【SF童話『桃太郎』】

「全ては一瞬の間違いから始まったーー。世界を救う子・桃太郎を誤って殺してしまったお爺さんとお婆さんは、その亡骸から体細胞クローンを作り、桃太郎として育てることにした。自らの出生の秘密を知らぬまま長じた桃太郎は、無事鬼を倒して村に戻ってくるのだが…。」2013/1/1~5にかけてツイッターに掲載した桃太郎のパロディ【SF童話『桃太郎』】を、皆さんがくださったコメントと共にまとめました。
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にゅにゅ @nyunyu122

【SF童話『桃太郎』13】ラボの地下、立入禁止になっている資料保管庫。液体窒素で満たされた氷の棺の中にオリジナルの亡骸はあった。そして棺の前には、お爺さんとお婆さんが佇んでいた。

2013-01-03 22:43:56
にゅにゅ @nyunyu122

【SF童話『桃太郎』14】「お爺さん、お婆さん、あなた達は僕のことを騙し続けていたんですね。僕は桃から生まれてなんかいない。生まれる前に死んだ桃太郎の身代わり、鬼を倒すためだけに作られた存在だったんだ! 僕はずっと、あなた達が大好きだったのに…!」

2013-01-03 22:45:11
にゅにゅ @nyunyu122

【SF童話『桃太郎』15】桃太郎は悲鳴のような叫びを上げた。鬼達と闘っても、村を追われた時でさえも決して涙を見せなかった英雄の目に、今初めて涙が浮かんでいた。

2013-01-03 22:46:11
にゅにゅ @nyunyu122

【SF童話『桃太郎』16】「僕には血の繋がったお母さんもお父さんもいなかったけれど、淋しいなんて感じたことは一度もなかった。それはお爺さん、お婆さん、あなた達が僕を慈しんで大切に育ててくれたからです。沢山の愛情を注いでくれたからです! …なのに! なのに!!」

2013-01-03 22:47:56
にゅにゅ @nyunyu122

【SF童話『桃太郎』17】僕を作ったあなた達の目的が、実は体のいい生物兵器を作ることだったなんて!! そんなことを知ってしまったら、僕はあなた達と過ごした幸せな時間さえ疑わなければならなくなる!

2013-01-03 22:48:53
にゅにゅ @nyunyu122

【SF童話『桃太郎』18】注いでくれた愛情がたとえ本物だったとしても、どこまでが罪滅ぼしで、どこまでが兵器を作るためで、どこまでが本物の愛情なのか、楽しかった幼き日の思い出をひとつひとつ記憶の底から取り出して、全てを疑わなければ済まなくなる!!

2013-01-03 22:49:54
にゅにゅ @nyunyu122

【SF童話『桃太郎』19】そんなこと、本当はしたくなかったのに! 本当は、あなた達を少しも疑わずに、ずっとずっと大好きでいたかったのに…!!!」

2013-01-03 22:50:46
にゅにゅ @nyunyu122

【SF童話『桃太郎』20】魂の底から叫ぶ桃太郎の言葉を受け止めるお爺さんとお婆さんの目にもまた、嘆きの涙が浮かんでいた。「ああ、桃太郎、おまえにこんなに辛い思いをさせてしまった。すまない。赦しておくれ。いや赦してくれとは言うまい、

2013-01-03 22:52:28
にゅにゅ @nyunyu122

【SF童話『桃太郎』21】私たちが殺してしまった桃太郎の代わりにおまえを作ったことは消すことはできないのだから。死んでしまった桃太郎の代わりに、罪滅ぼしのようにおまえを可愛がっていたのも本当だ。

2013-01-03 22:53:24
にゅにゅ @nyunyu122

【SF童話『桃太郎』22】だがね、桃太郎、儂らはおまえのことが、生まれるはずだった桃太郎〈オリジナル〉ではなくて、無事に生まれて来てくれたおまえのことが、本当に大好きだったのだよ。ここで儂らが死んだとておまえの無念のほんの少しも晴らすことはできないだろうが、

2013-01-03 22:54:34
にゅにゅ @nyunyu122

【SF童話『桃太郎』23】儂らを斬って幾らかでも溜飲が下がるのならそうしなさい。もはや儂らにはおまえの体に巣食う病気を治してやることも、前と変わらずおまえの家族でいてやることもできないのだから。」

2013-01-03 22:56:25
にゅにゅ @nyunyu122

【SF童話『桃太郎』24】哀しみと怒りに、桃太郎は震えていた。涙で視界が霞むのを堪え、剣を握る手に力を込める。

2013-01-03 22:57:03
にゅにゅ @nyunyu122

【SF童話『桃太郎』25】桃太郎はお爺さんとお婆さんに向かって一心に走り出した。きらりと剣先が煌めく。今までの愛と怒りと憎しみと哀しみと数えきれない全ての感情を込めて、渾身の力で太刀が振り下ろされた。「うおおおおおおおおおおお!!」(続く)

2013-01-03 22:57:30
にゅにゅ @nyunyu122

次回、桃太郎とお爺さん、お婆さんの運命は…!? SF童話『桃太郎』最終回、『哀しみと慟哭の果てに』、お見逃しなく! ーー(台詞)「僕は、こんなことを望んでいたんじゃない!(CV.桃太郎)」

2013-01-03 23:05:47
にゅにゅ @nyunyu122

wwwwwww 楽しすぎるwwwww 買い物行くよりついったで妄想してた方が楽しいwwww (←廃人)…あ、ちなみに予告編はテキトーなので、本編の内容とは若干異なる可能性があります。ご了承ください。www

2013-01-03 23:07:36
にゅにゅ @nyunyu122

ここで「ドンッ!」っていって桃太郎が自分を刺したらCLAMPの聖伝になるな~。阿修羅!!! 阿修羅大好きだよ!!

2013-01-03 23:10:49
蜜柑 @orange_8823

@nyunyu122 既に本来の昔話とは違う方向に(゚Д゚;) 結末が気になります!

2013-01-03 23:10:31
にゅにゅ @nyunyu122

@orange_8823 すみませんwww もはや原形を留めていないw …今日で全部終わるかと思ったら全然終わりませんでした(^^;; そう言ってくださって嬉しいです、また続き頑張りますw

2013-01-03 23:12:34
にゅにゅ @nyunyu122

ももたろってモモタッロとかモモタrロって言うとイタリア語っぽいなぁ、って昨日布団の中で思ってた。

2013-01-04 14:17:29
ゆっぴー @yuixan

モモターリオでもイタリアっぽいかしら?←

2013-01-04 15:12:59
にゅにゅ @nyunyu122

ももたろ完結編いくぜぃ。

2013-01-05 15:54:44
にゅにゅ @nyunyu122

【SF童話『桃太郎』26】ドンッ!! 桃太郎には目の前に広がる光景が信じられなかった。そこには犬が腹から血を流して転がっていた。身を艇してお爺さんとお婆さんを庇った犬は、震える声で言った。「桃太郎様、おやめください。本当はこのようなこと、望んではいらっしゃらないのでしょう?」

2013-01-05 15:56:26
にゅにゅ @nyunyu122

【SF童話『桃太郎』27】いっとき呆然とした桃太郎は、我に返ると犬の元へと駆け寄り、名前を呼びながら腕の中に抱え込んだ。「犬!! 死んではいけない、おまえは私の一番古い部下だ。いつでも僕の傍にあって支えてくれたじゃないか!

2013-01-05 15:58:10