蓮子が死んだから始まるSS

あーん、連子ちゃんが死んだ!2012年は新譜が2枚も出て『今、時代は秘封倶楽部だ!』って思ってたのに…美人薄命だ…ぐすん… というわけで『宇佐見蓮子が死んだ』で始まる即興SSをまとめました。
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まずはひとりめかつすべてのはじまり。姫上さん

姫上沙月@ @satsuki_h

未だかつてない早さで蓮子が死ぬSS

2013-01-01 22:13:28
姫上沙月@ @satsuki_h

@lo_ki_k 開幕五文字目くらいで蓮子が死ぬ。

2013-01-01 22:15:39
姫上沙月@ @satsuki_h

ちょっと即興で作ってみるか。

2013-01-01 22:16:13
姫上沙月@ @satsuki_h

宇佐見蓮子が死んだ。私が最初にその報せを受けたのは六月のはじめ、大学に向かう電車の中でだった。正直、実感はなかった。だってそうでしょう? 登録されていない電話番号からの意味不明な内容の伝言を真に受けると思う? #usami_kai

2013-01-01 22:19:31
姫上沙月@ @satsuki_h

指定された病院に行き、まだ生暖かいその身体に触れ、心電図を確認して、それでも私には宇佐見蓮子の死という現実が認識できなかった。人並みに涙を流した……とは思う。けれども全く実感が出来ない。彼女の両親から詳しい事情を聴いた。所謂、不審死というやつだった。 #usami_kai

2013-01-01 22:21:09
姫上沙月@ @satsuki_h

深夜の街。街灯のない路地裏を一人で歩いていたところを通り魔に襲われたらしい。通り魔は蓮子の眼球を抉り、鎖骨に深く刃を喰いこませた。失血死だった。性的な暴行を受けていないというのだけが唯一の救いだったと両親は気丈に語ってくれた。 #usami_kai

2013-01-01 22:24:13
姫上沙月@ @satsuki_h

事件の詳しい内容を聞くにつれてやはり実感が薄れていく。だってそもそも、蓮子は私と一緒にサークル活動をするときにしか夜は出歩かないはずだったから。その場に私が居合わせて居ない以上、それは秘封倶楽部の活動ではないし、だとしたら蓮子が出歩く理由もない。 #usami_kai

2013-01-01 22:25:40
姫上沙月@ @satsuki_h

結を全く考えないでキーボード叩いてるからどんな結末になるかわからん。

2013-01-01 22:26:10
姫上沙月@ @satsuki_h

しかも、だ。通り魔は押し倒した蓮子の眼球を抉っている。宇佐見蓮子の特殊な瞳を知るのは私、マエリベリー・ハーンただ一人なのだ。……何かがおかしい。まず、あの蓮子を押し倒せる状況がおかしい。親しい人間の犯行だろうか、人気の無い路地裏という状況そのものもおかしい。#usami_kai

2013-01-01 22:29:05
姫上沙月@ @satsuki_h

まるで蓮子のことを良く知る人間が襲ったかのような状況だった。付け加えて言うと、【マエリベリー・ハーン】以外に今回の事件は起こせないのだ。もちろん、私が蓮子を襲ったなんていう記憶はないし動機もない。実感の全くない中、宇佐見蓮子の死という現実だけが取り残された。#usami_kai

2013-01-01 22:32:22
姫上沙月@ @satsuki_h

葬式の日程が決まり、通夜と告別式に参加し、焼香を二回あげた。棺の中の蓮子。閉じた瞳には義眼を埋め、防腐処理をされた身体は驚くほど白くて、本当に死んでいるのか疑わしくなるほどだった。三回髪を手で梳いた。既に体温は無く、目の前に横たわるのはまぎれもない死体だった。#usami_kai

2013-01-01 22:34:52
姫上沙月@ @satsuki_h

だって蓮子は、ずっと私と一緒に居るのだから。#usami_kai

2013-01-01 22:35:33
姫上沙月@ @satsuki_h

正確に言えば、私が見ているのは宇佐見蓮子の亡霊だった。私の瞳は生と死の境界ですら捉えることができる。悲しそうな目をして自らの身体を覗き込む蓮子。私にとって宇佐見蓮子という存在があちら側に行ってしまっただけのこと。この瞳は死という事実ですら曖昧にしてしまうのだ。#usami_kai

2013-01-01 22:38:02
姫上沙月@ @satsuki_h

勿論、意志の疎通はできない。私に霊視の能力はないし、視るだけのことしかできない。干渉できるわけではないが、亡霊の蓮子は私の事を認識している。何かを訴えようとしている。葬式の最中も私の袖を引っ張り、何処かへ連れて行こうとしていた。 #usami_kai

2013-01-01 22:40:01
姫上沙月@ @satsuki_h

「殺されたの?」私の言葉は届かない。蓮子の遺体が火葬場へと運ばれ、私もその骨を拾うことを許された。蓮子の綺麗な体が焼かれている間も、亡霊の蓮子は私に何かを訴えていた。骨を骨壺に入れ、これで別れの儀式はおしまい。両親に挨拶をして、斎場から駆け出した。#usami_kai

2013-01-01 22:43:36
姫上沙月@ @satsuki_h

そうだ! 蓮子が私を呼ぶ理由なんて一つしかないのだ! 秘封倶楽部。サークル活動の時間なのだ! 亡霊の蓮子はきっと、自らを殺した犯人を私に捕まえてほしいと言っているに違いない! #usami_kai

2013-01-01 22:45:22
姫上沙月@ @satsuki_h

亡霊の蓮子の言葉が聞こえる。「サークル活動の時間よ!」と。袖を引っ張られる。私はいつもこうやって、蓮子の後を追いかけていたのだった。境界を超え、存在する世界を違えたとしても、秘封倶楽部という絆は絶対なのだ。たかだかどちらかが死んだくらいでは何の支障もない。#usami_kai

2013-01-01 22:50:11
姫上沙月@ @satsuki_h

夢オチ禁止な。(自制)

2013-01-01 22:50:51
姫上沙月@ @satsuki_h

蓮子の後を追う私に悪寒が走る。結界が視えるのだ。#usami_kai

2013-01-01 22:54:22
姫上沙月@ @satsuki_h

繋いだ手に。その腕に。いつも後を追いかけていた背中に、彼女のトレードマークたる帽子に。宇佐見蓮子という事象そのものが結界と言い換えて良いくらい。#usami_kai

2013-01-01 22:57:09
姫上沙月@ @satsuki_h

既に蓮子の姿は結界に覆い尽くされ、その正体がわからなくなってしまっていた。私を引っ張るこの力は、宇佐見蓮子の遺志なのだろうか? 導かれるままに歩を進める私の脳裏に、かつて交わした蓮子との会話がよぎった。#usami_kai

2013-01-01 23:02:47
姫上沙月@ @satsuki_h

「ねぇメリー。宇佐見の怪って……知ってる?」「なあにそれ。貴女と同じ名前ね。創作の怪談ならお断りよ。蓮子、貴女の存在は既に怪談を超越した先に居るわ」「あはは。そんなんじゃないんだけどな。ええと」言いながら蓮子はノートを広げた。#usami_kai

2013-01-01 23:05:01
姫上沙月@ @satsuki_h

「私も偶然見つけたんだけどね。どうやらこの構内にはそんな名前の現象が存在するらしいのよ」「蓮子の怪」「茶化すのはやめてよ。まぁ、この元になった宇佐見さん。名前まではわからないから何とも言えないんだけどね」#usami_kai

2013-01-01 23:07:58
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