テレビ番組における「ヤラセ」「笑い」について、派生したあれこれ

テレビ番組における「ヤラセ」について思うこと。また「テレビ的な笑い」について思うことを、対話を交えながら考えました。
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発端はこのツイートから

もちだ @mochida_ky

「いいとも」でヤラセ疑惑!? 出演した“一般女性”がお笑い芸人と発覚して非難轟々 #ldnews http://t.co/VQuBiVVlこれが本当にヤラセなのかどうかよりも、これをヤラセと見ることでどんどん「ヤラセを楽しむ」ということがしづらくなるとは思うのよ。

2012-12-20 07:48:21

先のツイートから考える

もちだ @mochida_ky

テレビ番組におけるヤラセというものは、おそらくほとんどの場合製作者側は視聴者を「騙そう」と思ってヤラセをするわけではなく「こうした方が面白い」からやっているんだと思うのよ。でも人によっては面白いと思っても、ひとたびヤラセ疑惑が浮上すると途端に「騙された」と怒り出す人がいるんよね。

2012-12-20 07:56:29
もちだ @mochida_ky

この「騙された」という気持ちは、映画の見方にも繋がってきて、たまに自分の思い描いた展開でストーリーが進行しないと「おかしい」「思っていたのと違う」って怒り出す人がいるのよ。いやその「騙された」とか「裏切られた」って気持ちにさせてくれるのが映画の醍醐味なんじゃないかとは思うのです。

2012-12-20 08:00:10
もちだ @mochida_ky

例えば「ドッキリ」というのは、「これはヤラセです」と表明している分かりやすい例だとは思うんだけど、視聴者はこの表明があるから「安心」しながら番組を楽しむことができるんよね。でもこの「安心」が抜け落ちると「騙された」と思う人がいる。

2012-12-20 08:06:24
もちだ @mochida_ky

でもいちいち「これはヤラセです」と表明してたら、面白くなくなる場合があるんよ。ヤラセに過敏になったり、ヤラセを疑い始めると見方が矮小化されてどんどんつまらなくなる。

2012-12-20 08:12:48

ここでshimasanが入ってくる

shimasan @riversidewind

「このあとスタッフが美味しく頂きました」とかも不要と思う。興醒めしちゃう。 @mocchi_kura

2012-12-20 08:14:09
もちだ @mochida_ky

@riversidewind 「テレビで食べ物を粗末に扱うな!」と言う人の中にも、それを実際に「食べたかどうか」なんて本当はどうでもよいと思っている人もいるんじゃないかと思うんですよね。結局証明できないから。先の定型文は要は受領印みたいなもんじゃないかと。

2012-12-20 08:26:25
shimasan @riversidewind

アレはテレビ局サイドの安全策なんですよね。苦情の電話がかかってきた時には「いや、スタッフが頂きましたと画面でも表示しましたよ」と言えるから。そんな事よりももっと内容の充実したものをつくって欲しいものです。 @mocchi_kura

2012-12-20 08:28:22
もちだ @mochida_ky

@riversidewind おそらく苦情を言われる方は少数だと思うのです。その少数のための対応策が事なかれ的になるのも仕方がないのかなあとも思うのです。変につっかかってもまた苦情を言われるハメになるだろうし。でもやっぱりつまらくなるんですよね。何とも難しい。

2012-12-20 08:43:37
shimasan @riversidewind

視聴者側のレベルも下がってきている感じがするんですよね。「粋」とか「洒落」を理解出来ない人が増えている気がします。そういう人がお笑いを見るのは危険なんだと思うんですけど。でも、お笑い自体も低レベル化してそういう人に合わせた内容になっている気もするしね。 @mocchi_kura

2012-12-20 08:46:15
もちだ @mochida_ky

@riversidewind 結局のところ「分かりやすい笑い」というものを突き詰めた時に「体を張る」などの見世物としての笑いが思い浮かぶと思うんですよね。それも笑いの表現として一つとして良いと思うんですが、やりすぎると結局苦情の元になるというパラドックスはあるのだと思います。

2012-12-20 08:58:31
shimasan @riversidewind

敬愛する故二代目桂枝雀氏が「お笑いとは緊張と緩和である」という言葉を残されています。緊張から緩和への落差が大きければ大きいほど笑いは大きくなるそうですが、エスカレートし過ぎるとこれもダメだって事ですよね。 @mocchi_kura

2012-12-20 09:02:56
もちだ @mochida_ky

@riversidewind 枝雀師匠や談志師匠の笑いは「テレビ的な笑い」とは異なるかもしれませんね。「緊張と緩和」で言えば、例えばホラーの根底にはその作用が強く根付いていますよね。視聴者の多くはどこかで「安心した笑い」を求めているのかもしれません。五代目古今亭志ん生のような。

2012-12-20 09:15:18
shimasan @riversidewind

そういえば藤山寛美さんも真面目な芝居の時に限ってアドリブで笑いを入れて共演者が思わず素に戻って笑ってしまって大変だったようです。で、お客はその様子を見て笑ってしまう。彼の笑いは「作られた世界」だと判っているので安心して見られる空間だったっんでしょうね。 @mocchi_kura

2012-12-20 09:36:33
もちだ @mochida_ky

@riversidewind 芝居のような「高度につくられた空間」を観る側は前提として認識しているので、アドリブのようなハプニングが起こると途端に現実世界に引き戻されることによって笑うが起きるというのは、さきほどの「緊張と緩和」の作用にも繋がってきますよね。

2012-12-20 09:45:56
こてぃ @kochikeradio

@riversidewind @mocchi_kura 粋と洒落が理解できないと、古典落語は、不謹慎の塊になってしまいやす

2012-12-20 10:14:52
shimasan @riversidewind

ですよね。別に天ぷら蕎麦を頼んで天ぷらを残せとは言いませんが、それを勿体無いとあげつらう不粋さはどうにも賛成しかねます。そんな人はお笑いを解する能力に欠けると重いますね。 @kochikeradio @mocchi_kura

2012-12-20 10:23:52

「ヤラセ」から派生したあれこれ

もちだ @mochida_ky

モキュメンタリーって「騙された」という気持ちをどう捉えるかのリトマス試験紙的なものだな.twinrail_ut さんの「「東京ラブストーリー」を見た東大生の皆さん」をお気に入りにしました。 http://t.co/BNkOV2oY

2012-12-20 09:31:44
もちだ @mochida_ky

例えば今の若い子にヤコペッティの映画と「パラノーマル・アクティビティ」を観てどう比較して捉えているのかを聞いてみるのは面白いと思うのよね。昔と今のモキュメンタリーについてどういう違いを感じ取っているのかは気になるところ。

2012-12-20 09:36:30
もちだ @mochida_ky

今の若い子がヤコペッティの映画や川口浩探検隊を観て笑えるのは、あれがヤラセだと認識しやすいからですよね。でも「パラノーマル・アクティビティ」を観ると、「これはヤラセじゃないかも」と思えたりもする。これはひとえにその時代によって文化リテラシーが変容していることの反映じゃないかと。

2012-12-20 10:15:40