ちょい古マイナージャンルの残党

ある腐女子の死闘のあと  ※フィクションです
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まの @manohana

「まさかあなた……(ジャンルA)の残党だというの!?」「A……?」「そこのお嬢ちゃんが知らないのも無理はねえ、原作は10年以上前に終了、アニメ化もされず、当時ですら活動サークルは稀だった……」「けど、あなたも萌えていたんでしょう!?どうしてこんなことを!」「萌えすぎたのさ」

2012-10-15 23:02:10
まの @manohana

「萌えをこじらせるあまり、ただでさえ少ない供給が許容できなくなる。どんどん深みに嵌って、王道を妬み、メジャーを妬み、ついには人の萌えを否定することしかできなくなっちまったのさ」「それで……こんな姿に……」「もう、忘れちまったよ……自分が何に萌えてたかのさえな……」

2012-10-15 23:02:37
まの @manohana

「でも!あなたは!あなたはAを好きだったのでしょう!Aに萌えていたのでしょう!!その気持ちを思い出せば……」「無駄さ、思い出したところでもう誰とも共有できない。それなら、いっそ」「……そんなものだったの?あなたの萌えは」「……なんとでも言え」「楽しみに、してたのに」「……え?」

2012-10-15 23:03:16
まの @manohana

「楽しみだったのに!あなたの作品が!同人誌が!ペーパーが!!」「まさか、お前」「そう、私もかつてはAジャンルだった。けど、サークルがいなくなって、私は」「私は、なんて、ことを」「私は、あなたのB×Cだけが生きがいだったのに、なのに……」「えっ」「えっ?」「私C×Bだったんだけど」

2012-10-15 23:03:45
まの @manohana

「えっ」「人違いだと思う」「人違いかぁ」「そうそう。逆だもん」「じゃあ死ね」「うっ」   完

2012-10-15 23:04:03