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キンが慌てる。が、その負傷では恐らく間に合わないだろう。 「いや、いい。俺はここで一旦死ぬ。たくみんは、キン。お前が倒せ」 ふーは残された力を振り絞るように一言一句を紡いでいく。 「俺が・・・たくみんを・・・?ががまるアンチを・・・?」キンが呆然とした表情で答える。
2012-10-09 22:57:49「いいか、キン。あいつの放つ「轟」の正体、俺が食らって初めて分かった。アレは質量を持った「暴言、煽り、差別」だ。奴は己のアンチががまる思想を質量化して俺達ががまるクラスタにぶつける。一般人には効かないだろうが、俺達ががまるクラスタが食らえば一発で肉片になっちまう。そういう攻撃だ」
2012-10-09 23:00:17ふーがキンに、己が死す前に一事でも多く、敵の情報を伝えている。 それを可能にするのはががまるクラスタである。というだけではない。 たくみんへの憎悪、キンへの親心が今のふーを動かしているのだ。 「いいか、キン。たくみんの能力が分かった今、恐れる必要はない。お前なら勝てるは―――」
2012-10-09 23:01:01ふーが次の言葉を紡ごうとした刹那。ふーの肉体が圧縮され、乱され、粉々に破壊された。 「ふーさん!?」 キンが叫ぶ。 「ふーめ、生きていたか。」 たくみんが喧嘩商売を放ったのである。
2012-10-09 23:01:54「てめぇ、よくもやったなぁあああああああ!!!」 キンが怒号をあげる、その瞳は怒りに燃えていた。 「ほう、良い面構えになったじゃないかと言わざるを得ない」 たくみんの顔が歪に歪む。その表情は歓喜・・・!。 彼もまた、戦闘狂なのだ―――。
2012-10-09 23:02:36暫くの間、静寂が場を包む。 「――Repaint it black…月牙天衝!!」 静寂を破り、先に動いたのはキンだ。陛下から授かったペンダントを懐から取り出し、それを美しくとも歪な剣に変える。 その剣の刀身が黒に染まり――たくみんに胸に黒い斬撃を放った。
2012-10-09 23:03:22「軽い、軽すぎる。」たくみんは懐に差した刀を一瞬の内に抜きさり、似非月牙天衝をいとも簡単に弾き返した。「なん・・・だと…!?ぐっ…!」キンは自慢の必殺技が簡単に弾き返されたことにショックを受けたが攻撃の手を緩めない、が、2撃、3撃と斬撃を繰り出したキンだがその全てを薙ぎ払われる。
2012-10-09 23:05:04「キミはね、弱すぎるんだよ。あくびが出ちゃうと言わざるを得ない」たくみんは力を込めた斬撃を放つ。「――クッ!!」 キンが防ぎきれずに態勢を崩される。その隙をたくみんは逃さなかった。
2012-10-09 23:05:59「塞ぎ込め・・・!喧嘩商売!!」 たくみんの口から放たれし「轟」いや、質量を持った「悪意、憎悪」はキンにまっすぐ向かってく。 そしてキンに直撃した―――。
2012-10-09 23:07:10たくみんは戦慄していた。理解できなかったのだ。 「大したことねぇな!喧嘩商売とやらも!!」 キンはなんと無傷でその場に立っていた……!!!!!!
2012-10-09 23:08:16「バカな!ありえないありえないあえりなヰ!ががまるクラスタに喧嘩商売が効かないなんてことはありえなヰ! は・・・、そうか、お前、蝶ヶ崎蛾々丸に忠誠を誓っていないんだな!?そうなんだな!?」 たくみんは狂気の様な声を上げ、キンに問いただす。その姿は地獄を彷徨う怨霊の様だ。
2012-10-09 23:10:05「いや、俺は蝶ヶ崎蛾々丸陛下に全てを捧げている、この身も、運命も全て。だ。」 キンは冷静に答える。しかしその瞳には静かな怒りの炎が宿っている。 「なら・・・、なぜ!!なぜなのだ!!!」 たくみんは既に気が気ではない。自慢の技が効かなかったことがよほどショックなのだろう。
2012-10-09 23:10:42「だがな!それでも俺はヘラヘラ笑って媚びへつらってきたんだよ!」 「ま、まさか・・・!」 「そのまさかだ!俺に罵倒、批判なんざ通じねぇ!!」 キンは声高らかに叫んだ。最弱だからこそ、通用しない道理がある。 一番弱いからこそ、勝てる敵がいる・・・・!!
2012-10-09 23:12:41「ふ、ふん!だがなぁ!そんなものは所詮「お前には喧嘩商売が効かない」というだけの話だ! 喧嘩商売を使わなくてもお前は圧倒的に俺に劣る!」 たくみんが思考回路を取り戻し、冷静な結論に至る。 しかし、それは。自らの勝利を確信したかっただけなのかもしれない・・・!
2012-10-09 23:13:18「黙れ!負け犬が!!しねぇえええ!!!」 たくみんが刀を振り降ろす。その刀がキンの脳天に達する瞬間・・・! 「―――――模倣(パクリ)」 キンの口からたくみんの技である喧嘩商売が放たれ、その「轟音」はたくみんを飲み込んだ―――
2012-10-09 23:14:38「な、なんだとぉおおおおお!?!?!??!」たくみんは理解ができない。何故自分の技が使われたのか・・・。ではない。何故自分が作り出した喧嘩商売が自分に通用するのだ・・・!?
2012-10-09 23:15:58「お前はこれまで一方的に暴言を浴びせ続ける立場だった、自分に暴言が投げかけられることはない。故に暴言に弱い。 お前は俺に負けたんじゃない。自分の言葉に、負けたんだ―――――」 キンはそう言い残し、たくみんの死体に背を向けた。 そして歩き出す。仲間を、上官を救うために―――
2012-10-09 23:17:30