ダイアローグ・トゥー・ザ・パブリック(JR山手線)

《ダイアローグ・トゥー・ザ・パブリック(JR山手線)》 2012 パブリック・スペースでのトーク JR山手線が一周する間(約1時間) 実施日時:2012年10月30日 続きを読む
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Kajiya Kenji 加治屋健司 @kenji_kajiya

山手線事件が行われたのは、奇しくも50年前の1962年10月でした。田中さんの「ダイアローグ」は、それを記念したものでもパロディにしたものでもないように思いました。むしろ、山手線事件を現代の文脈の中で捉え直し、それがもっていた別の可能性を考えようとする試みではないかと思いました。

2012-10-31 12:25:37
Kajiya Kenji 加治屋健司 @kenji_kajiya

山手線事件は、美術館の外で行ったパフォーマンスですが、美術館の外で活動することの意味は50年間で大きく変わりました。今では、美術の観念や美術館の制度に対する直接的反抗や、不特定多数の観衆に向けた挑発は、ほとんど意味を失っています。

2012-10-31 12:26:07
Kajiya Kenji 加治屋健司 @kenji_kajiya

オフミュージアム的な活動には、パラメータだけでなく、プログラムやアーキテクチャ自体を変更する可能性、つまり、場所や観衆だけでなく、それらを繋ぐテニヲハというか、経験の構造を組み替える可能性があったと思います。田中さんの「ダイアローグ」もそのような視点で考えてみたい気がしました。

2012-10-31 12:27:22
Kajiya Kenji 加治屋健司 @kenji_kajiya

戦後日本美術の検証作業は、主に批評家、学芸員、研究者によってなされてきましたが、それは彼らの専売事業ではないと思います。

2012-10-31 12:27:41
Kajiya Kenji 加治屋健司 @kenji_kajiya

クラウスが『視覚的無意識』第6章で述べたように、作家が自分の作品を通して歴史的な作品を読み直すことが、美術を前に進めると同時に、その過去の歴史を豊かにしていくのではないかと思いました。その意味で、田中さんの「ダイアローグ」は、私にとってとても興味深い試みでした。

2012-10-31 12:28:06
Kajiya Kenji 加治屋健司 @kenji_kajiya

ちなみに、山手線事件の様子は、赤瀬川原平さんの『東京ミキサー計画』に活写されていますが、よく知られているように、赤瀬川さんはその場を目撃しておらず、文章も写真の分析に限定しているので、そこに書かれていないことがあります。

2012-10-31 12:28:31
Kajiya Kenji 加治屋健司 @kenji_kajiya

実際は、車内や有楽町駅と東京駅で行為を行ってから、上野駅で行為を行い、そのまま公園口の改札を出て、東京文化会館前で終えたことが知られています。また、途中の池袋駅で合流する予定だった小杉武久と刀根康尚は、先発隊に会えず、二人だけで車内で音を用いた行為を行ったことも判明しています。

2012-10-31 12:28:54