茂木健一郎（@kenichiromogi）さんの連続ツイート第７４８回「起きた瞬間に、イヤなことはすべて忘れている」

茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ！　ぷれいりーどっぐくん、ルイジアナ州ニューオリンズでおはよう！　こちらは、今、午前２時です！

茂木健一郎 @kenichiromogi

滞在中のルイジアナ州ニューオリンズから、連続ツイート第７４８回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日も、引き続いて、日本を元気にするツイートシリーズ！　（当分続きます）

茂木健一郎 @kenichiromogi

おい（１）私は、毎朝、「しゅりんくっ。ぷれいりーどっぐくん、おはよう」とつぶやいている。このつぶやきを一番最初にしたのが何年何月か覚えていないのだが（誰か調べてください！）、その朝、その瞬間に、突然この文字列が降ってきて、書いたのである。なぜか習慣になって続けている。

茂木健一郎 @kenichiromogi

おい（２）つまり、「しゅりんくっ。ぷれいりーどっぐくん、おはよう」は、無意識から突然わき上がってきたもので、その「意味」は何かと言われても、本人にも長い間わからなかった。もちろん、「しゅりんくっ」は偉大な漫画『ぼのぼの』でぷれいりーどっぐくんが起き上がる時の擬態語である。

茂木健一郎 @kenichiromogi

おい（３）ぷれいりーどっぐくんは、このように（http://t.co/DMJrmCC7）「しゅりんくっ」と起き上がる。それを見て、しまりすくんが、「ぷれいりーどっぐくん、おはよう」と声をかけている、説明するとそうなるのだが、その意味は何か、と聞かれても、本人も考えていなかった。

茂木健一郎 @kenichiromogi

おい（４）しかし、何しろ、毎日つぶやいているのだから、そのイメージが気に入ってることは間違いない。ある時、街を歩いていて、「ああ、そうか」と思った。問題は「忘却」に関連する。ぷれいりーどっぐくんは、しゅりんくっ！　と立ち上がった瞬間に、それまでのことを全て忘れているのだ。

茂木健一郎 @kenichiromogi

おい（５）つまり、どんなにイヤなことがあっても、ややこしくなっていても、辛くても、悲しくても、「しゅりんくっ」と起き上がって、目をぱちぱちさせながら世の中を見た時に、ぷれいりーどっぐくんは、そのようないきさつを全て忘れて、新鮮ないのちとして世界に向き合っているのだ。

茂木健一郎 @kenichiromogi

おい（６）このことは、脳のパラドックスに関係する。記憶を持つことは、脳にとって大切なことだが、同時に、忘却することも大切である。忘れることが、アンチエージングになる。毎朝、まるで今朝生まれてきたかのように新鮮な態度で世界に向き合う。それができると、人生は随分楽しくなる。

茂木健一郎 @kenichiromogi

おい（７）人間は、生きているうちに、どうしてもややこしいことや、悲しいことがある。奥田知志さん（@tomoshiokuda）が常々言われているように、「絆」（きずな）には、「傷」（きず）が含まれている。悲しみや後悔、配慮のひもにぐるぐる巻きにされると、次第に何もできなくなる。

茂木健一郎 @kenichiromogi

おい（８）今まで生きてきた経緯は大切だが、そのことによって自分の未来を縛ってしまうと、白紙が最初から殴り書きで埋め尽くされていて、新たな構想力が得られない。だからこそ、人は、時に、すべてを忘れて、前に進む「忘却力」を必要とするのだ。その時人は、よみがえり、わかがえる。

茂木健一郎 @kenichiromogi

おい（９）ぷれいりーどっぐくんは、「しゅりんくっ！」と立ち上がった瞬間に、それまでの経緯をすべて忘れて、自由になって、目をぱちぱちさせて世界を見ている。そんな力をもらえたらいいね、という無意識の呼びかけが、私の毎朝のつぶやきの中には込められているのだろう、と本人が推測しています。

茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第７４８回「起きた瞬間に、イヤなことはすべて忘れている」（「しゅりんくっ。ぷれいりーどっぐくん、おはよう」）でした。