#31poem ルール&本編のみ
- rua_splinter
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君の返事はいつでもノーだ 退屈そうに言葉を落とす 君の返事はいつでもノーだ こちらを少しも見ないまま お伽噺のような生誕を 君は信じていないから #31poem (3)
2012-12-26 09:29:45暗闇 月夜 星の下 そんなところで流れ落ちる あ、また一人 寂しい子の生誕 「いいえ、あれはただの流星よ」 #31poem (了)
2012-12-26 09:30:3412/27 *count 5*
空を見上げた後に、落とした視線の先。 足元には地面があって、あぁ私はまだ飛べないでいる。 両腕で自分を抱きしめて確かめる。 私には羽根がない。 還るべき場所があるはずなのに、其処へはきっともう戻れない。 焦がれてやまない、私の居場所。 #31poem [1]
2012-12-27 01:46:18逢いにゆく。と言えたのなら。 逢いに来て。と言ってくれるのなら。 私の背中に翼があるのなら。 今すぐあなたのそばに。 いつも。いつも。 だけど私には羽根がない。 あなたの元へ還れない。 落ちる。落ちる。 空も飛べないはずなのに。 #31poem [2]
2012-12-27 01:46:49落ちゆく身体を、いつも掴んで戻してくれる。 堕ちてゆく思考を、いつも引き上げてくれる。 先回りして待っていてくれるわけじゃない。 その手と手がするりと離れる時も来るかもしれない。 それでも今は、変わらず其処にいてくれるから、私は安心しておちてゆける。 #31poem [3]
2012-12-27 01:47:0612/28 *count 4*
#31poem 貴方と二人/眠りの淵に落ちる頃/こっそり布団を抜け出して/夜のネオンを追いかける/黒い猫はドレスの女/白い猫を待ち侘びる/スーツの男/黒い女を探して歩く/二ひきの猫はネオンの空へ/きらりきらりと落ちていく
2012-12-28 23:10:1512/29 *count 3*
夢の中では優しい君よ。ずっとこうしていたかった。指を絡ませるのが合図。そこはまるで氷の世界。冷たく凍える気持ちしかそこにはない。君との美しい時が、妖しく光るネオンに溶けて消えていくのを、ただ見つめることしかできない。それが怖くて、夢から醒めるのをずっと拒んでいた。 #31poem
2012-12-29 11:58:2112/30 *count 2*
夢の終わりは冬の傷口 スプーンふたつですくう朝焼け おはようございますの合図に吸血 はにかむ熱を搾り取り 立夏砲火 劣化六花 小指で足りない365日の約束を契った手紙 ありがとうの一言もままならぬまま 睫毛に灯る泡になる (夢は針、冬の痣は春告げ鳥) #31poem
2012-12-30 08:41:4812/31 *count 1*
砂地を洗い流していく滂沱の雨 六日のあいだずっと この終末に方舟はない やがて涸れた泪 泣き続けることを望んだ七日目の朝 地に滲みた雨滴は世界の裏側へ突き抜けていかない 逃れられないと知る 巻き起こる上昇気流 運ばれる 浮かび上がる また落とされるその瞬間まで #31poem
2012-12-31 01:22:45*
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平成25年 1月1日 *count 0*