＃冬の邂逅

トマトっぽい @vol_008

(たたん、たたん) 心地好い振動が 僕の体を上下させる 寒く暗い空気を 切り裂くみたいに進む 雪でも降るのかしらん 曇った窓を拭えば 星降る世界 (たたん、たたん) ここはどこだろう 世界にさよなら 眠りに就いた僕は ずっと会いたかった人の隣にいた (たたん、たたん) #冬の邂逅

がらすだま @Hurt1994

そこにあったのに知らなかった。何気無い変化に僕は気付けない。情緒が無いと呆れられ、薄情者だと罵られる。だって仕方ないじゃないか。興味が無ければ気付けない。そんなことよりもほら、霜柱だよ。あの木の下は沢山あるんだ。 #冬の邂逅

諦 @RAIN_CAGE

心地好い揺れに、引きずり込まれる悪夢。肩を寄せ合った帰り道、つないだ手の温もり、眠そうに目を擦るあなたに笑いかける、わたし。（寝てもいいよ。ううん、大丈夫。舟を漕ぎながら耐える横顔が愛おしくて、）目覚めた現実は終電間際の静寂。さあ、もう一度？ #冬の邂逅

@kino_box

粉々に砕いた永遠は一瞬になる。人々はそれを 雪と名付けた。静かに降っては 僕と君の間に積もってく。淋しい 哀しい サヨナラ サヨナラ 雪に混じるまだ光を失ってない永遠が 時間を止める。ハロー ハロー 君を迎えに来たよ。吸い込んだ冷たい空気に また時を刻む。 #冬の邂逅

弑那 @Cannibalism010

がたり、がたりと音を立てて弾む扉に、僕は背を預けて車内を傍観する。ケータイを見つめて俯く人々。眠りこける人々。扉さえ開かなければ、ここは暖かい。夜闇立ち込める窓ガラスは白く曇り、戯れに指を這わせると透明な線が走る。きゅっ、と弧を描くと、その隙間から月と目が合った。　#冬の邂逅

鈴 @AiTai_______

凍えた心臓がおおきく跳ねた。夜に塗り潰された窓は鏡。斜め後ろ。あなたがいた。降りる駅を乗り過ごし、少しだけ時間を引き延ばす。あなたはわたしに気づかない。吐いた息で窓が曇った。滲んだ涙で世界が揺れた。あなたはわたしに気づかない。 #冬の邂逅

臣花 @sinka_note

鯨が哭いた。潮を吹き、大きく揺れ、暗い海へと僕らを飲み込み、沈んでいく。鯨の腹の中から見える外では、季節外れの蛍が飛んでいた。マフラーで口許隠し、貴方を想う。貴方が気に入るであろう、光景を。網膜に焼き付けて。ただひとこと、「久しぶり」と。電車より、君目指して、冬落下。 #冬の邂逅

@xx__moon

窓の外は白くなり始めた。 乗り続けるバスは今もあの頃と同じルートで、降りていく人はきっと何人も居たんだろう。 ぼやけて曇っていく世界の中はひどくぬくくて、夢を見た。 どうして今頃＿＿＿。 外は雨に変わってる、踏まれた雪が、黒くなって地面に吸い込まれていく。　#冬の邂逅

@xx__moon

温かいココアとくすぐったいセーター。 足跡を残した、手のひらで溶けた雪。 冷たさを隠したもこもこの靴下、溜息を白くかえたふわふわのマフラー。 （君が残した季節になった。） そのせいだよ。そのせいで、静電気がパチリと泣いた。 こころが冷たいことにまた気付いた。　#冬の邂逅

jouki @jaxk_kika

高校と大学の通学は電車とバスだった。いつもと同じ様に窓から景色を見る。あれから何年経ったろう。呼吸する事さえ憂鬱だった7年間。窓から見える景色は、もう変わってしまった。僕も変わったのだろう。あの時の君へ。その景色の平凡なる美しさを、いつまでも忘れません様に。#冬の邂逅

青峯 愁夢 @star_bow_

流れていく既視感。楕円を描いた環状を辿る密閉空間は生温く。絡まない思惑を窓に投げかけて、虚ろに往く。滑り込んだ通過点に立ち止まり、開かれた扉から忍び寄る冷やかさ。大事に抱えた温もりが剥ぎ取られる。ふと投げかけた瞳の洗われた茶が、僕を震わせる。吸い込んだ、木枯しの薫り。 #冬の邂逅

