レプリカ・ミッシング・リンク ＃１
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
ユンコは運が悪かった。あるいは全てが最初から仕組まれていた事なのかもしれない。チーフマッポは実は、裏世界ではキングピンの異名で知られる悪徳腐敗警官だった。そして周囲の人間は誰もその事実を知らないが……彼もまたアマクダリ・セクトに属する、邪悪なマッポ・ニンジャだったのである！ 25
2012-11-04 02:23:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
ニンジャ真実を隠蔽し、さらに自分の担当地区のマイナス点評価を避けるために、極悪非道なるキングピンはこう言った。「……この不良娘を殺人容疑で逮捕しろ。遺産目当てか、怨恨のスジだ」「ハイヨロコンデー！」水を得た魚のように返事するマッポたち！「アイエエエエエ！？」困惑するユンコ！ 26
2012-11-04 02:31:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「オジャマシマス！」マッポが近づき、ユンコに手錠をはめる。キングピンは白い紙袋で口元を隠しながらアンコドーナツを咀嚼し、勝ち誇った目でユンコを見ていた。「アイエエエエ！助けて！」激しい無力感に苛まれながらもユンコは身をよじって後ずさりし、父にすがるように叫んだ。……その時！ 27
2012-11-04 02:40:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「非常事態宣言な」部屋の隅に突っ立っていたオイランドロイドが不意に呟き、瞳の漢字が「家庭用」から「戦闘用」に変わる！ゴウランガ！その直後、微かなモーター音とともに肘から手首にかけての秘密パーツが展開し、中から暴徒鎮圧用の小型アサルトライフルが出現したのだ！「私は無慈悲です」 28
2012-11-04 02:47:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「非常事態宣言な」部屋の隅に突っ立っていたオイランドロイドが不意に呟き、瞳の漢字が「家庭用」から「戦闘用」に変わる！ゴウランガ！その直後、微かなモーター音とともに肘から手首にかけての秘密パーツが展開し、中から暴徒鎮圧用の小型アサルトライフルが出現したのだ！「私は無慈悲です」 28
2012-11-04 22:18:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「おいちょっとやめないか！」マッポたちが威嚇のために銃を抜こうとした時には、もう遅かった。「投降は受け付けておりません」BRATATATATATA！有無を言わさぬアサルトライフルの乱射だ！「アイエエエエエエ！」混乱し逃げ惑うマッポたち！撃ち抜かれたフートンの白い羽毛が舞う！ 29
2012-11-04 22:24:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「アイエエエエエ！？」ユンコは無我夢中で駆け、窓の下のタンスの陰に飛び込む。その上に置かれた茶壺が銃弾を受けて砕け散った。「これは私の個人的判断でありスズキ家とは何ら関係ありません」オイランドロイドが射撃を一時停止し無表情に言った。逃げろと言っているのだ、とユンコは悟った。 30
2012-11-04 22:33:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「撃てッ！撃てーッ！」BLAMBLAMBLAMBLAM！アサルトライフル乱射が止んだ隙をついて、床に伏せて回避行動を取っていたマッポたちが銃撃を行う！ガイン！ガイン！オモチシリコンと強化カーボンに包まれた金属ボディから痛々しい命中音が発せられ、オイランドロイドがよろめいた！ 31
2012-11-04 22:37:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「暴徒の反撃映像を録画したから掃討モードに移行だ」頬に被弾し美しい肌が焼け焦げても表情ひとつ変えず、オイランドロイドは再びアサルトライフル化した両腕で前後左右に乱射を開始した。「アイエエエエエ！」「アバッ！アバーッ！」スズキ邸は殺戮の場と化す！ユンコは割れた窓から庭へ脱出！ 32
2012-11-04 22:45:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
KLICKKLICK！両のアサルトライフルが同時にアウトオブアモー！「リロード重点な」オイランドロイドの両脛に仕込まれた秘密のパーツが展開しマガジンが出現！マイコ回路による流麗な動きで再装填しにかかるが……「イヤーッ！」回避に徹していたキングピンが急接近しカラテタックルだ！ 33
2012-11-04 22:52:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「ピガガー！」オイランドロイドは壁に向かって弾き飛ばされた。床に倒れた直後、球体間接をモーター回転させマシンじみた動きで起き上がり、戦闘姿勢を取る。そして小さな声で呟いた。「ニンジャソウル感知」ナムアミダブツ！彼女の正体は、そしてこのような兵器を有するスズキ家とは何者か！？ 34
