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庄子まゆみさん「南相馬市役所の震災対応とその後の取り組みについて」

高橋準先生(福島大学行政政策学)の連続ツイートをまとめました。
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高橋 準 @myriel_june

庄子「激怒期があったのが特徴だろうか。放射能汚染への怒り。市役所に来て2時間怒鳴っていった人もいた。」庄子さんは市民課にいたのでそれに対応した、ということでしょうか。

2012-12-25 16:57:00
高橋 準 @myriel_june

庄子「回復は遅れている。昨年の調査では、小高区でも津波被害を受けなかった人は、7割が「元の場所で今後生活したい」と回答したが、1年後の今年の調査では5割に減った。」

2012-12-25 16:57:27
高橋 準 @myriel_june

庄子「農地もそう。来年も全市で米の作付けはしないことになった。農業人口の8割が高齢者。東電の補償が来年もあるので、やろう、という意欲がわかない。お金をかけて機材を再度買って、放射線対策をして、ということにつながらない。一部で試験的な動きはあるけれども」

2012-12-25 16:58:21
高橋 準 @myriel_june

庄子「復興への取組について。除染は市民主導で。「やりたい」と手を挙げたところに支援をする。ただし、「どうして自分たちが」という声はある。東電がやるべきだと。それでも、待っていたのではだめだ、一刻も早く線量を下げよう、という人はいる。」

2012-12-25 16:59:02
高橋 準 @myriel_june

庄子「印象に残っているのは、帰り際に「除染をしないかぎり、もう孫は帰ってこないんだよ」とぽつりと言っていったお年寄り。高齢者の悩みだろう。」

2012-12-25 16:59:20
高橋 準 @myriel_june

庄子「去年は無我夢中で目の前のことに対応していたが、実際なかなか復興は見えてこない。実感としてない。それが市民にも影響しているが、役所の中の人間も無縁ではない。」

2012-12-25 16:59:49
高橋 準 @myriel_june

庄子「これまで市職員の早期退職者は101名。うち7割が医療・看護職。残り3割が事務系。37人が定年で退いたが、それ以前に体調不良等で辞めた人もいる。復旧・復興のために予算規模は3倍になった(一昨年の270億円から今年は871億円)。その分の仕事も3倍に増えた。忙しすぎる。」

2012-12-25 17:00:44
高橋 準 @myriel_june

たしか南相馬市では、残業時間がとんでもない状態になっていて、それが職員の給与増という形で目に見えるものになっている、と聞いた記憶があります。そういえば、震災対応で残業したのに、「公務員はこんなに給料をもらって」とバッシングされた事例も、他の県でありましたね。

2012-12-25 17:01:18
高橋 準 @myriel_june

庄子「他の自治体からの派遣職員も42名いる。だが、うまく使えていないところもあるようだ。残業をさせていないとか。外部委託も増えた。3度の組織改革もした。だが処理しきれない仕事は多い。」

2012-12-25 17:01:56
高橋 準 @myriel_june

庄子「広大な農地が被災し(全農地の30%以上)、住民の1万8000人が避難し、そこへ加えて、さらに大きな事業が同時並行で進んでいる。地権者との交渉や調整が進んでいない。相続や避難で連絡が難しかったりする。」

2012-12-25 17:02:48
高橋 準 @myriel_june

庄子「市民の力を活かす政策へ転換しないといけない。確かに賠償や行政に依存する市民はいる。どう力を引き出すかが課題。」

2012-12-25 17:03:20
高橋 準 @myriel_june

庄子「復興では全体的にハード志向が強い。(※あとでうかがった、ソーラーパネルの設置なども含めて。)また、国の業務と基礎自治体の事務の混乱もある。国は「市町村の義務ですから」といってくるが、現場では「これはこうしたい」という考えがある。」

2012-12-25 17:04:05
高橋 準 @myriel_june

庄子「しかし、国はあくまでも「こうしてもらわないと」と言ってくる。さらに「××町・村ではやってもらいました」と言われてしまう。市職員の間では、おかしいという声が上がっている。」

2012-12-25 17:04:33
高橋 準 @myriel_june

庄子「最後に、自分なりに考えてみたことをいくつか。いちばんつらいのは、自然に寄り添うことができないこと。季節の営みができない。自然を拒否することがストレスになってしまう。」

2012-12-25 17:05:20
高橋 準 @myriel_june

庄子「そんな中で、基礎自治体(市町村)の役割は何なのかと改めて考える。役所の職員は、「おまえらは仕事ができない」「民間はこうではない」とさんざん言われる。しかし、災害時にはやはり、基礎自治体は市民の拠り所だった。非常時に力を発揮した職員もいた。」

2012-12-25 17:06:10
高橋 準 @myriel_june

庄子「実際、役所の移転ということも検討されたが、住みたい・住まなければならない人がいる限りは、ここに仕事はある、と思っている。」

2012-12-25 17:06:42
高橋 準 @myriel_june

庄子「復興には時間がかかると思っている。災害復興住宅への入居は、早くても来年ということになるのではないか。「人口回復」を盛んに主張する声もあるが、自分としては、人口にこだわることはないと思っている。小さくても、新しいまち・生きていることを実感できるまちをつくりたい。」

2012-12-25 17:07:32
高橋 準 @myriel_june

穏やかな語り口ですが、原町市役所・南相馬市役所で長年仕事をされてきた庄子さんの思いがこもったお話でした。

2012-12-25 17:08:37
高橋 準 @myriel_june

以下、質疑。教員・加藤「福島の中でも、南相馬市は被災者の多様性という点では群を抜いていたのではないか。浪江町の人も、南相馬の仮設にいる。そのあたりについて、何かお考えになったことは」

2012-12-25 17:09:40
高橋 準 @myriel_june

庄子「昨年度は仮設の入居にあたって、以前いたところのコミュニティを維持できるように配慮したが、今年度はランダムにしている。」註:実際には完全ランダムではなく、世帯人数が多い時には、隣や近くの部屋に分かれて入居できるようになっていたりするようです。

2012-12-25 17:10:06
高橋 準 @myriel_june

庄子「浪江町からは災害公営住宅の要請もある。そのほか、海沿いの集落は集団で移転の計画がある。市で分譲地を用意する方向。同じ地域で固まりたいという要望もあったが、時間の経過とともに、集落や家族の中での意見の相違が出てきて、地域ごと移転の希望は少なくなった」

2012-12-25 17:11:12
高橋 準 @myriel_june

教員・小島「国と市町村の間には県があるが、県の役割はどうだったか」 庄子「去年は県(職員)は「いたのかなー?」という感じだった。存在感がなかった。食料についてもそうだった。川俣まで取りに来いとか。いろいろなことで、国に言うほうが早い。」

2012-12-25 17:11:56
高橋 準 @myriel_june

庄子「発災以降も県職員は被害を受けた市町村にあまり来ていないのでは。情報も来なかった。去年はスルーしていたけど、今後は国からの予算は県を経由するので、関係づくりはしていかないといけない。」

2012-12-25 17:12:19
高橋 準 @myriel_june

今井「災害時の県の対応は、通常時の対応の延長。国からのものを下に送る、あるいは逆方向の、パイプ的な役割をしている。福島県は特にその傾向が強い。もちろん県があることで市町村が守られている側面もあるが。県の裁量権は限られるので、言ってもあまり何も出てこない。」

2012-12-25 17:14:09
高橋 準 @myriel_june

今井「国は裁量権があるから、そこで国に直接に言う、ということになる。もちろん、そういうことをやると、県はいい顔はしない。」

2012-12-25 17:14:29