、おれは

2012-10-08 14:13:59
藤田和日郎 @Ufujitakazuhiro

@tanakayutak 大人しく道具として使われてやりませんのですよ。(^∇^)

2012-10-08 14:49:10
藤田和日郎 @Ufujitakazuhiro

@tanakayutak すいませんね。そのケンカこそが、自分にとって、生きているよろこびなのかもしれませんね。 ねえ。とっても個人的なハナシでしょう? 田中さんが話しをしたかったのは、もっと大きなコトかも知れなかったのに申し訳ありませんね。(笑)

2012-10-08 15:11:29
藤田和日郎 @Ufujitakazuhiro

@tanakayutak 残念無念なコトにおれはですね。田中さん。 ファンタジーが心からどうしょうもなく湧き上がってきたと言う体験を持たないのです。 常に頭で考え、絞り出して、作り上げて来たようなのですよ。 つまり、そこで言われているような「作り話」を紡いで漫画家をさせてもらって

2012-10-08 15:29:29
藤田和日郎 @Ufujitakazuhiro

@tanakayutak いる作家なのですよね。 だからこそ、自分で責任を果たそうとあがいているような気がします。 作り話…自分が考えたお話しに読者の方を乗せちまったからには、イイ所に連れて行くのが責任と考え、必死にその着地点に向かう。 田中さんのお考えとは違うことかも知れ

2012-10-08 15:33:29
藤田和日郎 @Ufujitakazuhiro

@tanakayutak ませんが、それも、漫画家としてのありようだと思っています。 自分は、魂の表出のみが漫画家の作品ではないのではないかと思います。 田中さんの漫画によって、おれがやすらぎや楽しさを得られたように、読者に一瞬、「ああ、ちょっと、マシな気持ちになったなあ。」

2012-10-08 15:41:36
藤田和日郎 @Ufujitakazuhiro

@tanakayutak と思ってもらうような作品を目指すのも一つのやり方なんじゃないでしょうかね。(o^^o) 自分は、自分の魂には興味がありません。 あるのは、読んでくれた方の気分がマシになったか、少しはこのおっかない世の中を生きてゆくハナウタになったかなのですよ。 (笑)

2012-10-08 15:46:39
藤田和日郎 @Ufujitakazuhiro

@tanakayutak なるほどねえ。 話しをする時は、自分の立ち位地を説明するコトが大事と考え、まず自分がいかにファンタジー素養のない者かを説明しましたが、興味深い立ち位地ですねえ。田中さん。 とても、奥が深いです。 読者のリアルな心の体験ですか……改めて考えてみます。

2012-10-08 15:53:34