『みんなで決めた「安心」のかたち』編集者柳瀬徹さんの連続ツイート

柳瀬徹 @cockeye246 さんの連続ツイートを中心にまとめました。
35
柳瀬徹 @cockeye246

『みんなで決めた「安心」のかたち』http://t.co/EtFoZEik)、以下『みんきめ』についてまた2月3日に開催のイベント(http://t.co/8nnUOvqa)について、これから編集者として、また個人として20ほど連ツイします

2013-01-15 10:24:22
  • 内容紹介(amazon)
    ◇ホットスポットで築かれた〈信頼〉◇
    ◇熟議と協働により再生される地産地消◇

東京の東側におけるカルチャーの発信地であり、ベッドタウンとしても発展を続けてきた千葉県柏市。
その暮らしやすさの背景にあったのが「地産地消」でした。しかし、放射能汚染により「地」と「産」と「消」の信頼は分断されました。

しかし柏の住民と生産者、流通業者と飲食店主の四者は、自ら安心と信頼 を再構築する道を選びます。
「『安全・安心の柏産柏消』円卓会議」では、利害の異なる人たちが熟議により「安全」のルールをつくり、協働により「安心」を発信しつづけています。

一緒に土壌を測定し、野菜を測定し、売り場とリンクしたホームページで情報公開を行う……お題目で終わりがちな「地産地消」を危機のさなかから実現した柏の一年間を、ドキュメントや関係者のインタビューなどで克明に再現。

「食」「安全」「地域」「熟議」……普遍的な問題へのひとつの答えを、柏が全国に向けて投げかけます。

--【鬼子母神通りみちくさ市2013・プレイベント】どうすれば「みんなで決める」ことができるのか?
『みんなで決めた「安心」のかたち――ポスト3.11の「地産地消」をさがした柏の一年』(亜紀書房)刊行記念イベント
http://d.hatena.ne.jp/wamezo/20130203

柳瀬徹 @cockeye246

『みんきめ』について(1)編集者としてこの本への思いを20ツイートしてみます。3.11の時点で都内のわが家の子どもは4歳、3歳、3ヶ月。放射線の知識などまったくない中で、誤りを重ねながら情報を集めました。→

2013-01-15 10:24:34
柳瀬徹 @cockeye246

『みんきめ』について(2)区の健康課に550ccボトルの水(乳児1人あたり3本)をもらいに行った3月24日あたりが、不安のピークでした。スーパーからすでに水は消えていて、当然足りない。妻の祖父母が長崎県在住なので、夫婦で何度も「疎開」すべきか話し合いました。→

2013-01-15 10:24:46
柳瀬徹 @cockeye246

『みんきめ』について(3)親戚にも「何で九州に行かないの?」と何度も言われました。子どもを連れて歩いていると「家の中にいないとダメよ」なんて言われることも。ツイッターでも「雨に濡れちゃダメ!」といった「善意」の言葉が溢れていました。→

2013-01-15 10:24:56
柳瀬徹 @cockeye246

『みんきめ』について(4)憎悪による断絶も嫌になるほど見ましたが、それよりも善意による断絶が辛かった。自分なりの防護はおおむね納得できる線にありましたが、善意の助言に反論することはできない。このストレスに耐えるくらいなら疎開しようか、とも考えました。→

2013-01-15 10:25:09
柳瀬徹 @cockeye246

『みんきめ』について(5)結局疎開はせず東京で暮らし続け、夏ごろにはシノドス編『もうダマされないための「科学」講義』(http://t.co/qPtFg6R0)の編集に携わりました。科学的にわかること、わからないことへの態度はいかにあるべきかを考察した本で反響はありましたが→

2013-01-15 10:25:38
もうダマされないための「科学」講義 (光文社新書)

菊池 誠,松永 和紀,伊勢田 哲治,平川 秀幸,片瀬 久美子

柳瀬徹 @cockeye246

『みんきめ』について(6)断絶を解消する力まではもちえず、逆に一部では断絶を深めてしまった面もあったかも知れません。本の内容には満足していますが、正しさや妥当性を言葉に編んだだけでは、両岸に届く声になりえない。ではどのような声が届くのか、と考える契機でした。→

2013-01-15 10:25:50
柳瀬徹 @cockeye246

『みんきめ』について(7)五十嵐泰正さんの名前は2005年ごろ、2月3日のイベント第2部に登場する遠藤哲夫さんのブログで知りました(http://t.co/kioN8xM0)。それから編著などに触れつつ「どういう人なんだろう?」とずっと思っていました。→

