茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第749回「忘れられないことには、向き合う」

脳科学者・茂木健一郎さんの10月18日の連続ツイート。 本日も、引き続いて、日本を元気にするツイートシリーズ!
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茂木健一郎 @kenichiromogi

成田空港から、東京に向かう成田エクスプレスの中から、連続ツイート第749回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日も、引き続いて、日本を元気にするツイートシリーズ! (当分続きます)走行するので、途中で途切れたら、ごめん。

2012-10-18 14:43:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

わむ(1)昨日の連続ツイートで、「忘れること」の大切さについて議論した。まるで今朝生まれたかのように、新鮮な気持ちで世界に向き合う。これは、学びという意味でも大事だけれども、とりわけ、女性にとっては、「魅力度」の向上に加わる、重要なアンチエイジングのきっかけとなる。

2012-10-18 14:45:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

わむ(2)男というものは、「私ね、過去にいろいろ面倒なことがあったの。それにとらわれてしまっているの。だから、いろいろごちゃごちゃいうかもしれないけど、ごめんね」という女性が、ずっとそのままだとだんだん引いてしまう。「私、今朝生まれちゃった。しゅりんくっ」と気分転換が良い。

2012-10-18 14:46:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

わむ(3)忘却力というのは、生命力そのものである。息子さんの一茂さんを連れていっしょに球場に行って、そのことを忘れて一人で帰ってきてしまったという長島茂雄さんは、生命力がある。忘れることができるからこそ、人は、前向きに、エネルギー全開で進むことができるのである。

2012-10-18 14:47:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

わむ(4)そうは言っても、なかなか忘れることのできない心の傷、体験はあるかもしれない。そのような時には、無理に忘れようとする必要はない。忘れようとして無意識の中に抑圧すると、かえって暴れる。抑圧されたエネルギーが、思わぬかたちで表に出ることもあるから、注意が必要である。

2012-10-18 14:48:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

わむ(5)なかなか忘れることができない、負の感情もあるかもしれない。その時には、むしろ向き合う。その時、コツがある。負の体験をした当時、自分がどんなことを感じていたか、その体験の、自分の人生にとっての意味は何かということを、振り返りながら、じっくりと考えるのである。

2012-10-18 14:49:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

わむ(6)かつてあった辛い体験に、その時感じていたことや、意味を考えながら向き合うこと。これを、prolonged exposureといって、心が回復する上で意義があることが知られている。向き合うこと自体がきびしい時には、無理をする必要がない。ある程度落ち着いてからである。

2012-10-18 14:50:51
茂木健一郎 @kenichiromogi

わむ(7)失恋をした時など、彼(彼女)といた時に何を感じていたのか、自分の人生にとってどんな意味があったのかということを振り返り、整理すると、それに関連した心的エネルギーが解消されて、さっと忘れて前に行けるようになる。忘れられないということは、つまり、課題が残っていること。

2012-10-18 14:52:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

わむ(8)つまり、ぷれいりーどっぐくんのように、「しゅりんくっ!」と立ち上がった瞬間に過去を忘れているためには、ある程度自分の体験を振り返り、整理がなされていなければならない。うまくいろいろなことを忘れて、明日へと積極的に向き合うためにも、自分との対話が必要なのである。

2012-10-18 14:53:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

わむ(9)人生の時を積み重ねていくと、気をつけないと、未整理の体験がごちゃごちゃと絡まって蓄積してきて、それでがんじがらめになって先に行けないことがある。昨日のツイートで忘れることが大切だと言ったけれども、忘れるためには、逆説的だけれども、過去に向き合わなくてはならないのです。

2012-10-18 14:54:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第749回「忘れられないことには、向き合う」でした。おにぎりたべる。

2012-10-18 14:55:31