abのゾンサバ生存日誌（１２１日目～）

abnobi @abinsilent

「いてて」「すまない。元部下が失礼をした」「元ではありません」「いやまあ…それより！何で生きているんだよ！？」「当然の疑問だな」語りだす老軍人…要約すると、本来ならあの島で死ぬはずだったが生きて表舞台に戻ると色々な軋轢が生じるので、死んだことにした、そうだ… #ゾンビサバイバル

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「あの地点に降りるのは、打ち合わせ通りでね」「…ひょっとして、故障も？」「見事な洞察力だ」「いつ打ち合わせした！？もしや…ヘリポ発見をわざと遅らせたのか？」「流石にそんなことはしない。あのヘリポートでやっと通信手段を得たのだ。すぐ繋がるとは思わなかったがね」 #ゾンビサバイバル

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「我々は帰還をずっと信じておりました」グレイスの発言に、振り向きもせず唇を歪める様がうんざりするくらい絵になっている。「彼女たちが潜水していたのさ。君達は保護の上、漁船に発見してもらうように調整した。あ、あの腕は島で調達した。犠牲者はいないから安心してくれ」 #ゾンビサバイバル

abnobi @abinsilent

「「当たり前だ！」」何かもうツッコむの疲れた…少年がぼそりと呟く。「ひょっとしてあんたすごい悪い奴なのか？」「はっはっは」…頼むから否定しろ！「まあ色々と調整があってね。会いに来るのが遅くなってしまった。許してくれ」「…結局俺は、最後まで『囮』だったんだな」 #ゾンビサバイバル

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「…君はこのミッションにおいて、最後まで最高のパートナーだった。改めて礼を言うよ」グレイスが目を見張る。この老軍人の言葉の重さを俺は後で知ることになる。彼が生者に対し『最高』という評価を下したことは、俺が初めてとのことだ。「さて、今度は私が約束を果たす番だ」 #ゾンビサバイバル

abnobi @abinsilent

「君には私の全てを伝えよう。１年間も生き延びれば一人前の戦士になれることを約束する」「…生き延びれば？」「何、あの島で生活した期間の二倍弱だ。君ならどうということはない」「…はは」「あっ！」少年が声を上げた。「ひょっとして、こいつの就職先もおっさんかよ！？」 #ゾンビサバイバル

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「勿論だ。彼の生活は全て監視下に置かれる。逃げ道は存在しない」｢…｣「しかし狙い通りだった。あの求人なら君は絶対に食いつくと思ったよ」「俺もそう思う」「…何だよ二人して。いいじゃないか！」二人は募集広告を苦笑を浮かべながら広げた。『初心者歓迎！執事見習募集』 #ゾンビサバイバル

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…こうして俺は、元老軍人の屋敷で執事見習兼戦士見習としての生活を送ることになった。ハード過ぎる毎日だが、『あの人』に繋がる道だと信じている。もし、あの島から脱出された方は、是非尋ねてほしい。俺達三人が、喜んでおもてなしするから。『abのゾンサバ生存日誌　完』 #ゾンビサバイバル