映画『ホビット』と指輪物語の世界

琴瀬美沙さんによる、映画『ホビット』の詳細緻密な分析です。前作『ロード・オブ・ザ・リング』や原典との比較、照応など、詳細にわたって検討されています。
30
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:アングマールの魔王(黒の乗り手/ナズグル の頭)の話と剣が出てきたのは「ロード・オブ・ザ・リング」への伏線として嬉しいところではありますが、整合性はどうつけるのかな?

2013-01-10 23:09:39
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:原作と比べるとこれでもか!というくらいのネクロマンサー/死人遣い(原作では死人占い師)推し。指輪物語の前日譚だということを強調したいのだな、と。まあ正体は指輪に登場する……だからなあ。

2013-01-10 23:14:51
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:サルマン、ガンダルフ、ガラドリエル、エルロンドの「白の会議」の場面が視覚化されたのも良かったな。白の会議側のこの後の動きも二作目以降には入るとの噂ですが。原作だと、別行動してる間に実はガンダルフは仕事して戦いもしてました、と語られるだけなので。

2013-01-10 23:21:39
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:白の会議、『ホビットの冒険』では「さまざまな知識とよい魔法をおさめつくしたりっぱな魔法使いたちの一大会議」、『指輪物語』では「賢人会議」と書かれてることもある。

2013-01-10 23:29:30
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:原作『ホビットの冒険』以外に読むと楽しいもの。『指輪物語 追補編』・『シルマリルの物語』、あと『指輪物語 旅の仲間』の「エルロンドの会議」の章も、『ホビットの冒険』周辺の事情を補完してくれると思う。

2013-01-10 23:37:42
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

原作は瀬田貞二訳で読んでますが、子ども向けのお伽噺調の語り口で語られるエピソードの中に、平気でシルマリルの物語や追補編のエピソードが登場していると分かった時の驚きといったら。

2013-01-10 23:42:37
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

一晩で約10年前の、指輪物語にどっぷり浸かってた頃に戻った気分です。

2013-01-11 00:00:33
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間」の公開で、それまで気になってはいた指輪物語をこれを機会に読みたいな、と思ったのですが、そう言ってたら父親が出張の度に、ハードカバー版を一冊ずつ買ってきてくれて。

2013-01-11 00:04:19
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

だもんで頑張って読みまして、「二つの塔」公開時にはもう全部読破してて、「どんな演出になるのかなー」ってやってた。中学生の頃だから『ホビットの冒険』では読書感想文も書いた。『シルマリルの物語』と『農夫ジャイルズの冒険』は自力で入手。

2013-01-11 00:13:59
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:映画「ホビット」におけるドワーフとオークの因縁について。映画ではドワーフのトーリンとオークのアゾグが宿敵のように描かれてましたが、これは映画オリジナル。アゾグは原作には登場しない。→

2013-01-11 00:23:13
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:→しかし、『指輪物語 追補編』に収録されているドワーフの歴史には、アゾグという名のオーク自体は登場。しかし、『ホビットの冒険』以前に死んでいる。倒したのはトーリンではなく、トーリンの従兄弟で映画にも名前は出ていた、くろがね山のダイン。

2013-01-11 00:28:14
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:『ホビットの冒険』終盤でダインも登場するので、映画でも三作目には名前だけでなく本人が出てくるでしょう。で、原作ではダインはアゾグの息子のボルグ率いるオーク軍と戦うことになります。オークと直接因縁があるのは、原作ではトーリンではなくダインなんですね。

2013-01-11 00:33:15
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:映画ではトーリンのキャラクターを補強するのに、なぜかアゾグが生きてることにして、因縁の対決ということにしてる。ダインの立ち位置は果たしてどうなるか。

2013-01-11 00:37:10