【TB腐】目隠しおじと悪戯兎　ツイノベまとめ

桐江＠鍵アカ @kyrie_key

@nachi8118_ss @mizuki_TBss 「ごめん…やっぱだめだ」後悔と自責の渦中にあったバーナビーの手が止まる。怒らせた？ 呆れられた？ 殆ど息が漏れるだけの小さな呟きからは込められた意味が読み取れない。徐々に早まっていく鼓動が、鼓膜の内側で反響した。「…ばぁか」

なち＠土曜 東 パ 09a @nachi8118_ss

@kyrie_key @mizuki_TBss 虎徹は大雑把に見えて実は人の機微に敏い。それは、だからこその言葉だった。「ちげぇよ」苦笑混じりの声は大人の男のそれだ。「ダメなのはお前じゃない。俺な、昔…」何かを言いかけた虎徹の口をだがバーナビーは塞いだ。深くて熱い口付けで。

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@nachi8118_ss @mizuki_TBss 言わせない。その意図を舌で伝えるように虎徹のそれへ絡ませ、舐め上げた。キスはほんの少し錆びた味がした。頬の内側を奥まで辿った所で遮られる。「おま、人の話を」「聞きません」「え？」「そんな、泣きそうな顔してする話なんて」

なち＠土曜 東 パ 09a @nachi8118_ss

@kyrie_key @mizuki_TBss 「それにおじさんの昔話なんて後生大事に聞いていたら夜が明けます」つんと澄ます相棒に虎徹はぷはっと笑った。多分今日一番いい笑顔だ。それにホッとしながらバーナビーは続ける。「第一僕の過去だって碌なもんじゃありません。聞きたいですか？」

桐江＠鍵アカ @kyrie_key

@nachi8118_ss @mizuki_TBss 「やめとくわ。お前の辛い過去は知ってるしな」虎徹はわざと軽い調子で受け流した。慰めのように聞かされていい話でないことは、バーナビーの瞳に一瞬宿った翳りで想像がついた。それに今は重い話を受け止めてやれる程、充分な気力もない。

なち＠土曜 東 パ 09a @nachi8118_ss

@kyrie_key @mizuki_TBss よもやフラッシュバックを起こす程引きずっていたとは思わなかった。虎徹は内心で苦笑する。だがそうなるぐらい目の前の男が大事なのだ。「なぁえっちは明日にしねぇ？」虎徹は殊更に明るく言った。「言質取りますよ？」にやりと笑う相棒に破顔する。

桐江＠鍵アカ @kyrie_key

@nachi8118_ss @mizuki_TBss 「いいぜ、俺のせいで今日は」虎徹の唇にバーナビーの指がそっと押し当てられる。「やめましょ。ね？」バーナビーは眉尻を下げて微笑んだ。虎徹は脱力したままだった腕をバーナビーの背へ回し、きゅっと抱きしめる。「惚れた弱味って奴かぁ」

なち＠土曜 東 パ 09a @nachi8118_ss

@kyrie_key @mizuki_TBss 「えぇそうですよ？僕程あなたに惚れてる人間はいないと自負してますから」今現在はね、とは口にせずバーナビーは笑ってみせた。「自負かよ！」そして虎徹は呆れた様に首を降る。だがふっと吐息混じりに呟いた。「お互い様か」「バディですから」

桐江＠鍵アカ @kyrie_key

@nachi8118_ss @mizuki_TBss 二人は暫く顔を見合わせて、まるで鏡映しのように同時に笑い合った。「ほんと碌でもねえな俺達」「お似合いってことですよ。さぁ、取りあえずシャワー浴びましょう。その間にタブにお湯も入れて」バーナビーは当然の様に虎徹を横抱きにした。

なち＠土曜 東 パ 09a @nachi8118_ss

@kyrie_key @mizuki_TBss 流石の虎徹も抗わなかった。寧ろサービス、と言ってバーナビーの首に手を回しさえした。「いつもこうだといいんですがね」「やぁなこった」くすくすと笑いながら2人はバスルームへ向う。きっと今晩は夢も見ずに眠れるだろう。傍らに互いのいる幸福。