［感想（ネタバレあり）］009 RE:CYBORG

nullmajor @nullmajor

「009 RE:CYBORG」観た。個人的には、これぞ神山作品！！って感じだけど、であるが故に拒否反応を示す人も一定数いるだろうな～といった感じ。以下感想。

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神山監督作品の物語上の最大の特徴って「”あえて”、カタルシスにいかない」ってとこだと思う。カタルシスを否定しないけど、あえてそこにはいかない。だから多くの作品で”大きな敵”が存在しない。

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「敵を倒してやったー！！が気持ちいいのを知っているし、それはそれでいいけど、俺はいかないよ。」感。

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反カタルシスじゃなく、脱カタルシス。だからスッキリ爽快をこの映画に求めると多少もやもやするかもしれない。そんなこといいから早く敵をぶん殴れよ！！的な。

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じゃあこの映画で何が面白いかって言うと、やっぱりキャラ達の不思議な存在感が醸し出す、妙な感覚を体験する事だと思う。

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この映画のキャラって場面によって全く違うモノにみえる。例えば００３が００９に下着姿で迫るシーン。あのシーンはトゥーンレンダリング感が非常に強調されて、何かマネキン同士がキスしてるみたいですごい居心地が悪い。

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かと思えば、００９がミサイルに着地するシーンのいかにも日本アニメ的な見得的な演出では、００９が最高に生き生きしていて気持ちがいい。

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全編を通して、彼らが人間に見えたり、マネキンに見えたりを繰り返す。００９に語りかける謎の女子高生の人間的実在感とは正反対。存在しない彼女が実在感ありありで、目の前にいるはずのサイボーグ戦士たちにはそれがあったりなかったり。不思議な感じ。

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００３なんて、逆にマネキンに見えた時の方が興奮できるし。攻殻ＳＡＣに出てきた変態政治家と同じで。

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まぁ、「００９使って、攻殻やっただけじゃん！！」って言われても仕方ないとは思うけど、別に集団的無意識云々とかって攻殻の専売特許でもなんでもないわけで、あんまり無体な批判はどうかと思いますよ。

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色々説明不足だったり疑問に思う展開とかはあるけど、ちゃんと「アニメやってる」ので観て損はナイとは思います。