坂上秋成さん、ボーカロイドオペラ『THE END』について語る。

まとめました。
15
坂上秋成 @ssakagami7776

そしてここでキャラクターの死のイメージにひとつ終止符を打ったことで、僕たちは人間の死について考えられるようになる。僕たちは残念ながら臭い存在で、身体と言う制約も受けている。しかし、ミクというキャラクターが空を舞う姿、死を提示された先にそれでも自由に動く姿から、

2012-12-06 04:22:00
坂上秋成 @ssakagami7776

俺たちは人間である不自由さを抱えながらも生のイメージを軽やかにできるはずだ。と言うか、そういった現実のイメージをねじまげることがフィクションの意義であり、芸術の強みだと思うのだ。だから、このオペラにとってキャラクターはフェイクでもある。

2012-12-06 04:23:42
坂上秋成 @ssakagami7776

このオペラはハッキリと「3.11以後の世界と「終わり」」をテーマにしていると述べられている。そのことはラストまで観れば明らかだ。キャラクターの死を考えることを、人間の死のイメージに結び付け捉え直すまでの80分の音と視覚がそこにあった。

2012-12-06 04:26:45
坂上秋成 @ssakagami7776

ネタバレを避けて書くが、このオペラは鎮魂歌でもある。集団の死というものは存在しない。そこに含まれていた人間の個体数だけ死の数も有る。このシンプルなメッセージをそのまま書いたのではただの啓蒙だ。それを体感させるために、キャラクターを媒介とし、人間に結びつけた。

2012-12-06 04:28:40
坂上秋成 @ssakagami7776

人間をキャラクター的に捉えると口にするのは簡単だが、その重みをこれまでどれだけの表現者が提示できたかは怪しいと思う。個人的には、そのために渋谷さんはミクとオペラという表現を選んだんじゃないかと言う気がする。

2012-12-06 04:29:58
坂上秋成 @ssakagami7776

個別の死をイメージすることは、個別の生をイメージすることにもなる。このかすかな救い。3.11以降に岡田さんや渋谷さんが考えていたことが、必要な形式まで含めて感じられた。何が言いたいかっていうと山口行ってよかったってことです。素晴らしい舞台をありがとうございました。

2012-12-06 04:31:24