双子ドンヘ

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ドンヘが部屋に来た時ソンミンは私に"何もしていなかった"。全部演技だった。私がソンミンと会ってることで、傷つくのはドンヘだ。でもソンミンは、私が"強要されてる"ような演技をすることで、自らドンヘを傷つけた。"私"ではなく"ソンミン"が傷つけるように仕向けた。 #双子ドンヘ 150

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私が、ドンヘを傷つけたくないなんて言ったから…。『大丈夫？辛かったな』頬を伝う涙を、ドンヘが優しく拭ってくれる。その指先はびっくりするほど冷たかった。「ドンヘ…ごめんね、ありがと…」ドンヘに抱きつくと、全身が冷えていた。きっと私を探して体中が冷えたんだろう。 #双子ドンヘ 151

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ドンヘとソンミンへの申し訳なさと、愛しさが募る。私はずるい。こうしてドンヘといても、ソンミンのことが心配になる。ソンミンといれば、ドンヘを恋しく思う。"異常だよ…"いつかのイトゥクの言葉を思い出す。ああ、私は確かに異常だ。ふたりを愛し始めているんだから。 #双子ドンヘ 152

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家に着くと、ドンヘは私を浴室に連れて行った。『一緒に、お風呂。入ろう？』ドンヘは私に何も聞かない。ただ時折、視線を外しては何かを考えているだけ。私はどうすれば良いのかを、ずっと考えていた。どうすれば、ドンヘは幸せになるの？同時に、自分のことも考える。 #双子ドンヘ 153

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ドンヘが幸せになるためには、私が幸せにならなきゃだめだ。私が幸せじゃないのに、ドンヘが幸せを感じるなんてありえない。じゃあ、このままドンヘと堕ちてしまおうか？気がつけばドンヘは私の服を脱がし終えて、浴室に入るよう促した。ドンヘもすぐに後から入ってくる。 #双子ドンヘ 154

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思春期に入ってから、明るいところで裸のドンヘを見るのは初めてだった。以前はなかった胸の筋肉に、心臓が早鐘を打つ。腰についた筋肉と、浮き出る血管が目に入って、思わず視線を逸らす。『ちゃんと見て。俺のこと見て。全部、忘れて。俺の体だけ覚えてればいいから』 #双子ドンヘ 155

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「ドンヘ…」機械音が浴槽にお湯が溜まったことを告げる。ゆっくりと顔を上げて、彼を見つめる。ドンヘはいつの間にか、私の知らない男の人になってしまった。『触って』その言葉に顔を赤くすると、ドンヘは少し微笑んだ。『おいで。体を洗おう』ボディソープを手にとった。 #双子ドンヘ 156

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「なんか…変な感じ」『えっち』「違うもん！」ドンヘの体をおそるおそる洗う。ボディタオルを嫌がるから、私は泡を立てた後、直接手で彼を洗った。『ちゃんと、俺のこと感じながら洗ってる？』「なんかそれ、えっちだよ」『そうだよ？俺はいつもこういうことばっかり考えてる』 #双子ドンヘ 157

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「変態！」『ははっ』目を細めてドンヘが笑う。こんなに笑う彼を見たのは、久しぶりのような気がした。『ちょっと…ここ、ちゃんと洗ってよね』ドンヘが、片方の口端を上げる。「もう！自分で洗ってよね！」恥ずかしさで後ろを向くと、ドンヘが後ろからお腹に手を回した。 #双子ドンヘ 158

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ボディソープのぬるりとした感触に、体が反応する。『ほら、そっち向いたら洗えないだろ？』渋々ドンヘの方へ体を向けると、ゆっくり全身を洗ってくれた。本当に何事もなく洗うから、少し期待してしまった自分が恥ずかしくなる。それでもドンヘの指が体を滑るたび顔が熱くなる。 #双子ドンヘ 159

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『ねえ。俺、我慢してんのに…そんな顔されたら無理なんだけど』私の体を洗い終えたドンヘに、壁に手をつかせられる。太腿で、ぬるりとした感触がする。「ん…！」一瞬、何が起こったのかわからなかった。耳元でドンヘの色っぽいため息が聞こえる。首筋にキスをされる。 #双子ドンヘ 160

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「ドンヘ、何する…」『ごめん。俺ばっか気持ち良くなっちゃ、嫌だよな』ドンヘは私の太腿で器用に腰を動かして、自身に刺激を送っている。彼の手が前に回ってきて、思わずその腕を掴んだ。少しの抵抗も虚しく、ドンヘの指先が私の敏感な部分に触れる。「や、ドンヘ…あっ…」 #双子ドンヘ 161

