万子春 作:まんべくん

4
NONE @NONENON111

仙人は万春に別れを告げると、一瞬で消えてしまいました。 万春はたった一人、岩の上に坐つたまま静かに星を眺めていました。すると、「そこにいるのは何者だ。」と叱りつける声がするではありませんか。 しかし万春は仙人の教え通り、黙っていました。

2012-11-24 23:31:39
NONE @NONENON111

またしばらくすると、やはり同じ声が響いて、「返事をしないと立ち所に、命はないものと覚悟しろ。」と、おどしつけるのです。 万春は勿論黙っていました。 と、どこから登って来たか、虎が一匹、岩の上に躍り上って、万春の姿を睨みながら、一声高く吠えました。

2012-11-24 23:33:56
NONE @NONENON111

万春はしかし平然と、眉毛も動かさずに坐っていました。 虎は、隙を窺うがのごとく間合いを詰め、一時に万春に飛びかかりました。が、虎の牙に噛まれる時、万春は死んでしまうと思った時、虎は夜風と共に消え失せてしまいました。

2012-11-24 23:36:44
NONE @NONENON111

万春はほっと一息しながら、今度はどんなことが起るかと、心待ちにしてました。 すると一陣の風が吹き起って、黒雲が一面にあたりをとざすや否や稲妻が凄まじく鳴り出しました。いや、雷ばかりではありません。それと一緒に滝のような雨も、いきなりどうどうと降り出したのです。

2012-11-24 23:38:37
NONE @NONENON111

万春はこの天変の中に、恐れることなく坐っていました。その内大きな音が鳴ると、空は以前の通り晴れ渡りました。 万春は坐り直し、ため息がまだ消えない内に、今度は金の鎧を着た大きな神将が現れました。神将は手に三叉の戟を持っていましたが、いきなりその戟の切先を万春の胸もとへ向けながら、

2012-11-24 23:44:17
NONE @NONENON111

眼をいからせて叱りつけるのを聞けば、 「こら、ここは俺のところだ!それが1人よもや唯の人間ではあるまい。さあ命が惜しかつたら、一刻も早く返答しろ。」と言うのです。 しかし万春は黙っています。 「返事をしないか。しなければ殺すぞ!」

2012-11-24 23:47:57
NONE @NONENON111

「この剛情者め。どうしても返事をしなければ、約束通り殺してやるぞ。」 万春は死にました。 万春の魂は、体から抜け出して、地獄の底へ下りて行きました。 そしてややしばらくすると、立派な御殿の前へ出ました。

2012-11-24 23:51:25
NONE @NONENON111

御殿には、閻魔大王がおります。 万春はどうなることかと思いながら、恐る恐るそこへひざまづきました。 「こら、おまえは何の為に、ボンズ山の上で坐ってた?」 閻魔大王の声は雷のようです。 万春は黙っていました。

2012-11-24 23:56:31
NONE @NONENON111

すると閻魔大王は、 「おまえここをどこだと思う?速やかに返答をすれば好し、さもなければ時を移さず、地獄に突き落とすぞ!」 が、万春は相変らず唇一つ動かしません。それを見た閻魔大王は、「この男の父母は、畜生道に落ちている筈だから、早速ここへ連れて来い」と、一匹の鬼に言いつけました。

2012-11-24 23:57:27
NONE @NONENON111

鬼は二匹の獣を連れてきました。その獣を見た万春は、驚いたの驚かないのではありません。二匹とも、形は見すぼらしい痩せ馬でしたが、死んだ父母でした。 「おまえは何のために、ボンズ山の上に坐っていたか、すぐに白状しなければ、今度は目の前でおまえの父母に痛い思いをさせてやるぞ。」

2012-11-25 00:00:03
NONE @NONENON111

万春はこう脅されても、やはり黙っています。 「この親不孝者めが。おまえは父母が苦しんでも、おまえの都合がよければいいと思っているのだな。」 閻魔大王は鬼たちに指示しました。「打て。鬼ども。その二匹の畜生を、肉も骨も打ち砕いてしまへ。」

2012-11-25 00:06:11
NONE @NONENON111

鬼どもは一斉に「はっ」と答えながら、鉄の鞭を四方八方から二匹の馬を打ちのめしました。 父母は、苦しそうに身を悶えて、眼には血の涙を浮べてます。 「どうだ。まだその方は白状しないか。」 閻魔大王は鬼どもに、暫く鞭の手をやめさせて、もう一度万春の答を促しました。

2012-11-25 00:06:36
NONE @NONENON111

もうその時には二匹の馬も、肉は裂け骨は砕けて、息も絶え絶えに、倒れ伏していたのです。 万春は必死になって黙っていると、声とは言えない位、かすかな声が伝わって来ました。 「心配をするではない。私たちがどうなってもおまえが幸せになれるのなら、大王が何と言っても黙っていなさい。」

2012-11-25 00:07:14
NONE @NONENON111

それは確に懐しい、母親の声に違いありません。 万春は思わず、転ぶようにその側へ走りよると、両手に半死の馬の首を抱いて、はらはらと涙を落しながら、「お母さん。」と一声叫びました。 その声に気がついて見ると、万春は豊津あたりで同じように空を仰いでいました。

2012-11-25 00:12:36
NONE @NONENON111

「どうだな。わしの弟子になった所が、とても仙人にはなれまい。」 老人は微笑を含みながら言いました。 「なれません。なれませんが、しかし私はなれなかったとしてもかえって嬉しい気がするのです。」 万春はまだ眼に涙を浮べたまま、思わず老人の手を握りました。

2012-11-25 00:16:52
NONE @NONENON111

「いくら仙人になれた所が、私はあの地獄の前に、鞭を受けている父母を見ては、黙っている訳にはいきません。」 仙人は厳かに口を開き、 「もしお前が黙っていたら、わしは即座にお前の命を絶ってしまおうと思っていたのだ。お前はもう仙人になりたいとは思っていまい。

2012-11-25 00:17:12
NONE @NONENON111

大金持になることは、元より愛想がつきた筈だ。ではお前はこれから後、何になるんだ?」 「何になっても、人間らしい、正直な暮しをするつもりです。」 万春は今までにない晴れ晴れとした声で答えました。 「その言葉を忘れるなよ。ではわしは今日限り、二度とお前の前には現れん」

2012-11-25 00:17:31
NONE @NONENON111

仙人は、「今思い出したが、海の近くに一軒の家を持っている。その家を畑ごとお前にやるから、早速行って住むがよい。今頃は丁度家のまわりに、桃の花が一面に咲いるだろう」 完

2012-11-25 00:17:53
NONE @NONENON111

(^-^)わかったか!教養の無いおまえのために100分拘束されたぜよ。マジ…

2012-11-25 00:22:03
NONE @NONENON111

杜子春知らないやつ多すぎてビビった

2012-11-25 00:26:01
NONE @NONENON111

この調子で朝までぶっちぎろうぜ!まだまだ夜はこれからだぜ!

2012-11-25 00:27:12
NONE @NONENON111

\('Д')/かっとビングおやまんべーッ!

2012-11-25 00:27:31