坂上秋成さん(@ssakagami)による功利主義的批評術

受験勉強的に批評を書くノウハウを身につける方法について。 朝方の戯言と流すか参考にするかはあなた次第!
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坂上秋成 @ssakagami7776

功利主義的批評術、というのを思いついた。ようは、緻密な思考や瞬間的な閃きなど、段階制や偶然性によって出来の良し悪しが決まる批評という創作物を、もっと効率よく処理することができるのではないかという発想である。言い換えれば、受験勉強的に批評を書くノウハウを身につけられないかということ

2010-08-11 06:02:06
坂上秋成 @ssakagami7776

ペーペーの自分が書くようなことではないと承知だが、そこはあくまでツイッターでの戯言として流してほしい。鍵となるのは①キーワード収集②MAD力③欲望の整理力の三点である。

2010-08-11 06:04:05
坂上秋成 @ssakagami7776

【①について】批評を書く際、どのような構成でどのような主張をするかが明確に決まっている場合は稀である。大概は、本を読んだり手を動かしたりしながら全体像をイメージしていく。だが、当然のことながらいつまでたっても方向性が定まらないケースもある。そこで重要なのがキーワード列挙である。

2010-08-11 06:05:49
坂上秋成 @ssakagami7776

とりあえず、今回批評を書くにあたって使えそうなキーワードをガシガシメモ帳に列挙していく。この時点では有機的連関のことなど何も考えなくていい。ひたすらに重要概念を羅列するのみである。その後、ぼんやりとそのキーワードを眺めていると、ところどころで言葉が接続を始めてくれる。

2010-08-11 06:08:33
坂上秋成 @ssakagami7776

【②について】ここからがMAD力の出番になる。ようは、集められた単語をひたすらパッチワーク的に結び付けていく。いくつかのかたまりができたら今度はそのかたまり同士をくっつけていく。つまりは「与えられたキーワードを使って一つのMADを作りなさい」という指令であり、これは受験テクに近い

2010-08-11 06:11:32
坂上秋成 @ssakagami7776

僕は前から順番に文章を書くということがあらゆる局面で苦手なので、好きなところから書き始めてあとで帳尻を合わせるというこの発想は非常に都合がいい。前から丁寧に書こうとして行き詰ることのある人にはオススメである。大学のレポートでも小説でも使える話である。

2010-08-11 06:13:24
坂上秋成 @ssakagami7776

小耳にはさんだ話なので間違っていたら申し訳ないのだが、東浩紀の早稲田大学での期末試験もいくつかのキーワードが与えられ、それを使って論じろという形式だったと聞いた。あるいは、受験勉強で言えば、東大の世界史の論述問題がそうした形式だったと記憶している。

2010-08-11 06:16:21
坂上秋成 @ssakagami7776

そう考えると、先に重要単語を並べてそこから文章を組み立てるという発想は、批評のみならず広範囲に適用できる技術であるように思われる。しかし、このような作業に安易に溺れることが、単にウェルメイドな批評を運んでくることは想像に難くない。だからこそ、③の作業が必要になる。

2010-08-11 06:18:51
坂上秋成 @ssakagami7776

【③について】欲望の整理力とは、ある程度整理された文章を組み立てたあと、そもそもその批評において自分が何をしたかったのかというプリミティブな欲望を点検する作業である。それは序文を付け加えることだったり、フラットな文章に強弱をつけたり、説明が無駄にくどい個所を省く作業だったりする。

2010-08-11 06:21:34
坂上秋成 @ssakagami7776

自分の場合、この③の作業が雑になるケースがかつては多かった。しかし、①②が上手くても③が抜けたのでは人に欲望と主張が伝わらず本末転倒、お上手な日本語が出来上がるだけである(耳が痛いw)。

2010-08-11 06:23:25
坂上秋成 @ssakagami7776

個人的な好みで言えば、作家の欲望に特化した実存的な批評というのは好物なのだが、それはゼロ年代を通して受け入れられにくいものになっているように思う。なので、③を重視しつつも、①②の段階で客観性や広範性を持つ議論になるようバランス調整することも重要だろう。ケースによるけど。

2010-08-11 06:25:26
坂上秋成 @ssakagami7776

もう一点、重要なのは、キーワードと固有名詞はなるべく多く設置しておくことだ。たとえば「吉田修一論」を書くとして、吉田修一の人生や作品だけをひたすら掘り下げていくようなものは優れた批評とは言い難い(そういう文章多いんだけど)。そこに他の作家や時代状況などを組み込んで立体化すること。

2010-08-11 06:28:41
坂上秋成 @ssakagami7776

思いつきで列挙したけど、受験テク的に批評を書こうとすればこんな発想になるんじゃないかという話でした。朝方の戯言と流してもらうか、びみょーに参考にしていただくかはあなた次第! 仕事もどるるる。。。

2010-08-11 06:31:13