平成23年予備試験憲法に関するバベル先生のツイート

まとめました。
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anonymity @babel0101

平成23年予備試験憲法の問題をいまさらだが,さっき初めて見た。ブログを更新するほどのものは書けないので,ここで感想を呟くこととする。

2013-01-13 20:47:14
anonymity @babel0101

国立大学法人A大学が法科大学院を設立し,入学定員200名のうち20名に関しては成績順位181位以下の女性受験生のみを成績順に合格させる,いわゆる積極的差別是正措置を採用した。181位で不合格となった男性Bは,どういう訴訟を提起し,どんな憲法上の主張をすべきか。あなたの見解は?

2013-01-13 20:51:02
anonymity @babel0101

設問1の訴訟類型論は,処分性は難しいが,地位確認訴訟を書けば足りるのでは。Bの憲法上の主張では,平等原則違反を主張していくことになる。

2013-01-13 20:57:04
anonymity @babel0101

平等原則違反は,①差別の基礎の特定,②14条1項後段列挙事由該当性,③権利性質論(二重の基準論援用の問題),④審査基準の4点をチェックするのがセオリーだが,積極的差別是正措置の実体的問題を解きほぐす答案のほうが伸びるだろう。

2013-01-13 20:57:07
anonymity @babel0101

Bは,女性を一定数自動的に合格させるのは後段列挙事由の「性別」に基づく差別であること,「性別」に基づく差別は本人の努力では如何ともしがたいものであって本来的に疑わしいこと,したがって司法部門は基本的に疑いの目で積極的差別是正制度を厳格に審査すべきこと等を規範レベルで主張する。

2013-01-13 21:04:31
anonymity @babel0101

また,本件積極的差別是正措置の目的は,法曹人口における女性の占める比率が低いために女性を優遇することにより多様性を確保する点にあるが,多様性確保の趣旨は専門的知識のある他業種や社会人経験者などを法曹にすることにあって,男女比の是正に主眼があるわけではない。

2013-01-13 21:12:39
anonymity @babel0101

男女比の是正が多様性確保に含まれるとしても,参考資料によれば市場原理により自然に男女比は是正されてきており本件措置は不可欠ではないこと,女性の法曹進出を促進するのであれば女性用の奨学金等を創設することでも足り,学力試験の場で優遇すべきではないこと等,自由に論じれば良い。

2013-01-13 21:13:22
anonymity @babel0101

あとは審査基準や目的手段審査のレベルでA大学側の反論を想定し,自己の見解を述べれば足りる。同一学力の男女がいた場合に女性を優遇してとることまでは許容されるが,「女性」というだけで点数に下駄をはかせるのはいかがなものか,というバランスのとり方をする学説もありますね。

2013-01-13 21:18:21
anonymity @babel0101

本問のポイントは,訴訟類型論と積極的差別是正措置「だけ」を論じ,他の些末な論点に言及しないこと,積極的差別是正措置を論じるにあたり形式的平等・実質的平等・逆差別の概念を整理して明示的にそれらの概念に言及し,Bが逆差別されていることの許容性を一定のリーガルな考え方から論じること。

2013-01-13 21:20:34
anonymity @babel0101

こんなところですかね。積極的差別是正措置は,まだ深く考えたことがないので,どういうところに落ち着ければいいのかは,まだよく分かりません。

2013-01-13 21:22:46
anonymity @babel0101

ただ女性が歴史的・構造的に差別されてきており教育環境が悪かったのだから,学力差に下駄をはかせろというのはね。今は十分に同じ立ち位置で勉強できていると思いますけれど,ね。

2013-01-13 21:23:02
anonymity @babel0101

訴訟類型論は全然調べていないので分かりませんが,感覚的には処分性を認めて取消訴訟+義務付け訴訟よりも,地位確認訴訟のほうがしっくりきますけどね。

2013-01-13 21:25:58
anonymity @babel0101

積極的差別是正措置(①形式的平等,②実質的平等,③逆差別,④14条1項後段列挙事由「性別」該当性,⑤「性別」差別禁止の実質的根拠,⑥審査基準の設定,⑦多様性の目的審査,⑧多様性の目的を支える立法事実の審査(参考資料等)……)等の項目にいかにヒットさせていくかだけ。試験ですから。

2013-01-13 21:35:25
anonymity @babel0101

あとは33連撃の瞬獄殺を撃ちこんでやるために,殺意の波動に目覚めるだけ。

2013-01-13 21:39:08
anonymity @babel0101

たけるんが,積極的差別是正措置に関しては,『リチャード H・ファロン・ジュニア の アメリカ憲法への招待 The Dynamic Constitution』が詳しいと言っていたが確かに130頁以下にあるね。 http://t.co/V0biNlQb @さんから

2013-01-13 22:07:07
anonymity @babel0101

カロリーヌ判決脚注4のプロセス的理解から積極的差別是正措置に関する厳格審査の根拠を導く立場と平等保護条項をより実体的に解釈する立場が紹介されており,確かに,この視点はあまり普通は解説されていない。たけるんの立場は,前者のプロセス的理解に近いですね。

2013-01-13 22:09:15
anonymity @babel0101

参考資料ですが,①積極的差別是正措置をやらなくても自然に男女比は是正されている,②是正されているとはいえ10数パーセントであり,50%にいくまで何年かかるのやら,③②は確かにそうだけど新規者だけで比較すればかなり是正されているのでは,等の見方がありますね。それを書けばいいのです。

2013-01-13 22:40:55
anonymity @babel0101

司法府による厳格審査の主要な根拠を民主的政治過程の維持・発展に求める見解は,アメリカのカロリーヌプロダクツ判決脚注4に由来するわけであるが,同脚注は政治過程から孤立する少数者を保護する場合において司法府が厳格審査により介入すべき旨を説く。

2013-01-14 19:06:19
anonymity @babel0101

この見解から積極的差別是正措置の司法審査を検討すると,積極的差別是正措置は「政治過程から孤立した少数者」をむしろ保護し当該少数者の権利を促進するがゆえに,厳格審査の根拠が消滅する,という示唆を得ることができるわけです。この見解が正当かはともかく,憲法的な頭の体操としては面白い。

2013-01-14 19:06:55