2012年11月14日

どうしたら「デマ」「流言」をなくせるのか?(2)――廣井脩(2001)『流言とデマの社会学』より

 3.11以後、日本では、根拠のない「デマ」や「流言」がたびたび問題になりました。風評被害しかり、チェーンメールしかりです(1)。   しかしながら、歴史的に見れば、「デマ」や「流言」が問題になったのは今回がはじめてではありません。  どうしたら「デマ」「流言」をなくせるのか?――この問題に戦前・戦中のひとびとは言論統制というかたちで解決を与えようとしました。  そこで、以下では、この言論統制のようすを見てみましょう。それによって、現代の問題をどのように考えればいいかの参考になることを期待しています。  今回は、「流言」「デマ」の研究者のひとり、廣井脩氏による、この問題への簡単な解説を読んでみましょう。『流言とデマの社会学』からの引用です。 続きを読む
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dabitur @dabitur

[book] 言論統制とは何だったのか。今日はこのへんをひとつ。「言論統制=デマ・流言統制」という見方がぴんとこないひとは、まずはこういう記述に目を通してみるのがよい。/ 廣井脩(2001)『流言とデマの社会学』 http://t.co/mWJLJzah

2012-11-14 01:03:11
dabitur @dabitur

[quote]「戦時流言を研究したオルポートとポストマンは、恐怖流言は国民の士気を阻喪させ、願望流言は国民の気の緩みを誘い、そして分裂流言は、国民の内部統一を妨害するから、危険なのだと書いている」(廣井脩(2001:74))

2012-11-14 01:04:03
dabitur @dabitur

[quote] 「かれらの流言研究は、こうした有害な流言の発生と伝播のメカニズムを調べ、それをコントロールする方策を見つけるというきわめて実用的な意味を持っていた」(廣井脩(2001:74))

2012-11-14 01:04:41
dabitur @dabitur

「事情はわが国も同様で、流言は社会を破壊し、経済を破壊すると述べた中村古峡氏の意識のなかにも、流言は撲滅すべき対象ととらえられていた」(廣井脩(2001:74))

2012-11-14 01:05:11
dabitur @dabitur

「戦争や大災害に直面した政府の当局者にとって、事態はさらに深刻で、だからこそ、流言はきびしく監視され、流言をなす者はきびしい処罰を受けることになった」(廣井脩(2001:74))

2012-11-14 01:05:34
dabitur @dabitur

「有名なケースは、大正一二年〔1923年9月1日〕の関東大震災である。*朝鮮籍の人たちに対するまったく根拠のない流言が横行し、それが引き金のひとつとなって、各地で虐殺などの大混乱が発生したため、東京警視庁は、流言を飛ばす者を処罰することに決定した」(廣井脩(2001:74f)

2012-11-14 01:06:37
dabitur @dabitur

「最初の方針は、『警察犯処罰令第二条第一六号』によって、『人心を誑惑〔きょうわく〕せしむる目的を以て流言を為すもの』だけを対象とした」(廣井脩(2001:75))

2012-11-14 01:09:26
dabitur @dabitur

「結果*九月二日から七日までのあいだに、犯人を検挙して拘留処分にしたものが二○件、説諭にとどめたものが一二件で、その合計は三二件に達したという。*処分の対象となった流言は、『朝鮮人に関するもの〕が最も多く一四件、次いで『大地震又は海嘯来襲に関するもの』で一○件」(ibid.)

2012-11-14 01:10:32
dabitur @dabitur

「けれども、この『警察犯処罰令』は刑が軽く、流言防止の効果に乏しいという理由から、政府は九月七日、『出版、通信其他何等ノ方法ヲ以テスルヲ問ハズ、暴行、騒擾其ノ他生命、身体若クハ財産二危害ヲ及ボスベキ犯罪ヲ扇動シ」(ibid.)

2012-11-14 01:11:39
dabitur @dabitur

「安寧秩序ヲ紊乱スルノ目的ヲ以テ治安ヲ害スル事項ヲ流布シ、又ハ人心ヲ惑乱スルノ目的ヲ以テ流言浮説ヲ為シタル者ハ一○年以下ノ懲役若クハ禁固又ハ三○○○円以下ノ罰金二処ス』という『勅令第四○三号』(治安維持に関する緊急勅令)を公布し、流言の取締りをいっそう強化した」(ibid.)

