映画『ぼくが処刑される未来』脚本家・長谷川圭一さんによる寺田農さんイイ話
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今回の映画「ぼくが処刑される未来」には、かの名優、寺田農さんがご出演くださいました。とても重厚な演技で、SFちっくな作品に現実感と説得力を与えてくれました。 実は寺田さんとは、個人的な思い出エピソードがあるのです。 それは今から25年前、ぼくが脚本家になる、ずっと前のことです。
2012-11-15 13:38:11ぼくは小道具係として、ある2時間ドラマに携わってたのですが、経験不足でミスを連発。よく怒鳴られ、つらい日々を過ごしてました。 その作品に寺田さんは冷血な殺し屋役で出演してて、現場で走り回るぼくに気さくに声をかけてくれました。でも、ぼくにちゃんと返事をする余裕すらありませんでした。
2012-11-15 15:21:59そして遂に作品がクランクアップ。打ち上げに参加しましたが、己の不甲斐なさに 正直へこんでいました。そんな時、寺田さんがスピーチの中で突然、ぼくの名前を呼んだのです。 「長谷川くんのような若者がいる限り、この業界の未来は大丈夫。私が保証します」 確か、そんな内容だったと思います。
2012-11-15 15:25:43こんな虫ケラのようなぼくの名前をおぼえてくれていて、打ち上げで励ましてくれるなんて。涙がでるほど嬉しかった。まさに暗い迷路の中に光が差し込み、救われたような気分でした。 よし、負けるものか! これからも頑張ろう! 寺田さんの言葉が、ぼくに再び立ち上がる力をくれたのです。 ほんの
2012-11-15 15:30:06軽い気持ちだったのかもしれません。でもぼくにとっては宝物のような言葉。 今のぼくがあるのは、おそらく寺田さんの温かい言葉のおかげかもしれません。 それから月日は流れ、脚本家のはしくれになったぼくは、仮面ライダーWという作品で 寺田さんのセリフを書くこととなったのです。そして、
2012-11-15 15:34:12ぼくは撮影現場にお邪魔することにしました。 寺田農さんにご挨拶するため、筑波にある園咲家に向かったのです。 そしてついに寺田さんに再会しました。 ぼくはやや緊張ぎみに25年前の思い出を告げ、お礼を言いました。 「今のぼくがあるのは寺田さんの一言のおかげです!」 でも、
2012-11-15 15:40:36寺田さんは忘れていました。 その作品のことはよくおぼえてましたが、打ち上げでのスピーチに関しては全くおぼえていませんでした。 正直ちょっと肩すかしでした。 でも、それから更に三年ご、再び寺田さんに作品でご一緒できることになりました。 それが「ぼくが処刑される未来」です。
2012-11-15 15:44:22その打ち上げの席で、寺田さんはスピーチの中で、ぼくの名前を呼んでくれました。 「今の長谷川くんがあるのは、実はぼくのおかげなんだよ」と。 悪戯っぽい笑顔の寺田さん。 25年の時を超え、二つの打ち上げで、ぼくの記憶が繋がりました。 その素敵な奇跡に、また涙がこぼれました。
2012-11-15 15:48:14今回の映画でも、主人公の幸雄(福士くん)は、25年の時間を超え、とても大切な、ある奇跡を体験します。それを劇場でぜひ確認してください。 と、最後は何となく宣伝につなげました。 長々とご拝読、ありがとうございました(^-^)
2012-11-15 15:51:55👏👏👏 “@dinahasegawa: 今回の映画でも、主人公の幸雄(福士くん)は、25年の時間を超え、とても大切な、ある奇跡を体験します。それを劇場でぜひ確認してください。 と、最後は何となく宣伝につなげました。 長々とご拝読、ありがとうございました(^-^)”
2012-11-15 16:05:46@dinahasegawa 寺田さん、バイプレーヤーとして凄く存在感のある方ですよね。Wikiみたらなんと「ウルトラマン」(初代)のガマクジラの回にも運転手の助手役で出演されているらしい、今度確認してみよう。
2012-11-15 16:07:28@dinahasegawa 今や押しも押されもせぬ名脚本家の長谷川さんにもそんな時期があり、またとても素敵な出会いに恵まれて活力を得たこのエピソードを拝見して、人に歴史ありとはこういうことなのだなぁと思いました。胸が暖かくなるおはなしをありがとうございます。
2012-11-15 16:10:48