twblnovel 11月

ハウリル @how_howlite

二台目のケータイに届いたメールを確認して、一台目のケータイでメールを送信する。二台目のメールにおやすみと送り、一台目で電話帳から彼へと電話。二台目を引き出しに仕舞って、ズボンのポケットに一台目のケータイとゴムを入れて家を出る。今日は、本命の彼と過ごす日だ。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「おい、種壺当番。ちょっと来い」ドキッ！「はーい」「これ、今日の分の種な」「うん、ありがとー。そろそろ種壺パンパンだねー」ドキッ！「そうだな」「そろそろ花壇に蒔きに行こうかなぁ」「春には花で一杯だな」クラスで花の種を溜めた壺。わかってても、耳にすると驚く。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「俺とタイガーは、高校時代からの付き合いだからな。…まあ、腐れ縁ってヤツか」「腐れ縁…。何故、縁という目に見えない物が腐っているのでしょう？もしかして腐るというのは、そういう意味で腐っているという…！つまり、牛虎が縁結ばれてて腐れ縁！」「違うぞ、折紙」　＜縁＞ #同題ssTB

ハウリル @how_howlite

家族に良いイメージなど無い。僕の父を名乗った男は、年端もない僕を抱いて悦ぶ人だった。僕の母を自称していた女は、僕の肌を傷付けて楽しむ人だった。僕の兄だった人は、狂っている両親と僕に辟易して消えた。僕の恋人であるあなたが、僕と家族になって変わるのが、 怖い。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「今付き合ってる人の中では、先輩が一番好きですよ。射精する時、先輩は一番精液が噴水みたいに勢い良く吹き上がるんですよ。僕の顔や先輩の身体もベトベトにしちゃうくらい量も多いですし、先輩のテクに僕、メロメロなんです」「待て。今付き合ってる人の中では、って何だ」 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「この、淫乱ビッチめ…」「先輩。その言い方、興奮するじゃないですか」「……」「それに僕、同時には一人とだけしかエッチする気ありませんよ？今は先輩とだけ」「…それは本当か？」「はい！流石に僕も、3P・4Pは身体が保ちませんから！」「そっちの同時かよ畜生っ！」　#twblnovel

ハウリル @how_howlite

風邪をひいたらしい。お見舞いには来ないでと、キツく言われた。どうやら僕に風邪を移したくないそうだ。あと、「迷惑かけてゴメン」とも言われた。確かに心配しているけれど、迷惑しているって思われるのは心外だ。なので、今からお見舞いに行って唇奪って風邪移されてきます。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「あれ、友恵ちゃん？カタログなんか見て、何か欲しいモンでもあるの？」「やぁねぇ、虎徹くん！これはこういう物なの！」眺めてるだけで楽しいの！　＜カタログ＞　#同題ssTB 　「あれ、楓さん。何か欲しい物があるんですか？」「やだ、バーナビーったら！これは、こういう物なのよ？」

ハウリル @how_howlite

気まぐれな猫のように、いつでも愛されていたいのさ。おどけた様子で君はいう。私は、そんな彼に呆れ顔を隠すことなく溜め息を吐いた。人の下で可愛く鳴いているようで、いつでもその獰猛な牙で喉元に噛みつこうとしている君は、猫などでなく、もっと凶暴で愛おしい存在だ。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

オリエンタルタウンの山の中で、イワンとバーナビーが遭難なう。「先輩…。この目印、またスタート地点に戻ってきたようですね」「うぅ…。これで七週目でござる…」「やっぱり木を折っていき ましょう！印ではなく道を作りましょう！」「か、環境破壊はダメですっ！」　＜しるし＞ #同題ssTB

ハウリル @how_howlite

男四人で脱衣麻雀。しかし、どうも状況がおかしい。南一局現在、どう見ても俺の放銃率が高い。既にパンツと眼鏡を残すのみの俺に対して、一枚、二枚脱いだだけの相手三人。ニヤニヤと俺を見つめる視線に気付き、ようやく俺は全員に嵌められていると気付いた。「それ、ロンだ」 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「あ～！スランプだ～！」「ふーん？じゃあ、ベッドの上で気分転換させてやるよ？新しいネタ浮かぶかもだぜ？」「いや。攻めがお前みたいに手の早いチャラい奴しか作れなくて。 最近ワンパターンでつまらないって、編集さんから言われてるんだよ」「……」 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「何か新しい風をだな…。よし、お前。浮気してこい」「嫌だよ！確かに手が早くてチャラいのは自覚してるけど、今はお前一筋で他に誰にも手を出してないのに！」「だからワンパターンで行き詰まってるんだよ！こうなれば仕方がない。俺自ら浮気してくる！」「やめてえぇぇ！」 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

