Mel log('ω')

今まで書いたお話のまとめ(ノ)'ω'(ヽ)
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メル @melxca

【日向】雑誌捲る彼女の指が、ハートだのリボンだのと、色鮮やかな頁で止まる。「ね、順平くんはどれがいい?」なんて楽しそうに聞かれても。種類なんて呪文みたいで全然分かんねぇし。「あー、そうっすね。…手作り、とか」見開かれた瞳に、笑みを堪えて。「期待してます」勝手に、ですけど。#メル箱

2013-02-11 22:56:53
メル @melxca

【紫原】未だ星の残る早朝。寝息を立てる彼女の額に、キスを落とす。「ん…敦、さん」「…何で起きんの」「…お仕事の、お見送り」いってらっしゃい、と眠たげに笑う。こんなにも愛おしいのに、今、触れたいのに。続きも出来ないとか。「ほんと狡いよね、あんた」この俺に我慢させるなんてさ。#メル箱

2013-01-13 22:57:41
メル @melxca

【福井】家の前に寄り添うように並べられた二つの雪兎。「…ぷっ、何作ってんだ」あいつはきっと、これを自分達だと言って笑うのだろう。「ったく、しゃーねーな」今日くらいは甘やかしてやろうか。その身体がどろどろに溶けてしまう程に。そう決めて「おかえり」と。微笑む彼女を抱き締めた。#メル箱

2013-01-03 21:00:14
メル @melxca

【日向先生】実家を離れ、独りの正月にも随分慣れた。炬燵に首まで埋もれていると「…あ?」忙しなく光る携帯のランプ。その文面に思わず頬が緩んだ。「ちゃんとご飯食べて下さいね、か」笑いながら画面を弾いて、止まる。会いたい、とか。「狡いだろ…これ」そんなの、俺も同じに決まってる。#メル箱

2013-01-01 22:40:23
メル @melxca

【高尾】いつまでも携帯を見つめる瞳を独り占めしたくて、目尻にそっと口付けた。驚きで見開いた瞳に映る自分は、分かりやすいくらいのしたり顔。「そろそろだぞー?」「う、あとちょ…」「もうだーめ」日付が変わるまで、あと十分。最後も、最初も。お前には俺のことだけ考えてて欲しいから。#メル箱

2012-12-31 23:53:40
メル @melxca

【高尾】日焼けしたアルバムから、すっと落ちた一枚の写真。それを手にして彼は「昔の男?」なんて茶化して笑う。そんな人いないって、知ってる癖に。「高校の時の自分でしょ」写真に閉じ込めたのは、和成くん、とぎこちなく呼んでいた日々。数年経った今、その呼び方は。パパ、へと変わって。#メル箱

2012-12-31 17:33:27
メル @melxca

【岡村】「わたしのこと、噛んでいいよ?」その言葉を理解するまでに、数秒。「なっ、何言っとるんじゃ!」「ええー…駄目?」そういうことではなくてな。「傷になるじゃろ」「いいの。…岡ちゃんの物って、痕」「…じゃったら」せめて、他の誰にも見えない箇所にと。柔らかな胸に牙を立てた。#メル箱

2012-12-31 17:27:03
メル @melxca

【日向】初めて訪れた彼女の地元は、目に映る全てが新鮮だった。とはいえ「あー…くそ。緊張してきた」「今日は挨拶だけでしょ?気負わなくても」「つってもな、」やっぱ良く思われたいだろ。お前の親なんだから。「…ありがとう」その言葉には返さないまま。「行くぞ」繋いだ手を握り返した。#メル箱

2012-12-31 09:05:49
メル @melxca

【高尾】炬燵で丸まり朧げな彼女。「お前、ほんっと酒弱いよな」真っ赤に染まる頬を撫でれば「うっさい、ばか」ポカッ、と力なく叩かれた。「はいはい」掴んだ彼女の腕が熱い。吐き出す息も、俺を見つめる視線も。…勘違いかもしんねーけど。「…いただくとしますか」見つかったのが運の尽き。#メル箱

2012-12-30 21:52:34
メル @melxca

【緑間】隣からは規則正しい呼吸音。寝付きの良い彼は気付かないと高を括って、被さるように顔を寄せていく。と、瞬く間に二人の距離が縮まって、唇が重なった。「気付かないとでも思ったか」バカめ、と勝ち誇ったように笑う彼。「…狡い」ああ、敵わないと諦めて、二度目のキスに溶けてゆく。#メル箱

2012-12-30 20:32:13
メル @melxca

【紫原】付き合って、と言われても、相手は一回り以上下の高校生。質問攻めを緩く躱して「あと五年経ったら相手してあげる」ってあしらった、はずだった。なのに「そう言ったこと、後悔させてあげますから」なんて悪戯に微笑むから。「…言ってくれんじゃん」負かしてみなよ。受けて立つから。#メル箱

2012-12-28 01:08:38
メル @melxca

【伊月】頬にかかる髪を、一掬い。「眠い?寝る?」という言葉に「まだ、へいき」と、蕩けた瞳で返すのが、最近の恒例。「そう?なら…」冷えた指を忍ばせて、視線だけで問い掛ける。「しゅ、く…」「ほら、ちゃんと呼んで?」「俊、くん」「そう、良い子」あとは一言いいよって、その口から。#メル箱

