【SF童話『桃太郎』】
「全ては一瞬の間違いから始まったーー。世界を救う子・桃太郎を誤って殺してしまったお爺さんとお婆さんは、その亡骸から体細胞クローンを作り、桃太郎として育てることにした。自らの出生の秘密を知らぬまま長じた桃太郎は、無事鬼を倒して村に戻ってくるのだが…。」2013/1/1~5にかけてツイッターに掲載した桃太郎のパロディ【SF童話『桃太郎』】を、皆さんがくださったコメントと共にまとめました。
にゅにゅ
@nyunyu122
【SF童話『桃太郎』28】鬼と闘った時も、島から追われた時も、どんな時にもついて来てくれたじゃないか!」しかし血は止まらず、その躰から生命の鼓動は失われていく。「いつでも、あなた様の傍におります…」犬はそう言って息絶えた。
2013-01-05 15:59:30
にゅにゅ
@nyunyu122
【SF童話『桃太郎』29】桃太郎は呆然とその場を動くことができなかった。心配そうに自分を伺うお爺さんとお婆さんを見ても、もう何の感慨も涌かなかった。冷たくなった犬の骸を抱え、桃太郎は天地が張り裂けるほどの咆哮をあげて泣いた……。
2013-01-05 16:00:45
にゅにゅ
@nyunyu122
【SF童話『桃太郎』30】ーーーカァ、カァ、カァ。晴れ渡る空には海鳥が飛び交っていた。海の向こうに小さく見える島を見て、子供が父親の袖を引いた。「お父さん、あの島には何があるの?」長年軍の司令官を務めた男は言った。「あの島にはねぇ、この村が大好きな鬼が住んでいたんだよ。」
2013-01-05 16:03:24
にゅにゅ
@nyunyu122
【SF童話『桃太郎』31】桃太郎は島に渡り、犬とオリジナルの菩提を弔いながら残り少ない余生を静かに過ごした。猿と雉に看取られて穏やかに息を引き取った後、荒地だった島には島中を覆い尽くすほどの桃の木が生えたが、そのどれも、決して実をつけることはなかったという。(おわり)
2013-01-05 16:04:29
蜜柑
@orange_8823
@nyunyu122 お疲れ様でしたー!結局桃太郎は業を背負って余生を過ごしたということになるんでしょうか。それにしても「鬼」の解釈は様々ですよね。
2013-01-05 16:52:31