ひなた 6m @vinextuzura

君と惜しむように別れて僕は終電に乗った とても静かで もやもや渦巻く僕の頭の中と相反する 瞼を閉じれば(泣いている君の夢をみた でももう降りても僕は君に触れるのも疎か君をみつけることさえ、もう、できないんだ)静かな車内に響いた水音が優しく冷たく終わりを告げた #冬の邂逅

華音 @Yuki_glow

ある冬の寒い日のこと。かたんことん、揺れる箱の中には沢山の人。１人の女の子が零した心境。１人の男の子が抱いた恋。かたんことん、揺れる箱の中には沢山の気持ち。あの子の愛は届かない。この子の哀は伝わらない。かたんことん、揺れる箱の中には、交差する想いたち。 #冬の邂逅

華音 @Yuki_glow

前から２両目の電車。いつも、私の正面に立つ人がいる。いつの間にか意識するようになった。ある日突然その人が来なくなった。病気にでもなったのだろうか、心配だ。一ヶ月後、その人は彼女を連れていた。何故だか泣きたくなった。あぁ、そういうことだったの。(私は、恋をしていたのね) #冬の邂逅

明日架 @_asukagoto

眠れない夜、死んだ魚の目、手から滑り落ちていくグラス。生きることをもう少しで止められる気がした。そしたら君が白い服を着て現れたんだ。「もういっちゃうの？」って、笑いながら、嗤いながら。#冬の邂逅

諦 @RAIN_CAGE

この季節の度、顔を覗かせる不安定なわたし。再び手繰り寄せた糸は。首筋に纏わり付いてはあなたを苦しめる。白く染まる息とともに吐き出した言葉は脅迫めいた響きを、含んで。微笑を浮かべながら、そばにいてと咽び泣くから。悴んだその指で千切ってくれる日を待っている。 #冬の邂逅 12/5：糸

諦 @RAIN_CAGE

要約：12/05、追加お題は「糸」です。よろしければお使いください。 http://t.co/Ee44wlgA

拡大

asaki @ki_mi_ni

隣、いいですか。しんと降る声だった。夢から醒めたばかりの心地で茫と彼女を見つめていた僕は、慌てて頷く。どうぞ。彼女は小さく唇をほころばせ、控えめな礼の後隣へと座った。雪の匂いがした。ふと目を覚ますと隣には誰もいない。視界の端にゆれる白いつり革は、雪と同じ色をしていた。 #冬の邂逅

莉乃 @nnn_rinons7

何も知らない少女だったの。初めは一つの願いだったの。誰か一人に愛されたかった。あなたに愛されたかった。赤い糸なんて信じていなかったけど、この白い世界なら見つかる気がして。矛盾した私は再び目を閉じる。(会えるのなら、) #冬の邂逅

春森しゆう @junju_usako

飽きずに綴る 日々 淡々と 流れて流されてゆく 夢の会話 手に入れられない想い 重厚な鍵は開けられず 間も空けず 明け暮れる ぐるり廻ってまた冬の景色 暖めあえる場を願う 連鎖連続連なる言葉 一期一会の邂逅を抱く #冬の邂逅

絵空 @es0rag0to24

いずれ無かった事にするならと とおいとおい微かな愛を掴んだ したたかな演技で媚びを売って きみが笑って手を広げた先には みたことのない景色 #冬の邂逅

ゆとりさん @yutorisan_16

白い息を吐いてから素手を擦りあわせた。歯をカチカチと鳴らせる。未だ来ない友人に苛立ちが募った。「あ」ふと目線を向けると見覚えがある顔があった。こういう巡り合わせもあるのか、と一人納得する。「久しぶり」困ったときに笑う癖は変わっていなかった。 #冬の邂逅

はすむかい @hasmkai

これは夢? 快い振動が届く。途端に足を拘束するのは濃緑の葉を携えた蔦。抗う間もなく意識を奪う。 扉が開く。気配。隣。 迷路の出口が見つからない。焦るほど囚われる。 くすりと笑ったその声音。 揺れる。触れる。香る。 目を開け。 扉が開く。 立ちあがり去るきみを見た。夢。 #冬の邂逅

春森しゆう @junju_usako

はじまりはピンクでした。いきなりのピンクでした。 次に薄い水色の糸紡ぎ、それだけでは足りず、色気の紫、情熱の赤を編みました。 やがてやすらぎの緑を欲しました。 それでも、 一年経っても手元の毛糸が減りません。 #冬の邂逅 #糸