2013-01-15 10:26:02
柳瀬徹 @cockeye246

『みんきめ』について(8)ツイッターを通じて五十嵐さんが「安全・安心の柏産柏消」円卓会議に携わっていることを知ったのは、11年の秋ごろです。当時編集をしていた「αシノドス」で取材したいと思い、ご連絡しました。でもお会いするまでは→

2013-01-15 10:26:14
柳瀬徹 @cockeye246

『みんきめ』について(9)「社会学者がなぜ放射線対策に取り組んでいるのか?」「生産者の人たちがなぜ非専門家を信頼したのか?」などといった関心が主で、地産地消については「まあ、よくあるお題目として掲げているんだろう」くらいに考えていました。→

2013-01-15 10:26:27
柳瀬徹 @cockeye246

『みんきめ』について(10)五十嵐さんに会い、直売所「かしわで」で染谷茂さんのお話を聞き、野菜や加工食品(旨い!)を購入し、3時間ほど五十嵐さんのお話を伺いました。震災前から柏の街づくりに関わっていたこと、放射線対策が素人仕事のレベルでないこと、→

2013-01-15 10:26:38
柳瀬徹 @cockeye246

『みんきめ』について(11)そして柏という地域の価値の再生を図る五十嵐さんの行動が、単純な“small is beautiful”“local is beautiful”のマインドに根ざしたものでないことを知りました。放射線対策や農業にとどまらない大きなヒントを得た気がしました→

2013-01-15 10:28:34
柳瀬徹 @cockeye246

『みんきめ』について(12)それから10ヶ月ほど、会議や測定にお邪魔したり、参加者にインタビューする日々が続きます(その集積が『みんきめ』の2章です)。取材と構成を続けながら、「あの2人はどのようにこの本を読むだろう」と想像していました。→

2013-01-15 10:28:47
柳瀬徹 @cockeye246

みんきめ』について(13):一人は遠藤さん、もう一人はイベントを主催してくれる「わめぞ」代表の向井透史くんです。エンテツさんはつかみどころのない人ですが、「食べること」を単純な尺度で捉える風潮に、別の視点を提示しつづけてきた人です。→

2013-01-15 10:28:57
柳瀬徹 @cockeye246

『みんきめ』について(14)たとえば「美味しんぼ」などにありがちな、どこかにある「純粋で正しいもの」から、現実にあふれる「まがいもの」を減点評価するような「食」は、エンテツさんからもっとも遠いものです。それは「安全・安心」に対する態度とも通じる→

2013-01-15 10:29:07
柳瀬徹 @cockeye246

みんきめ』について(15)価値判断のあり方ではないか。単一ではない多様な価値の束のなかで、私たちはおいしさや安全を求めて生きている。しかし何らかの危機が起こると、根拠を知る努力を欠いたまま受け入れていた「安全」を無限に疑い始める。→

2013-01-15 10:29:19
柳瀬徹 @cockeye246

『みんきめ』について(16)原発事故以降に起こった疑念の責任は、消費者に帰されるべきではないでしょう。しかし、無限の疑念が視界の外で誰かを傷つけているかもしれないことに、少しずつでも思いをはせるべき時期にさしかかっているのではないでしょうか。→

2013-01-15 10:29:29
柳瀬徹 @cockeye246

『みんきめ』について(17)向井くんは早稲田の古書店主です。彼が仲間と「わめぞ」を組織し、商店主や行政、地域外の人たちとも連携しながら早稲田-目白-雑司が谷という新しい「地域」を作ってきた過程を少しだけ見ていました。→

2013-01-15 10:29:38
柳瀬徹 @cockeye246

『みんきめ』について(18)伝統にも流行にも軸足を置くことのできない地域で、それぞれの歴史を築いてきた人たちの利害を調整することは、たやすいことではないはずです。それは五十嵐さんたちが柏で重ねてきた苦労と響き合うのではないかと思っていました。→

2013-01-15 10:29:47
柳瀬徹 @cockeye246

『みんきめ』について(19)ゲラを読んでくれた向井くんの「めちゃくちゃ面白い。テンション上がってきた」という言葉にほっとしました。柏とわめぞの横糸に遠藤さんの価値観の縦糸、さらに開沼博さんと五十嵐さんの溝を超えるための対話が重なる2月3日のイベントは→

2013-01-15 10:29:55
柳瀬徹 @cockeye246

『みんきめ』について(20)考えうる最高の組み合わせです。さらにその価値観を体現する存在である、自然農園レインボーファミリーの笠原夫妻にも登場していただくことになりました。小さくて大きなヒントを探しにきてください! http://t.co/8nnUOvqa (了)

2013-01-15 10:30:05