2012-11-04 23:04:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「何だこいつァ！？戦闘用オイランドロイドが実用化されてるなんて話、聞いた事ねえぞ！」キングピンは電磁メリケンサックとジッテを装備してカラテを構え、壁際のオイランドロイドに向かって突き進む！「カラ……テ……ゼンメツ・アクション！」オイランドロイドも中腰でカラテ迎撃態勢を取る！ 35
2012-11-04 23:09:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「ゼンメツだ！」オイランドロイドの左ふくらはぎの秘密パーツが展開し、超小型ミサイルポッドが出現！上から順に全弾射出！右ふくらはぎは故障し展開せず！「あぶねェ！」キングピンはニンジャ反射神経でこれを側転回避！彼の後方では超小型ミサイルの煙が複雑な軌跡を描き、小爆発の花が咲く！ 36
2012-11-04 23:21:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「アイエエエエエエ！」「アババババババーッ！」マッポたちに不幸な事故！さらに流れ弾の一発が割れた窓から日本庭園へ飛んでゆき、ユンコの数メートル後ろにあるカエル灯篭を破壊した。KABOOM！「アイエエエエエエ！」電子手錠をはめられた走り辛い状態のまま、必死に逃げ続けるユンコ！ 37
2012-11-04 23:26:11
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
室内では、キングピンとオイランドロイドがカラテを激突させていた。「イヤーッ！」「カラテ」「イヤーッ！」「カラテ」「イヤーッ！」「カラテ」その動きはカラテ十段のブラックベルトにも匹敵する程の精密さだ。ワザマエ！かくのごときカラテ動作までプログラムされているとは、何たるAIか！ 38
2012-11-04 23:34:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
相手がただの一般カラテマンならば、彼女は難なくこれを制圧していただろう。だがキングピンの正体はニンジャなのだ！加えて、彼女の素体はあくまでも医療用オイランドロイド……威力に欠ける彼女のカラテキックを弾き、キングピンが電磁メリケンフックを叩き込む！「イヤーッ！」「ピガガー！」 39
2012-11-04 23:37:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「イヤーッ！」「ピガガーッ！」「イヤーッ！」「ピガガーッ！」「イヤーッ！」「ピガガーッ！」一発食らうたびにオイランドロイドのカラテ反応が鈍る。電磁メリケンサックの物理衝撃と、インパクト時に生するジャミング波が、オイランドロイドのマイコ回路に深刻な損傷を与えているに違いない！ 40
2012-11-04 23:44:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「自爆モード作動、大変危険ドスエ」首を斜め45度に傾け半スクラップと化したオイランドロイドの瞳が、秒読みを開始する。「自爆！？アイエエエエエエ！」生存マッポたちが床に突っ伏し頭を下げる。「イイイヤアアアーッ！」その時、キングピンがショック・ジッテを敵の口に突き刺し出力最大！ 41
2012-11-04 23:52:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「ピガッ！ピガガガガ！ピガガガガーッ！」頭部が内側から電気発光！バチバチと青白い電流が走り、オイランドロイドの制御基盤が……焼ける！こもった内爆音が鳴り、耳と鼻から煙を吐き出し力無くくずおれた。自爆は四秒前で回避。オモチシリコンの焼ける独特のケミカル臭が室内に充満していた。 42
2012-11-04 23:59:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「ケッ！脅かしやがって！」キングピンは床に転がったスクラップを踏み付け動作停止を確認し、唾を吐きかけた。そして邸宅前で待機する別チームと連絡を取るべく、マッポIRC無線機のアンテナを伸ばす。「……そうだ、犯人はこの家の娘だ……サイバーゴスの格好で……あァ！？逃げられた！？」 43
2012-11-05 00:08:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「ハァーッ！ハァーッ！ハァーッ！」ユンコはLEDランプを点滅させる電子手錠を隠しながら、夜のカネモチ・ディストリクトを駆け抜けていた。(((父さんが死んだ。ここじゃ道も解らない。あのオイランドロイドはどうなっただろう。無事だといいけど)))「……私、これからどうなるんだろ」 45
2012-11-05 00:25:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
ユンコは逃げた。マッポビークルのサイレンやライト、上空を威圧的に泳ぐネオサイタマ市警のツェッペリンなどを恐れながら、闇雲に走り続けた。世界の全てが敵に回ったかような感覚を覚えた。この区画の最果てにして猥雑な繁華街でもあるカネモチ８に到達すると、ようやく記憶がリンクし始めた。 46
2012-11-05 00:36:44