蒔田記者が難病対策委員会の議論から考えたこと【第23回】

トランジションの話とか。 中間報告を受けての医療費助成制度の話とか。 注:最後に載っている青木(@blaustern823)のブログは、その当時における私の感想を記したものです。たぶん、今だと考え方が変わっている部分もあろうかと思います。
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蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23回(8月16日開催)】大きな議題は、①難病を持つ子どもへの支援の在り方②今度の難病対策の在り方(中間報告)の2点。①の方は、これまで振り返ってきた委員会の中でも議論にはでていたけれど、複雑化するのであえて触れてこなかった。少し補足だけして、別機会で振り返るつもり。

2013-01-01 19:22:02
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23回②】難病を持つ子どもの支援の柱になっているのは、「小児慢性特定疾患治療研究事業」。制度の詳細はこちら→(http://t.co/xDoNRD9C)に預けるとして、現行の一番の問題点は、最長で20歳を超えた時、多くの病気が突然、助成を打ち切られること。

2013-01-01 19:24:51
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23③】この問題を、以前はキャリーオーバー、今はトランジションと読んでいた。具体的な病気で説明すると、例えば「1型糖尿病」。小児慢性~では助成の対象だけど、特定疾患の対象ではないから、20歳を超えると突然助成が打ち切られる。治療が必要か、不必要かに関係なく。

2013-01-01 19:36:42
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23④】難病対策の中で、この「トランジション」を中心に、改善が議論されているわけだけど、今、社会保障審議会児童部会に立ち上がった「小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会」(http://t.co/07KJbSKe…)で集中的に議論されている。

2013-01-01 19:37:29
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23⑤】なので、この専門委員会を追いかけていくことから始めた方が自分の理解から考えても分かりやすいと考えており、議題①については、今追いかけるのは「保留」にするつもり。関心がある方は、すでに議事録が出ている回もあるので、見てみてください。

2013-01-01 19:37:54
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23⑥】議題②の議論を追いかける前に、参考資料として、患者団体JPAの事務局ニュースを→(http://t.co/HMydIkh4) 中間報告のとりまとめに先立ち、患者団体がどのような要望をしたのか、という記録。

2013-01-01 19:45:49
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23⑦】緊急要望書全文→現在、難病対策委員会で検討中の難病対策の見直しについての「中間報告」のとりまとめにあたり、難病の定義については昭和47年の「難病対策要綱」の定義を踏襲し、難病患者のおかれている社会的な側面をふまえ、支援の必要なすべての疾患を対象とする表現にしてください。

2013-01-01 19:48:24
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23⑧】昨日も少しつぶやいたけど、「要綱」における定義の解釈が、やはり食い違っている。「希少性」の精神が入っていた、と考える委員と、「支援の必要なすべての疾患」という患者団体側(の委員)。

2013-01-01 19:50:16
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23⑨】定義、範囲のあり方についての議論。「難病対策要綱をも参考にしつつ、できるだけ幅広くとらえるべきである」という文面に対し、福永委員の発言。「…基本的には、公平で、かつ谷間をなくすということだと思います。…」 これ以外は特段はなく、定義については広くとろう、と一致している。

2013-01-01 20:03:17
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23⑩】先の一文に続く「一方で、個別施策の対象となる疾病の範囲については、広く国民の理解を得られるよう、それぞれの施策の趣旨・目的等も踏まえ、比較的まれな疾病を基本に選定すべきである」の文言。この回ではほぼ議論がなく、金澤委員長の「かなり共通認識があるかと思います」でほぼ締め。

2013-01-01 20:08:24
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23⑪】「広く国民の理解を得られるよう」は、「比較的まれな疾病を基本に」にかかることになるのでしょうな。しかしこうするのであれば、希少性にひっかからない可能性がある病気について、医療費負担の軽減が担保される医療保険上の制度が整っている、ということが前提になるのかと思うのだが…

