宇宙戦艦ヤマト2199×銀河英雄伝説（ラインハルトVSドメル編）

現場猫教授 @Dr_crowfake

銀河帝国首都オーディンを陥落せしめんと銀河方面軍の主力を集結したドメル。しかしその前に立ちはだかったのは、無数の要塞であった。「これはいったいどういうことだ」ゲットーが応える「おそらくは、敵が開発していた超大型ゲシュテムドライブにより、各地の要塞を本星防衛に集結させたのでしょう」

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「なりふり構わぬとはこのことだな。構わん。遊星爆弾により徹底的な打撃を与え、惑星オーディンを陥落させるのだ」「はっ」カイパーベルトに急遽配置された工兵部隊が、反射衛星砲により次々とカイパーベルト天体を要塞群に向けて軌道変更させる。

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しかし敵将ラインハルト・フォン・ローエングラムの真の狙いはオーディン防衛ではなく、オーディンを釣り餌にドメル率いるガミラス銀河方面軍の主力を撃滅することであった。要塞はその時間稼ぎにすぎない。すでに各地からは、あえて分散していた艦隊がオーディンを包囲すべく猛然と急行している。

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「ついてこれない艦は置いていけ！　高速艦だけで先行部隊を編成し、ドメルをオーディンに封じ込めろ！」旗艦「ベイオウルフ」のブリッジで、ミッターマイヤーは部下たちを叱咤する。

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「さすがは疾風ウォルフだな。我々も遅れを取るな！　宇宙最強は黒色槍騎兵艦隊だとドメルに思い知らせてやれ！」ビッテンフェルトは旗艦「王虎」で不敵な笑みを浮かべる。

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「魁はミッターマイヤーとビッテンフェルトに任せておけ。われわれは包囲陣の確実な形成を行うのだ。けして逃がすわけにはいかん。この戦いには、マイン・カイザーとオーディンの運命がかかっているのだからな」ロイエンタールはそう呟くが、同時に「カイザー亡き後の帝国」への野心を弄んでいる。

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「報告！　敵艦隊が次々と我が方に向かって急速接近中！　このままでは我々は完全に包囲されます！」報告を受け、ドメルは眉を顰める。「なるほど主星自体が我々を包囲殲滅するための囮だったということか。だが、主星と指導者を同時に失い、それでもなお作戦を続けられるかな？」不敵に笑うドメル。

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「敵艦隊が完全に集結し、我が砲を包囲するまでに敵要塞群を撃破できるか」「はっ、反射衛星砲の設置と遊星爆弾の発射ペースは120％を超えております。十分に可能かと」「ならばよい。我々はあくまで敵主星及びその指導者を撃滅する」ドメルは覚悟を決めた。

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「レンテンベルグ要塞、沈黙！」「ガイエスブルグ要塞、損耗率70％！」「イゼルローン要塞、トール・ハンマーで応戦していますが、迎撃しきれません！」帝都オーディン軌道上の総旗艦ブリュンヒルトにいるラインハルトの心中も穏やかではない。敵の意志の硬さと強力さは彼をして予想外のものだった。

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「このままでは我が方の主力が集結する前に、要塞群は全て壊滅します！」「うろたえるな、そのために艦隊があるのだ」ラインハルトは鋭く云い放つ。「艦隊前進。遊星爆弾迎撃ならびに敵主力殲滅を行う」一気に士気が上がる兵士たち。「ジーク・カイザー！」

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「やはり敵艦隊は出てきたか。ここまでは定石通りだ。敵艦隊は残存要塞と連携し我々を消耗戦に追い込むつもりだ。しかしその手に、あえて乗ってやろうではないか」ドメルは指揮棒を振る。「全艦前進！　敵火網に楔を打ち込め！」ドメルの命令一下、銀河方面軍主力が一斉に前進を開始する。

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遊星爆弾を迎撃するため要塞と連携した体形を取り重厚な火線を構築する銀河帝国軍の前に、ドメルは一見無謀な突撃をしたかに見えた。しかし彼は秘策を隠し持っていた。「遊星爆弾連続発射！　目標オーディン！」敵が絶対に守らなければならない主星に一気に多量の遊星爆弾を叩きつける飽和攻撃である。