2012-11-14 01:12:24
dabitur @dabitur

「これと同時に、警視庁では、『ありもせぬことを言い触らすと処罰されます。朝鮮人の凶暴や大地震が再来する、囚人が脱監した等と言ひ伝へて処罰せられた者は多数あります。時節柄皆さん注意して下さい』と印刷したビラ一○万枚を各所に配布し、流言の防止に努めた」(廣井脩(2001:76))

2012-11-14 01:12:48
dabitur @dabitur

「この『治安維持令』によって処罰されたものは、〔1923年の〕九月七日以降、二月末日までに二件にすぎず、その犠牲者の大半は、商店の小僧や車引きなどの庶民であったという」(廣井脩(2001:76))

2012-11-14 01:13:19
dabitur @dabitur

「しかし、それは単に流言の防止ばかりでなく、言論一般の弾圧ともつながる性質をもつため、当時の批判的な知識人にとっては、心胆を寒からしめるものであった」(廣井脩(2001:76))

2012-11-14 01:13:34
dabitur @dabitur

「そして、第二次世界大戦に突入すると、政府の言論統制は、ますます厳しさを増していった。/いままでもしばしば触れてきた中村古峡氏の『流言の解剖』〔1942年出版〕によれば、昭和一六年末、帝国政府は次のように言明したという」(廣井脩(2001:76))

2012-11-14 01:15:41
dabitur @dabitur

「『時局に関し、造言飛語をなした者や、人心を惑乱すべき事項を流布した者、つまりデマを飛ばした者は、厳罰に処せられることになった。『時局』とは、国家の直面する内外の情勢をいうのであり、政治、外交、財政、金融、経済、社会、治安等の重要な情勢を総称する』」(廣井脩(2001:76))

2012-11-14 01:16:51
dabitur @dabitur

「『造言飛語とは、虚構の事実を裡造し、或いは、根拠のない風説、若〔もしく〕は実在の事実を誇張する行為で、事実無根または根拠の薄弱な事柄を、言語文書等で言いふらすことである』」(廣井脩(2001:77))

2012-11-14 01:17:39
dabitur @dabitur

「『人心を惑乱すべき事項とは、世人をして中正の判断を失わしめるような事項であって、たとえそれが真実の事実であっても、新聞記事の差止事項などは、これに該当することがある。またかかる事項を人心を惑乱する目的でなく、軽率にしゃべった場合でも罪になるのである』」(廣井脩(2001:77)

2012-11-14 01:18:00
dabitur @dabitur

「『この流言輩語等の取締規定強化によって、今後国民は時局に関し、一切の話が出来なくなるように思う人があるかも知れないが、戦事の遂行上、有害でない場合は、これを取締るわけではないのであって』」(廣井脩(2001:77))

2012-11-14 01:18:57
dabitur @dabitur

「『お互に挙国一致、大東亜戦争完遂のため、御奉公する心構えが出来ている以上、この罰に触れるような人は余りないと信ずる』」(昭和一六年一二月三一日週報)(〔中村古峡〕『流言の解剖』4-5ページ)(廣井脩(2001:77))

2012-11-14 01:20:51
dabitur @dabitur

「さらに、中村氏は、当時の流言統制にかかわる法律の条文を抜き出して見せているが、あるわあるわ、当時の人たちが言論統制法規によって、がんじがらめになっていたことがよくわかる。参考のために、以下、それを示すと」(廣井脩(2001:77))

2012-11-14 01:22:14
dabitur @dabitur

「○言論出版集会結社等臨時取締法 第十七條 時局二關シ造言飛語ヲ為シタル者ハニ年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハニ干圓以 下ノ罰金二処ス」(廣井脩(2001:78))

2012-11-14 01:24:32
dabitur @dabitur

「第十八條 時局二關シ人心ヲ惑乱スベキ事項ヲ流布シタル者ハ一年以下ノ懲役若ハ禁 鋼又八千圓以下ノ罰金二処ス」(廣井脩(2001:78))

2012-11-14 01:25:37
dabitur @dabitur

「○刑法  第百五條ノ二 人心ヲ惑乱スルコトヲ目的トシテ虚偽ノ事実ヲ流布シタル者ハ五年以下ノ懲役若ハ禁鋼又ハ園以下ノ罰金二処ス」(廣井脩(2001:78))

2012-11-14 01:27:05
dabitur @dabitur

「〔刑法〕 第百五條ノ三  戦時、天災其他ノ事変二際シ人心ノ惑乱又ハ経済上ノ混乱ヲ誘発スベキ虚偽ノ事実ヲ流布シタル者ハ三年以下ノ懲役若ハ禁鋼又ハ三千圓以下ノ罰金二処ス」(廣井脩(2001:78))

2012-11-14 01:28:43
dabitur @dabitur

「○陸軍刑法 第九十九條 戦時又ハ事変二際シ軍事二関シ造言飛語ヲ篇シタル者ハ三年以下ノ禁鋼二処ス」(廣井脩(2001:78))

2012-11-14 01:29:59
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