2012年11月2日開催 第4回東大エネルギー・環境シンポジウム『日本のエネルギーの今後と持続する発展』
#1102_UT 山下俊一「線量が多い場合は傷がついて残るが線量の少ない場合には完全に修復される、生命力というのは微力な放射線への抵抗力でもある。福島での健康管理が非常に重要。将来的な発がんリスクの低減についても、浴びた云々ではなくしっかりと検診を行うのが重要」
2012-11-02 18:02:59#1102_UT 山下俊一「チェルノブイリの事故の教訓をこれまで全く学んで来なかった。勿論チェルノブイリと福島は規模も原因も異なる、発生5日での避難から影響は少ないと見ていた。しかし世論は異なり、危険への煽動も相次いだ」
2012-11-02 18:05:47#1102_UT 山下俊一「しかしチェルノブイリの経験をしっかりと学んできた海外の経験を日本でもきちんと踏まえるべき。今でも現地ので調査は続けられており、福島での作業者への長期的なフォローが必要」
2012-11-02 18:07:36#1102_UT 山下俊一「チェルノブイリ当時は冷戦の影響もあって正確な情報に乏しかった。しかしベラルーシで後年、甲状腺癌が多発が判明した。今となっては線量の評価はできないが、疫学的にも、件数の増加という事実はある」
2012-11-02 18:08:59#1102_UT 山下俊一「甲状腺癌の発がんリスクの評価、甲状腺についての被ばく線量を比較すると、チェルノブイリと福島では全く傾向も異なり、福島での実効線量の範囲は低いレベルに留まっている」
2012-11-02 18:10:13#1102_UT 山下俊一「ベラルーシでの事例。事故前に生まれた子どもでの甲状腺癌発症頻度を見るとヨウ素の影響があると推測される。実際、都会と地方では半減期の長いセシウムの量にも表れているが、明らかな影響が見られているわけではない」
2012-11-02 18:12:43#1102_UT 山下俊一「ノルウェーでのトナカイ牧畜者のセシウム量の調査。事故直後には値が跳ね上がっているが、発がんの影響が顕著に見られたわけではない。むしろ1960年代の方が値そのものは高い状況だった」
2012-11-02 18:14:34#1102_UT 山下俊一「チェルノブイリは急性の放射線障害以外にも、環境汚染や汚染による内部被曝の問題、そして長期的な社会的心理的な影響の大きさが教訓としてある。」
2012-11-02 18:15:53#1102_UT 山下俊一「国内の放射線防護の考えでは、無用な被曝をしないという考え。事故直後の屋内10mSv、避難50mSvの考え。そしてこれらの防護の考えから様々な基準も策定されている」
2012-11-02 18:17:44#1102_UT 山下俊一「福島県民管理調査について。線量がわからないと調査の困難であるので、実施。初期被ばく線量については45万人分、子どもは3万8千人妊婦は1万6千人検査を実施した」
2012-11-02 18:19:17#1102_UT 山下俊一「住民の事故直後の行動と線量分布図を解析することで、個人の被ばく線量を推定し、住民の不安の解消や長期的な健康影響に関しての基礎データとしてとりまとめている」
2012-11-02 18:20:32#1102_UT 山下俊一「県民の不安いどう答えるか、重い責務。健康への様々な考え方もある。どのように論理的に健康影響を説明するか、困難も伴う。こころの問題も大きく在る、これに対してどのようにエビデンスに基づいていくか、大きなポイント」
2012-11-02 18:24:22#1102_UT 山下俊一「福島の教訓、なぜ事故ありきになってなかったのか。そしてしっかりとモニタリングを継続するということ。そして今後安全宣言をどのように出すか、非常に重要なポイント。今後も皆様の英知を結集していただければと思います」
2012-11-02 18:25:47