双子ドンヘ

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私はイトゥクに抱きかかえられて、ベッドから下ろされる。イトゥクはドンヘの胸ぐらを掴むと、低い声で彼を威嚇した。「二度とこんなことするな…！」「やめてよ、お兄ちゃん」「お前らがお互いに執着してるのはわかる。けどな、お前たちは、俺よりも濃い血が流れてるんだぞ」 #双子ドンヘ 26

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『だからひとつに戻りたいと思うのはいけないこと？』「……これからは別々の部屋を使え」「やだ！」「じゃあこんなことするな」「しないから、同じ部屋でいいでしょ…」私の顔を見つめて、イトゥクは決めかねているようだった。そしてケータイを取り出して部屋を出ていった。 #双子ドンヘ 27

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「どうしよう」『大丈夫、気にするな』ドンヘは部屋着に着替えると、私の頭をそっと撫でてくれた。『トゥギヒョンは頭が良いから、俺たちを止められないことくらいわかってる』だからその裏をかくんだ。そう言ったドンヘは、少し楽しそうだった。 #双子ドンヘ 28

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次の日、自分たちの部屋から出た私たちは、お互いに触れることを一切やめた。下手にイトゥクに私たちを引き離されるよりも、自分たちがコントロールした方がずっと利口だと思った。「双子ちゃん、おはよう」『「おはよう、サニー」』今日から私たちの世界に、外の風が吹き込んだ。 #双子ドンヘ 29

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私たちは、それなりにクラスメイトと話をするようになった。けれど彼らはどこか距離を置いていて、ますますドンヘとの絆を感じるだけだった。サニーだけは、やはりドンヘに馴れ馴れしかった。「ドンヘ、今日私と遊んでよ」ちらりとドンヘが私を見る。ドンヘ、断って…。『いいよ』 #双子ドンヘ 30

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サニーは腕をドンヘに絡ませた。私は目を逸らした。断ってくれると思ったのに。やりきれなくて、クラスメイトとの話を切り上げて教室を出た。そのままぼーっと歩いていると、誰かにぶつかった。［大丈夫？］この柔らかい声はソンミンのものだと、顔を上げなくてもわかった。 #双子ドンヘ 31

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［また会った…ね…］私の顔を見て、ソンミンが驚く。［何か悲しいことでもあった？］頬に触れると、温かい涙が伝っていた。ソンミンはそれを拭おうとして手を引っ込める。ポケットからハンカチを出して、私に差し出した。「あ…りがと…」［ねえ、君。ドンヘが好きなんでしょう］ #双子ドンヘ 32

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ドンヘを好き？そんなの当たり前じゃない。ハンカチを受け取らずに彼の目を見ると、その目が優しく細められた。［ドンヘを誰にもとられたくないでしょう？］どこか陰を感じるソンミンの笑顔に、ざわざわと心が震えた。［俺の言うことを聞けば、必ずドンヘを君だけのものにできる］ #双子ドンヘ 33

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誰にも聞こえないように私の耳元で確かにそう言った。「貴方の…言うことを…」ドンヘの気持ちはわからない。ひとつになりたいと言いながら、ドンヘはどこか外の世界へ行きたがる。本当は私から離れたがっているとしたら？「聞きます。だから…」［良い子だね］ソンミンが笑った。 #双子ドンヘ 34

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「おじゃまします」［一人暮らしだから、気兼ねしないで良いよ］私はソンミンについて彼の部屋に来ていた。［そのクッションに座ってて］パウダービーズの入ったソファのようなピンクのクッションにそっと腰を下ろす。見回すと、優しい色で整えられた綺麗な部屋だった。 #双子ドンヘ 35

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ふとチェストの上に写真立てが置いてあるのに気づいた。見ようとして立ち上がるとソンミンがカップをふたつ持って戻ってきた。テーブルにカップを置くと、彼は写真立てを伏せてしまう。［部活のチームメイトとの写真だよ］そこにイトゥクに似た人が写っていたような気がした。 #双子ドンヘ 36

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［ねえ］どこか嬉しそうにソンミンは私を見る。［君は嘘が得意？］「…どうして」［これから俺たちは恋人になるんだ］「…そんなつもりありません」［恋人のフリ、だよ。そのことはドンヘには内緒だ］ソンミンは私にそっと手をのばしてきた。その手を払うと、彼の目が細められた。 #双子ドンヘ 37

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［ドンヘが欲しくないの？］彼が近づいて、指がそっと太ももに触れる。ぴくりと体を動かすと、その指は足先に向かって私をなぞっていった。「欲しい、です」［俺と君が恋人になったと知ったら、必ずドンヘは君を取り返そうとする］指は靴下に引っかかり、そっとそれを脱がされた。 #双子ドンヘ 38