2012-12-07 02:39:02
メル @melxca

【高尾】ころん、と机に転がった錠剤。これでこいつが落ち着くなら、と思わなくもないけれど。「そんなんよりか、俺が眠れるようにしてやろうか?」「…は、それってどう考えても、」正解、と暴れる腕をシーツへと縫い付けた。「お前は俺に溺れてりゃいーよ」何も考える暇など、ないくらいに。#メル箱

2012-12-07 01:51:10
メル @melxca

【高尾】胸元のレースを弄ぶように、指でなぞる。忙しなく声を上げていた口で「…余裕そうでむかつく」なんて言うもんだから。「へぇー、そう」隙間に指を滑らせて、飾りを弾いた。「ひう、っ!」「お前、誰に向かって口利いてんの?」「う、…ごめ、」「だーめ、許さねえよ」まずは一回、な?#メル箱

2012-12-07 01:34:34
メル @melxca

【笠松】いざ彼女を目の前にして、上手くいった試しがない。それでもこいつは呆れもせず、笑ってくれるから。「目、閉じろ」柔らかな唇に触れ、嫋やかな身体を押し倒す。不慣れな動きで吸い付いた肌に、痕は残らなくとも。「っ、ん、」初めて聞く嬌声に、今日こそはと、誓う。#黒バスプラス #メル箱

2012-12-07 01:15:28
メル @melxca

【黒子】この気持ちを口にしたら、不安に埋もれてしまいそうで。代わりにと、小さな身体を閉じ込めた。「…暖かい」「ですね、」言葉とは裏腹に。胸に積もる、冷たい猜疑心。埋めるようにその肌に触れるたび、思い知らされる。君と、僕。どれだけ思い慕っても、二つが交わることはないのだと。#メル箱

2012-12-06 23:52:41
メル @melxca

【高尾】本当は流れで行為に及ぶ方が好きなんだけど。「な、シよーぜ?」なんて敢えて確かめるのは。「…なっ、」頬を染め、恥じらう彼女が見たいから。「…ダメ?」抱き寄せて、触れ合って。吐息混じりに耳内へと流し込む。空いた手で背中の枷を外せばほら。「か、ず…」瞳に灯る、色は同じ。#メル箱

2012-12-06 00:03:09
メル @melxca

【高尾】心にひとつ言葉を宿して、彼女の番号を打ち込んだ。「あー…でもな」視界の端に映った時刻は、出歩くには遅すぎる。…彼女は今、何をしているだろう。流れた歌詞と自分が重なって、繰り返し、同じ言葉を口ずさむ。このまま声が月夜を流れて、彼女の元へ届けばいい。君に逢いたい、と。#メル箱

2012-11-28 23:27:48
メル @melxca

誕生日の始まりは、彼女からのキスだった。そして、終わりは。「…っ、も、やべっ」「ん、出し…て?」「ばか、煽んな…!」強くなる締め付けに、ふるりと欲を吐き出した。力なく彼女の肩口に顔を寄せると、至近距離で視線が交わる。「ありがと、な。今日 」最後は俺から、キスを贈るよ。#tkoh2

2012-11-21 23:59:08
メル @melxca

【高尾】泣き腫らし、赤くなった目蓋に優しいキスが舞い降りる。擽ったさに強く目を閉じれば、その隙に今度は唇が奪われた。「…もう」「いーじゃん別に。おやすみのキスってな」「…っ、寝る」「おー、おやすみ」布団の中、どちらからともなく絡まった指。次逢うときは、同じ夢の中で。#黒バスプラス

2012-11-21 04:36:51
メル @melxca

【高尾/③】先生は、狡い。「大人なんてそんなもんだ」と全て片付けてしまうのだから。…なら、今日くらいは。「たかお、せんせ」結んだ髪を解いて、同じ位置に痕を残す。「わたしからのプレゼントです」意地悪く、笑い返して。いつまでも子供なんかで、いてやらないんだから。

2012-11-21 03:12:15
メル @melxca

【高尾/②】「いっ、っ…」それを遮ったのは、薬指に走った痛み。彼の口内から解放された時には既に、鬱血の痕が一目で分かる程、くっきりと残っていた。「なに、す…」「あー、指輪の代わり?」「…は?」「今はまだ、嵌めてやれねーからさ」…ああまた。その思わせ振りな言葉に何度絆されただろう。

2012-11-21 03:12:07
メル @melxca

【高尾/①】「嵌めてみっか?」と意地悪く手渡されたのは、先生の指輪。冷たく光るそれは愛の証というより枷のようで、このまま投げ捨ててしまえたら、と邪な考えが頭を過った。「いや、です。…そんなもの」「ふはっ、ほんと容赦ねーよなお前」言わせてるのは誰なんです、と吐き捨てる、はずだった。

2012-11-21 03:11:52
メル @melxca

【高尾】触れるだけのキスでいい、なんて子供みたいだ。いつもはもっと深くまで欲しがる癖に、今はそれだけで満たされるなんて。「…和成、愛されてるね」鳴り止まない着信音に、彼女が笑う。「でも一番愛してるのは、わたしだもの」「…知ってるって」重ねた唇から、伝わっているから。#黒バスプラス

2012-11-21 01:28:56
メル @melxca

【高尾/④】 「ばか、それっ…わたし、の台詞っ、」「ふはっ、わり」でも俺だって、同じことを思っているのだと。言葉と共に。この肌に、心に存分に刻んでやればいい。そんなことを考えながら、胸元の釦へと手を伸ばす。甘やかな夜はまだ、幕を上げたばかり。#黒バスプラス

2012-11-21 00:15:35
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