ヨウカイスレイヤー・ミーツ・ヨウカイスレイヤー　+α

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◎これでダイジョブ？いいね。◎

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◎2週間以上更新が行われなかったのをいぶかしんだボブの友人である私トムがほんやくちーむのいるというアジトを訪れると、そこはもぬけの殻でした。二人はどこへ？そう思った私がその後1か月間けんめいに捜索した結果、某県内の某病院の自我科に入院していることが明らかになりました。◎

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◎急性NRSとYRSを同時に発症し、さらに医者が何を間違えたのかブーブスを投与してしまったため、IRC端末とともにデータのほとんどが爆発、破損してしまったそうです。更新を楽しみにしていた私はとても悲しんだ。このまま人知れず消えていくのは惜しいと思いました。◎

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◎そこで私トムはボブとともにほんやくちーむのアジトに戻り、どこかにあるとされるうしなわれたデータを必死に探そうとしました。現在更新中の話の続きは解読ふのうなほど破損していましたが、私たちはごみばこから運よく草稿の一部を見つけることが出来ました。◎

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◎私は待ちきれない！胸元にニンジャスレイヤー「ネオサイタマ炎上」第一巻( http://t.co/kH8qhJts )も入れてあるのできっと何が起きてもだいじょうぶだろう。ほんやくちーむのかわりにこの私トムが勝手に更新を行いたいと思います。◎

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「ヨウカイスレイヤー・ミーツ・ヨウカイスレイヤー」

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ゲンソウキョウ。現世とここを繋ぐ場所に位置するハクレイ・シュラインで、ヨウカイスレイヤーことハクレイ・レイムは暮らしている。重金属酸性雨が降り注ぐことも無ければ、サイバー的要素も排除されたゲンソウキョウには、人々に忘れられ失われた宇宙開発時代の残骸などが辿り着く。1

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もちろん辿り着くのは人間やヨウカイとて例外ではない。科学が発展した現代では、ヨウカイの仕業とされてきた事象群が解明されはじめ、彼らは追われるようにしてこのゲンソウキョウにやってきたのだ。ヨウカイを信じる一部の者たちも後を追うように流れ込んだ。2

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やがてゲンソウキョウはヤクモ・ユカリと初代ヨウカイスレイヤーの手で現世と隔絶された。彼らはやってきた当時のままの生活を行っており、発展した外界とは無縁だ。進歩を求めることは無く、誰もが今を楽しんでいる。エンカイがあれば騒ぐ。そんな日常が滞ることなく流れている。3

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ジゴク異変(レイムが勝手にそう名付けた)が解決してからしばらく経つが、最近はヨウカイもおとなしく、何かあったとしてもちょっとした小競り合い程度のもので至って平和そのものの生活が続いた。彼女が把握している大きな事件と言えばつい先日山の上に湖ができたくらいである。4

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早朝の散歩ついでに参拝をする老人が投げ込んだ賽銭の音で目を覚まし、境内を掃除、飯を食べて昼寝をしチャを飲む。いつものルーチンをこなすはずであったが、今のレイムは「妖」「殺」のレリーフが施されたメンポを装着し、身を潜めている。5

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目線の先には一人の少女。おそらく人間であろう。現代風の腋を露出させない巫女服を着、綺麗になびく緑髪には蛇が巻き付いている。彼女はカエルをモチーフとしたカミドメを外すと、口を開き中から小銭を取り出した。レイムはそれが高額なトークンであることを見逃さない！6

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金が投げ入れられたのを確認すると、ヨウカイスレイヤーは素早くメンポを外し、瞬間移動じみた速さで少女の後ろに回り込んだ。レイムは緑髪の少女が振り返ると同時にアイサツをする。「ドーモ、初めまして。ハクレイ・レイムです」「えっ？あ」「見ない顔。何者だ、アイサツせよ」7

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「あ、ど、ドーモ。ハクレイ・レイム＝サン。私はコチヤ・サナエと言います」少女はカミドメを戻し、慌てながらアイサツを返した。「スミマセン。つい最近シュラインごとここに来たばかりでして」サナエは申し訳なさそうに答えた。それを聞いたレイムの手が懐にしまったメンポに伸びかかる。8

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「どういうことだ、ユカリ＝サン。ハクレイ・シュラインを潰すつもりか」サナエは突如虚空に向かい話しかけたレイムを不審に思った。しかし突如空間が2つに裂け、無数の目玉のある空間とともに一人のヨウカイが現れた。「アイエッ！」サナエがたじろぐ。9

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そのヨウカイ、ヤクモ・ユカリはエクソシストめいた格好で上半身を空間の裂け目から露出させる。「知らないわ」スキマから金髪をこぼしながらユカリが答える。「ドーモ、レイム=サン、サナエ＝サン。ヤクモ・ユカリです」「知らないで済む問題ではなかろう」「本当に知らないんだもの」10

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「あ、あの」「オヌシは」「ハイッ！？」レイムが振り返る。その目にはうっすらとジゴクめいた薄紅の炎が灯っている。「何か伝えに来たのではないのか」「先に言うけどハクレイに喧嘩を売るのなら手加減はできないわ」ユカリも体を起こして言い放つ。11

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「そんなわけでは……」「ハクレイ・シュラインを潰すという行為は自分だけではなくゲンソウキョウさえも滅ぼす、。こちらにはオヌシらを滅ぼす力もある。もし愚行を走るつもりであるならば貴様の神にそう伝えよ」レイム、いやヨウカイスレイヤーは睨み据え、禍々しい声で言った。12

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「おう、おう、シュラバ・インシデントか？」そこに現れたのはタカギ・マリサだ。「そっちの見ない顔、巫女服ってことはきっと新しいヨウカイスレイヤーの誕生会だな。何で私も呼んでくれなかったんだ？」「違うからに決まってるでしょう」ユカリが肩をすくめる。13

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「違うのか？」「ハクレイ・シュラインの巫女は私だけで十分だ」「分かってるがよ……それ以外に山の巫女が何の用だってんだ」「あの……」短時間に過剰情報を摂取したサナエは混乱する。「お、アンタまさかヨウカイスレイヤー知らないのか。エー、ヨウカイスレイヤーってのはだな……」14

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「待て、何を吹き込んでいる」「ん？ああ、ゲンソウキョウの巫女としての心構えとかをだな……」「後にしろ」「ハハ、悪い事は言わんさ」「後々面倒が起きては困る」「その時はお前さんの仕事だろう」「その場合真っ先にオヌシを殺しに行くがな」「ハハ、冗談キツイぜ」15

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「やれやれね」「元はと言えばオヌシが煽ったのが悪いのではないか、ユカリ＝サン」「あら、私何か言いましたかしら？」「……」ユカリは愉快そうに笑いながらスキマの奥へと消えた。16

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「私も、帰ってよろしいでしょうか……？」サナエは呆れたような様子で言った。「構わん。今日は話にならず大変失礼をした。今度そちらへ向かわせていただく。そこで話を付けよう」「わかりました、伝えておきます。では」17

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