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「恋人のフリ、だけですよね？」素足を彼に引っ張られると、姿勢を崩してクッションに頭を置いた状態で寝そべってしまった。［それって、俺にメリット、あるの？］靴下を脱がされた脚を掴まれて、そのまま持ち上げられた。スカートを押さえる。 #双子ドンヘ 39

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ソンミンは私のふくらはぎに頬を寄せてから、そっと音を立ててキスをした。ドンヘ以外に触られることは、嫌悪感しかないはずなのに。彼のキスに、悪寒とは別の身震いをした。［君がドンヘを取り戻すことに俺は協力する。俺のことは…楽しませてくれたら、いい］舌が肌をなぞった。 #双子ドンヘ 40

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ふくらはぎに口付けた後、ソンミンは私を見て笑いながら首を傾げた。どうするの？と聞かれているみたいだった。私が何も言わないでいると、彼は膝の裏を舐め、そのまま太ももまでゆっくり舌を這わせていく。生温かい舌の感触に、ドンヘの舌の感触を重ねて思わず声を上げた。 #双子ドンヘ 41

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［抵抗しないんだ？］その声に我に返って、掴まれている脚を動かした。［抵抗するってことは、俺の協力がいらないってことだよ］少し逡巡して、私は抵抗するのをやめた。ドンヘを取り戻したい気持ちがほとんど。そしてドンヘのように、私も外の世界を見てみたい気持ちもあった。 #双子ドンヘ 42

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「私…」［手を組むなら、俺を求めてよ］ソンミンは私の脚を離すと、今度は腕をとって私を起き上がらせる。どうしてよいかわからず、そっとソンミンの服を掴むと、顎を掴んで顔を上げさせられた。「ソンミンさんと、手を…組みます」整った彼の顔に近づいて、そっとキスをした。 #双子ドンヘ 43

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唇を離そうとすると、後頭部を押さえられてもっと深く口付けられた。初めてのことに戸惑って硬く口を閉ざしていると、彼の舌が私の唇をつついた。ゆっくり唇の力を抜くと背中に手が回される。そのまま彼の舌が私の舌に絡んで、目眩がしそうなキスを繰り返した。彼の手が心地良い。 #双子ドンヘ 44

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「あ…ソンミン…さん」［呼び捨てでいい］唇が離れても、彼は私を抱きしめたまま背中をさすってくれた。冷たく感じる彼の態度とは違い、彼の手は温かくとても安心する。［ドンヘには、彼氏とキスしたと言ってごらん］キスの余韻でくらくらする頭で頷くと、また彼の顔が近づいた。 #双子ドンヘ 45

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「ただいま」珍しく一人で行動していた私に驚いたらしく、イトゥクが玄関まで出てきた。「どうしたの、こんなに遅くまで…」「彼氏と遊んでたの」彼は一瞬怪訝な顔をしてから、すぐに笑顔になった。「そっか、お前もやっとドンヘ以外の人と付き合うようになったんだな」 #双子ドンヘ 46

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「さっきまでドンヘの友達も来てたし…お前たち、なんだか変わったな」玄関にドンヘの靴があった。もうサニーは帰ったのだろう。なんとなく、ドンヘと顔を合わせたくなかった。「お兄ちゃん、私お風呂入る…」「ん。俺、もう寝るな」イトゥクは私の頭を撫でて部屋へ消えていった。 #双子ドンヘ 47

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サニーが私たちの部屋に来てた。ドンヘは私に言ったのだ。『この部屋ではいつも通りにして、部屋を出たら"普通"の兄妹として振舞おう』と。だから私たちは今でもふたりぼっちでいられたのに。昨日だって"いけないこと"をしていたあの部屋に、サニーを招いただなんて…。 #双子ドンヘ 48

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熱いシャワーで、もやもやした気持ちを洗い流す。ソンミンに愛撫された感覚やキスを思い出して、体がぞくりと震えた。ドンヘのことを考えて苦しむより、ソンミンのことを考えていた方が心が安らいだ。シャワーを止めて湯船に浸かろうとした時、浴室のドアがゆっくり開いた。 #双子ドンヘ 49

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「ちょ…」ネクタイを外し乱れた制服姿のドンヘが、浴室に入ってきて私の口を手で塞いだ。『しー…。トゥギヒョン、起きちゃう』制服が濡れるのも構わず、ドンヘは私を抱きしめた。『帰ってこないかと思った…』「どうして？」『俺が、サニーと一緒にいたから』 #双子ドンヘ 50