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「敵遊星爆弾第5波、先の3倍の規模です！　目標はオーディン！」ラインハルトはそのアイスブルーの瞳に憎しみを込めて呟いた。「人質をとっての戦いか……！」「ですが効果的です。ここはあえて迎撃を無視し、敵艦隊撃滅を優先されるべきかと」オーベルシュタインが進言する。

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「皇帝が民を見捨てることなどあってはならない。全艦、全要塞、遊星爆弾迎撃に全力を尽くせ！」その隙を逃すドメルではなかった。「一点突破をかけろ！　目標は敵総旗艦ブリュンヒルト！」ドメルの猛攻により、帝国軍は次々と撃破されていく。しかし、甚大な損害を受けてなお、帝国軍は優勢であった。

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そしてラインハルトの判断により、遊星爆弾も完全に防ぎ切られたのである。ドメルは残存要塞と帝国艦隊に半包囲された形でしたたかな反撃を受けた。「第7戦闘団、戦力の7割を喪失！」「本隊もすでに3割を失っております！」悲鳴のような報告にもドメルは動じない。「このまま中央突破せよ！」

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そう。ドメルにとって、ラインハルトの首をとれれば、作戦目的の過半は達成できるのである。たとえその過程で銀河方面軍の過半を失うこととなっても、勝利といえた。そして、ドメルはその狼の牙で、皇帝の喉元に食らいついたのである。

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「敵旗艦接近中！　本艦も射程に入りました！」ブリュンヒルトのオペレータが悲鳴を上げる。ラインハルトは迫り来る敵旗艦――ドメラーズ3世の艦影を目の当たりにして、悔しさをあらわにする。「ここまでか、所詮、俺はここまでの男だったのか」だが次の瞬間、戦況は一変した。

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「皇帝陛下を守り奉れ！」ドメル艦隊を横撃する形で、ミュラー艦隊がその身を捩りこんできたのだ。ミュラー艦隊はミッターマイヤーやビッテンフェルトより早く、事態の悪化を予見して命令違反の咎を受ける覚悟で早期に進路を変更しており、この難局にようやくたどり着いたのである。

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すでにラインハルト直率兵力に半ば身を埋めるようにしており、周囲からの攻撃を受け続けいていたドメル艦隊には、それを探知する手段が喪われていた。そのため、ドメルはミュラーの横撃に対処できず、したたかな打撃を受けた。

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「万事休すだな……」ドメルはブリュンヒルトを目の前にして、自らの作戦が瓦解したことに気づいた。ガミラス軍人であれば、刺し違えてでもラインハルトを倒すべきである。しかし彼には銀河方面軍という多くの将兵の命を預かる義務があった。それゆえ、敗将の汚名を着てでも生き残る必要を感じた。

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そう決意したドメルの判断は素早かった。「残存兵力を集結させ、敵弱点に突破口を穿て！　脱出し、再戦の機会を作るのだ！」そしてドメル艦隊の精鋭もその命令を素早く正確に実行した。ミュラーの参戦により混乱した戦況を利用し、ドメルは戦場を突破。オーディン星系外部へと素早く撤退していった。

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しかしそこには、ミッターマイヤー、ビッテンフェルトを始めとした帝国軍が包囲網を築いていた。先の戦闘での甚大な打撃を考えれば、独力での突破は不可能だ。「独力ならばな」ドメルは不敵に笑う。「反射衛星砲群を使用し、わが前方に突破口を形成しろ！」命令一下、反射衛星砲群が必殺の一撃を放つ。

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反射衛星砲は1問といえども戦略レベルの破壊力を持つ兵器である。集中運用すれば、それはトール・ハンマーをも上回る威力になる。その火力の集中を一身に受けた包囲艦隊には、大きな綻びができた。そこにドメルはすかさず自身の残存兵力を集中し、銀河帝国の包囲網を突破してみせたのだ。

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「一将功ならずして万骨枯る……か」ドメルは慨嘆した。「帝都バレラスよりの入電です……これは……デスラー総統閣下からの入電です！」「回せ」スクリーンに映し出されたデスラーにドメルは敬礼した。「貴官の奮戦は評価している。だが敗北は死を持って償え」「承知しております」

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デスラーは笑った。「ドメル将軍。君は、死刑だ。「あと2回」失敗したら、死刑だ」「……ありがたきお言葉、感謝いたします」ドメルは最敬礼した。「貴官の再起と健闘を祈っている」ドメルは敬礼した。