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『はあ…。ねえ、ぬるぬるしてて、ヤバイ…』そのぬめりがボディソープだけじゃないことは、私もわかっていた。私、このまま流されてもいいの？体はどんどん熱くなっていくのに、頭は反比例して冷えていく。警報が心で鳴る。私たち、絶対に近い将来、最大の禁忌を犯してしまう。 #双子ドンヘ 162

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ふと、中学の時のことを思い出す。私たち双子が手を繋いでいただけでも、世間は私たちを異常だと言ったのだ。あの疎外感。もう、二度とドンヘに味わって欲しくない。私はここで、ドンヘを拒絶しなきゃいけない。それがきっと、私たちの為になることだから。「ドンヘ、やめて」 #双子ドンヘ 163

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普段なら、私がやめてなんて言ってもやめてくれないのがドンヘ。だって私の使う拒絶の言葉は、本当は拒絶じゃないってこと、ドンヘは知っていたから。でも今日は違う。彼は動きを止めて、ただ私を静かに後ろから抱きしめた。『もう、俺のこと嫌いになっちゃった…？』違うよ…。 #双子ドンヘ 164

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「だって、おかしいよ…兄妹で…こんなこと…」違うの、兄妹だとしても、私はドンヘが好き。『ねえ、俺のこと、嫌いになったのかって聞いてるでしょ？』ずるい。ドンヘはずるい。私がドンヘのこと嫌いになれるわけがないのに。ここで揺らいだらダメだと思った。 #双子ドンヘ 165

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幸せになって欲しいの。ドンヘは可愛い女の子をお嫁さんにもらって、子どもを授かって温かい家庭を作って欲しい。私たちは両親からたくさんの愛情を感じることはできなかったから、温かい家庭を作るのが夢だって言ってたの、私…覚えてるんだから。私とじゃ、無理な未来でしょ？ #双子ドンヘ 166

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「嫌い。こんなことするドンヘ、嫌い」ごめんね。大好きだよ、ドンヘ。こんな風にしか貴方を幸せにできる方法を思いつかない私を、許さないで。彼の胸を押して、シャワーを浴びて浴室を後にした。部屋から最低限の荷物をイトゥクの部屋に持ち込んで、兄の匂いに包まれて眠った。 #双子ドンヘ 167

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［ねえ、ケンカでもしたの？］スヨンが私に声をかける。彼女は前から私と仲良くしたかったらしく、私がドンヘ以外と関わるようになってからは常に一緒にいた。「ケンカ？誰と？」［ドンヘに決まってんじゃん。あんたら、あんなに仲良しなのに、今日は全然目も合わせない］ #双子ドンヘ 168

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「ケンカなんてしてないよ。私たち、今までが仲良すぎたんだよ…。スヨンから見ても、異常だったでしょ？」自嘲気味に笑う。高校では中学の時のように迫害されることはなかったが、それはみんなが大人になったからだと思っていた。心に思っていることを、表に出さない大人。 #双子ドンヘ 169

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［異常なんて思わないよ。だって、両親あんまり家にいなくてずっと兄妹３人で支え合ってきたんでしょ？それだけ家族の絆が強いってことじゃん］スヨンはあまり気にしてないようで、私を見て微笑んだ。でも私は、スヨンに家族のことを詳しく話したことはなかった。 #双子ドンヘ 170

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「ねえ、なんで知ってるの？うちの…両親のこと」スヨンは不思議そうな顔をした後に、くすくす笑い始めた。「ちょっとスヨン、何？」［いや、なんか…。あんた、ドンヘにすっごい愛されてるんだなって思って］「どういうこと？」［ケンカしてないんでしょ？ドンヘに聞きなよ］ #双子ドンヘ 171

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ドンヘに聞こうにも、私はお風呂での一件以来、彼と目も合わせなかった。聞けるわけない。それに私は、ドンヘに幸せになってもらうために、自分が幸せだってことを見せつける必要があった。ソンミンなら、協力してくれる。そう思い、放課後に早速彼の家へ向かった。 #双子ドンヘ 172

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［悲しい顔だね］玄関を開けてすぐにソンミンはそう言った。ソンミンは同じくらい悲しい顔をしていたけれど、私は何も言わなかった。部屋に入ってソンミンにドンヘと普通の兄妹に戻るのに協力して欲しいと言うと、快く頷いてくれた。［恋人のフリをすればいいんでしょ？］ #双子ドンヘ 173

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「まあ、簡潔に言うと…そうなりますね」［君は酷い。俺が君のことを好きだと知っていて、そんなこと頼むの？］思ってもみなかった言葉に、目を見開いた。するとソンミンは穏やかに笑い出す。［嘘だよ…ふふ。俺は君が好きなわけじゃない。君たちに興味があっただけだよ］ #双子ドンヘ 174