男の料理は、大雑把か繊細かの両極端だという。虎徹は前者だが、アントニオは後者だ。でも。「アントニオさん。今日の料理も随分手が込んでいますね」「まあな。なんでもないんだけどなぁ」とか言って、恋人の為に普段以上に豪勢な料理を作る時もあったりする。　＜なんでもない日＞ #同題ssTB

ハウリル @how_howlite

日本の漢字の形を、わかりやすく覚えるための都々逸です。『他人の為に自分を偽り、口から虚しい嘘を吐く』。まるで、何処かの誰かさんのようですね。ねぇ、タイガーさん？　＜虚＞ #同題ssTB 　よくもそんな虚ろな目でヒーローなんてやっているものだと、あの時感じていたんですよ。

ハウリル @how_howlite

「アンタって、本っ当に虚しい男ね！」いきなり何を言うんだこの十七歳は。「君のように、未来に夢を見ずに生きてきましたからね」僕には何も残ってませんと言えば、じれたかのように地団駄を踏む。「だーかーらー！アタシがその虚しさを埋めてあげたいって言ってんのよ！」　＜虚＞ #同題ssTB

ハウリル @how_howlite

日曜日の朝は、呼ばなきゃ小波は起きてこない。折角のデュエル大会なのに、勿体無い。「小波ー！起きろよー！」「やめろよ十代…。あと四年寝かせて…」「卒業しちまうぞー！頼むって！今日の大会、タッグ戦なんだよ！パートナーになってくれよー！」「タッグデュエルと聞いて」「早っ！」　#小波君

ハウリル @how_howlite

どうも小波は、人のフォローを自然にすることが得意だ。でも、普段から一緒にいると、なんていうか、レディーファーストを受けているような気分になる。俺だって、小波のことをスマートにエスコートしたい！「どうしたんだ、十代？」小波が手にした二人分の缶ジュースは、俺の好物だ。　#小波君

ハウリル @how_howlite

「実家から蜜柑が届いた」小波の住むマンションの一室。まさか持ってるとは思わなかった炬燵が部屋の中心に鎮座しており、半纏を着込んだ小波が中に入って蜜柑を食べていた。「自堕落の象徴だな」俺が呟くと、小波はふにゃりと笑う。「皆を呼んで、鍋もいいよな」蜜柑を剥く手が黄色い。　 #小波君

ハウリル @how_howlite

大浴場で鼻歌を歌う小波に遭遇した時は、黙って息を潜めるのが吉。以前、小波が歌ってる所に突撃したら、うわあぁぁぁぁと叫びながら真っ赤な顔で湯船の奥底まで沈んでいこうとしたから、慌てて皆で止めた。人に聞かれるのは恥ずかしいらしいが、まあ今日も気持ち良さそうに歌ってる。　 #小波君

ハウリル @how_howlite

教育係だった頃の記録(データ)は破損していて存在しない。しかし奴の身体(ボディ)には、確かに行動(パターン)としての記憶(ログ)が残っているとしか思えない。「どうかしたか、プラシド？」「…何でもない」俺の頭に気安く触れる奴の手は、変わらぬ慈愛(プログラム)に満ちている。　#小波君

ハウリル @how_howlite

「もしもこの世界にデュエルもカードも無かったら、俺らは一体何してたんだろうな」「でも、お前は見ず知らずの誰かの為に働いてる姿が目に浮かぶよ」「ボランティア？」「むしろ、何でも屋みたいな」「なんだよそれ、便利な使い走りみたいだ」「いや。でも、お前を頼る奴は皆真剣なんだよ」　#小波君

ハウリル @how_howlite

「夜遅くまで女子高生を連れ回すのは感心しないな」言われた小波は、特に動揺するわけでもなく、平然とした様子で答える。「ちゃんと家に送り届けてあげたぜ？」そういう話じゃないと言おうとしたが、帽子の下から覗く目が、とても楽しそうに笑っている。彼の意図が、俺にはわからない。　#小波君

ハウリル @how_howlite

バースデーケーキにエビフライを挿された時は、気絶するかと思った。よくよく見てみれば、エビフライはとてもよく形作られた蝋燭だった。一体どこで見つけてきたんだ。「ハッピーバースデー！十代！」「サンキュー、小波！」今日は、俺の誕生日だ。　 #小波君

ハウリル @how_howlite

睡眠薬で眠らせた彼の、その重い体を引きずって風呂場まで運ぶ。そして、彼の手首を剃刀で切った。鮮やかな血飛沫が、一瞬、飛び散る。流れる血が止まらないよう彼に温かいシャワーを浴びせながら、風呂場のタイルを流れる赤い液体を眺めていた。彼と私の関係はなんだったのだろう。　#twnovel