2013-01-01 20:15:20
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23⑫】議論は「医療費助成の在り方」へ。ここは、患者団体代表として出席している本間委員、伊藤委員の発言を引用しておきたい。この2委員の発言が、「患者の声を取り入れた」根拠になっているわけで、認識しておいた方が良いと思う。以下、引用。

2013-01-01 20:19:33
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23⑬】本間委員「これは私の個人的な意見ですが、その次にある「なお、検討に当たっては」という、3ページの上の方ですけれども、ほかの慢性疾患の患者さんとときどき話すことがあるのですが、なぜ難病患者さんだけが医療費助成を受けられるかという根本的なところがよく議論になるのです。(続)

2013-01-01 20:47:27
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23⑭】なぜ受けられるかという、その柱になるところは、やはり治療研究です。これがあるから、結果として医療費助成が発生する。それは結果として福祉的な側面を持つのだということに何とか理屈が立つのですが、この福祉的な部分を柱にすると、(続)

2013-01-01 20:48:08
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23⑮】がん患者もこれを柱にしてほしい、あるいは生活保護を受けている世帯で、子どもが病気になって、大変な病気になったと。どこが違うのかという、そういう議論もよく実際にはあるわけです。そういう意味でいくと、難病患者の医療費助成を理論的に位置づけるためには、(続)

2013-01-01 20:48:51
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23⑯】この研究費助成をあくまでも、言葉は適切かどうかわかりませんが、錦の御旗にした書き方の方が社会的な理解は得られやすいのかなと思います」。

2013-01-01 20:49:27
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23⑰】伊藤委員「言い直してもらうことはいいのですが、今、本間さんが言われたことですけれども、大事なことだと思うのですが、がん対策とか医療費の助成の対象になっていない疾患もあるからこちらが下がるというのではなくて、ここは難病問題をずっとやっているわけですから、(続)

2013-01-01 20:50:07
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23⑱】これはこれでやっていって、もしもほかの制度でも、医療費が非常に高くて困るという国民が多いのであれば、医療費の制度そのものを直さなければならないのであって、がん対策でも医療費助成をしておくとか、(続)

2013-01-01 20:51:17
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23⑲】あるいはそういう高額な負担を国民がしなくて済むような医療制度にするとかという、もう少し前向きにとらえていかないと、少しずつほかのところから言われているということで後退していくと、だんだん縮まっていくということも、可能性がないわけではないので、(続)

2013-01-01 20:52:04
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23⑳】何とかそこのところも御理解いただいて、もっともっとほかのところも、我々も団体としては頑張ってまいりたいので、ひとつそういうことでよろしくお願いしたいと思います。」

2013-01-01 20:52:32
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23㉑】本間委員は、「難病の研究費助成を看板にすることで理解を得よ」と主張し、伊藤委員は「他制度を横目に見ながら、ということではなく、医療費負担を軽減する制度を前向きに考えようよ」と提案していると受け止めることができるのかと思う。

2013-01-01 20:55:11
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23㉒】ある意味、「現実路線」と「理想」みたいなとらえ方もできなくはないけれど、伊藤委員の発言はかなり、重要だと思うわけです。伊藤委員の発言は、他の制度との均衡ばかりが問題視されることへの懸念と、高額療養費制度を含めた医療保険全体への問題提起なのだろうと。

2013-01-01 20:57:49
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23㉓】もう一つ、医療費助成のあり方を巡って重要そうなのは、地方自治体の代表として出席している眞鍋委員(長野県健康福祉部長)の発言か。以下、一部引用。

2013-01-01 21:01:25
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23㉔】眞鍋委員「…やはりこの医療費助成については、自治体としては、超過負担の解消と、安定的な仕組みにするということで、法制化ということが必要ではないかという意見が自治体では根強くございます。(続)

2013-01-01 21:02:00
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【23㉕】…我々としては、是非この助成制度につきましては、中間的なとりまとめでも入れられたように「法制化」という一言は入れていただきたいのと、是非超過負担の解消という趣旨もあるということは何らかわかるようにしていただきたいということが1つでございます。(続)

2013-01-01 21:02:42