#この書き出しいかがですか　まとめその４０(12/4～20)

こば @cobaltandgreen

「カステラは食べるだけではなく、ドア・ストッパーとしても使うことができる」と彼女は信じて疑わなかった。それが今回の惨事を招いたのだ。　#書き出し

@RingoMonStar

その日、地上では最期の核兵器が使われたらしい。#書き出し 僕たちにエサを与えてくれていた人間たちが、雪のように降り注いできたんだ。しばらくは食糧には困るまいと祖父が云うが、押し潰されるように瓦礫も混じり、隣りの家は埋まってしまった。#twremix @naholograph

流 @innia_n

くらやみが立っていた。彼女に「おはよう」を言いたくて、じっと夜明けを待っていた。 #書き出し

X村律夢(りつむ) @KayVeertien

先から三時間くらいずっと妙なダンスをし続けている。室内で厚着をしている状況が僕にとってとても珍しいものであったし、それは心までも踊らせた。どうしてだろうか、懐いていない飼い猫が慰めるようにすり寄ってきた。 #書き出し #風邪です

あやめ(なぎゅ) @ay_0xff

彼女に恋をさせるとしたら、いったいどんなひとなのだろう　花のような貴女に似合う、太陽のようなひとか。それとも、貴女を焦がす、炎のようなひとか。貴女が誰に恋しようとも、貴女を僕以上に思うひとはいないけど。　@rainame66　#書き出し

akira_0zei @akira_0zei

見上げたら、空の代わりに君がいた。「このまま起き上がったらどうなると思う？」「俺とチューか」「頭突きじゃ」ごつんと鈍い音が響く。「いたた、今日はまたえらい機嫌悪いの」「あんたが悪うしとるんやないの」「すまんすまん」そこには空のような憎めない笑みがあった。#書き出し

ﾌﾞﾗ彦 @blacoffee

「トリックを暴かずに無視してアリバイがないものを犯人として捕まえるなんて馬鹿げている！私を捕まえてもこの事件は終わらないぞ」パトカーに押し込められながら探偵は叫んだ。この事件は終わらない、彼の言う事は現実になるだろう、犯人の私が言うのだから間違いない。 #書き出し

akira_0zei @akira_0zei

とある作家はこう書いた。儚きかな月。今宵雲に呑まれたり。こうすれば、いつの世の人も愛の終焉というものを感ぜられるだろうと。しかし、日本語を解さぬ人には伝わらない。作家は思い直してまた考え始めた。I missと書いて手が止まる。堂々巡りではないか。ついに作家は諦めた。#書き出し

@nittafifteen

先生、空の色は何色なのでしょう。生徒が出し抜けに問いかける。僕は鼻白んだ。窓の外に見えているじゃないか、空は、どうひっくり返ったって雲ひとつない、快晴の青だ。そう言うと、生徒はもじもじと、ばつの悪そうな顔をする。姪に聞かれて困ったという。なるほど、空色の顔をしている。#書き出し

ﾀﾞｲｺﾝﾌﾞ @daikomb

生肉「しゃぶれよ」 #書き出し

ねくす【夜分の話@PASSAGE 】 @nexbookshelf

大海原の中を絶えず潮流が巡るように、地上の私たちを取り囲む空気にもつかみどころの無い「流れ」というものがある。それが単なる物質の流れに過ぎないのならば、人は世の風向きを気にすることも場の空気を読むこともしない鈍感な種族だったのだろう―― #書き出し

‍ナル @s19naru

｢愛してる｣ってそう伝える度に息が詰まりそうになって、でも伝えなきゃいけない気がして。そうこうしてる間に君は俺の元から離れて行った。｢ごめんね｣って、今にも泣き出しそうな顔になりながら。泣きそうに震えた声で。止めてよ、そんな顔しないで。俺だって苦しいんだ。#書き出し

@___kyoon

女の子って失恋したら何で髪の毛を切るんだろう、って思う。切ったからと言って思いが消えるはずも無く、伸びてくるころにはまた鬱々と浸ってしまいそうで怖い。でも、私は髪を切る。　＃書き出し

やつか @zest_mv

雨の中で拾ったのは尻尾のない野良猫だった。「僕の家は庭が広くてね、君ものんびり探索したらいいよ」どこからやって来たのか、何があったのかなんて訊かない。僕にだって話せない過去はあるから。これからはこの家で 無口な君と気儘に過ごしたい。柔らかなタオルを用意して待ってるね。 #書き出し