【論考補遺】「男の娘」は血の責を免れるか?

ほぼ個人用。論考『オトコノコの好きなオトコノコはオトコノコ? -「男の娘」試論-』の補遺として、男性が女性化を望みつつ、一方で“女性”の負担を無視していることについて、思いつくところをつらつらと。ここで出た「男性の負担回避傾向」は、続く「ZUN帽コス」論とも通底する特徴だと考えられます。
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椿かすみ @kasumits

ちょっと思いついたことを覚書のようにtweetします。以降たぶんちょっぴり18禁。

2010-08-09 11:22:30
椿かすみ @kasumits

なぜ「ふたなり」や「シーメール」でなく、「おとこの娘」が流行ったのかってことなんですが、全年齢に進出するにはそっちのほうが都合がいいっていうのはたぶん間違ってないと思うんだけど、成年向けのほうでは正直確信までは至っていなくて、「禁止社会の反動」とか言ってたんですよね。

2010-08-09 11:25:29
椿かすみ @kasumits

それもないことはないと思うんですが、というよりなぜ「この時に」流行ったか、っていうのを考えるとそれくらいしか思いつかないのですが、そうではなくて、「なぜ」流行ったか、と考えると、そこには「痛み」の問題があるのかな、と、シャワー浴びながら考えてました。

2010-08-09 11:26:59
椿かすみ @kasumits

たぶんこれは作品中で描写されることはないと思うんだけれど、「ふたなり」っていうのは女性器も具えているわけだから、そこには必然的に「生理」っていう痛みが生じますよね。おなかの辺りに鈍痛が続くし、一日中だるいし、(これは後で触れますが)血もたくさん出るし。

2010-08-09 11:29:16
椿かすみ @kasumits

「シーメール」のほうも、手術した男性ですから、ホルモン治療による心身のバランス異常とか、やっぱり手術の痛み(そりゃ麻酔はしますけど、身体的負担はありますよね)とか、不可避なものです。

2010-08-09 11:33:13
椿かすみ @kasumits

それに対して「おとこの娘」っていうのは、(論の中ではそれら2つよりも「現実味のある」と書きましたが)女性器もなければ手術もしてない、ただふつうの男性が女性の恰好をして、それがとてつもなく女性的である、っていうだけなので、そういった負担がまったくないわけです。

2010-08-09 11:34:46
椿かすみ @kasumits

この、存在に伴う必然的負担は、(「シーメール」はもはや逸脱していますが)たぶんキリスト教的には「原罪」と捉えられるもので、ヴィクトリア朝の女性が全身を蔽い隠したように、やっぱり男性からしたら忌避すべきものなんだと思います。

2010-08-09 11:36:59
椿かすみ @kasumits

だから、そういった痛みを伴わず、しかしとても女性らしい、そういう「完璧な存在」として、「おとこの娘」は男性に嗜好されているんじゃないでしょうか。

2010-08-09 11:38:42
椿かすみ @kasumits

ここで気になるのは、「血」の扱いなんです。日本の古い考えでは、女性はそもそも「穢れ」でしたよね。出産の時に、穢れの証である血を大量に出すから。

2010-08-09 11:41:24
なかとも @nakatomo_100

@kasumin89 ま確かに 男の娘 の無謬性ってのはありそうですね。現実の女の子(と男の子?)からきれいな面だけ持ってきた、理想化された形であると。

2010-08-09 11:42:34
椿かすみ @kasumits

そして、(これは「おとこの娘」流行と関係があるかは未知数ですが)女装男子が目指しているのは、おそらく「女性になること」じゃなくて、さっきtweetしたような、「完璧な存在」になることだと思うんです。というか、彼らに「MtFなの?」とか訊くと否定しますよね。

2010-08-09 11:43:39
椿かすみ @kasumits

だから、生理とか出産とか、そういう要素ぜんぶをひっくるめた「女性」になるっていうのは、やはり今でも男性は望んでいないと思うんです。

2010-08-09 11:45:05
椿かすみ @kasumits

で、じゃあそれは古来からある「血」の忌避に結びつくのかっていうと、それは違う気がします。確かに、生理の時は出血があるわけですが、もう一つ、女性器と血のかかわりってありますよね。最近の某声優さんの騒動にもかかわることですけど。

2010-08-09 11:46:26
椿かすみ @kasumits

それが現実であるかは知りませんが、処女が失われる時には、「破瓜の血」とか言われてたような憶えがありますが、とにかく出血します、少なくともそういう作品では。で、男性諸氏はそういったものを確実に、「穢れ」としてではなく、「所有の証

2010-08-09 11:48:23
dhoshi @dhoshi

@kasumin89 男性は本質的に女性をよく分かっていない。つまり恐れている。故に、そうなる以前の少女期に惹かれるし、それさえ通り越して男の娘に走る、って感じでしょうか。話中断して済みません

2010-08-09 11:49:50
椿かすみ @kasumits

として見ていますよね(途中でenter押しちゃったorz)。それは、「穢れを憎む」<「所有を愉しむ」という、ただの感情の力の優劣が齎す結果かもしれないんですが、とにかく処女を奪うということに、男性は何らの信仰的憎悪も向けてないと思うんです。むしろそれを進んでやろうとさえしている。

2010-08-09 11:50:20
椿かすみ @kasumits

だから、生理を描写しないのは、血とは関係ないんじゃないかな、と思うんです。とは言え、この前原宿だか表参道だかで、ギャルと呼ばれる子たちが(たんぽん普及キャンペーンで)たんぽんを嵌めて練り歩きました、っていうニュースに対しては、「汚らしい」っていう反応が多勢を占めていたんですよね。

2010-08-09 11:53:49
椿かすみ @kasumits

だから、一言で「局部からの出血」と括るのは、軽率であるのかもしれません。処女脱却の血は高貴で、生理の血は唾棄すべきもの、みたいなのは、女性からしたら両方(種類は違えど)痛いわけだし、完全に男性の身勝手だと思うんですが、そういう身勝手さこそ、「完璧な存在」である「おとこの娘」を

2010-08-09 11:56:26
椿かすみ @kasumits

求める心理を支えているように思います。さ、そろそろ出かける仕度しなきゃw replyいただいたものは携帯からお返事しますっ!

2010-08-09 11:57:39
椿かすみ @kasumits

(書き忘れましたが、血はその出自によっても分けられる以前に、そもそも口外するかどうか、っていうところがポイントですかね。そうすると、「ふたなり」や「シーメール」は、自分がその存在ゆえに出血していることを隠しきれないわけですから、避けられる、ということでしょうか。

2010-08-09 11:59:22
冬至 @toji_fl

怒涛の公式RTはさすがに控えますが、 @kasumin89 がなんか面白いこと言ってる。

2010-08-09 12:13:28
冬至 @toji_fl

血の忌避を経由せず、しかし女性の負担は嫌で、かつ女性的なものを愛する方法としての男の娘、という立論だよね。

2010-08-09 12:15:43
冬至 @toji_fl

んー、ちょっと考えてからまた書こう。

2010-08-09 12:16:27
冬至 @toji_fl

メモ1:負担する気がないなら相手は普通に女性でもいい。2:にもかかわらずあえて男の娘なのであれば、それはナルシズムやホモソーシャリティに関係するのか。

2010-08-09 12:23:02
冬至 @toji_fl

愛が他者の負担を分かち合う動力ならば、しかしそれは男の娘を前に空転するしかない。むむむ。

2010-08-09 12:24:10