カレーのお肉は恋の味

お家帰る時に即興で考えた奴。この手のやつはインスピレーションに限るわ。書籍ってよりはただのメモ書きなんだけどね-
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北海道*ほたて @yakitatehotate

「今夜はカレーだよ!おねーちゃん!」そう言ってこいしはさとりにお手製カレーを振舞った。失恋した姉を元気づける為に精一杯作ったカレーだ。その気持ちを無碍にしないためにさとりも精一杯の笑顔で「ありがとう。美味しそうね」と答えた。お世辞にも綺麗に切れてるとは言えない野菜が微笑ましい

2013-01-17 18:49:38
北海道*ほたて @yakitatehotate

「いただきます」そう言って一口カレーを口に運ぶ。少し辛くて頬が引きつる。けれど妹の優しさを感じて次第に笑顔に変わる。「美味しいね!」こいしも少し辛いと感じたのか水を一口飲んだ。えへへと笑いまた一口。さとりは何気なく「これは何カレーなのかしら?」と聞いた。

2013-01-17 18:49:47
北海道*ほたて @yakitatehotate

不思議そうな顔をしたこいしは「カレーはカレーだよ?」と言いカレーを食べ続けた。さとりはどうも腑に落ちないのだ。家に食肉はないしこの肉は知っている味ではない。けれどとても好きな味だ。「だから、何カレーなのかしら?ビーフとかチキンとかあるでしょう?」ともう一度こいしに聞き直した。

2013-01-17 18:49:55
北海道*ほたて @yakitatehotate

「だから、カレーだってばおねーちゃん。」少しムスッとしてこいしは返した。聞き方が悪かったのか、そう思ったさとりは聞き方を変えた。「このお肉はどのお肉を使ったの?」ストレートに単純に聞いた。しかしこいしは「カレーのお肉だよぉ!」と返すばかり。やりとりをしている間に食べ終わってしまう

2013-01-17 18:50:03
北海道*ほたて @yakitatehotate

そう思った時にはもう遅くお互いお皿は空だった。「ごちそうさま!」元気の良いこいしに対し「ごちそうさまでした…」腑に落ちないさとり。直後お燐が部屋に入ってきた。「さとり様!さとり様を振った男が死にやがったそうですよ!あたい思ってたんですよねーどうせロクな男じゃないって」

2013-01-17 18:50:11
北海道*ほたて @yakitatehotate

お燐はそのまま続ける。「でも、不思議なもんでしてね。頭から下は見つかってないんですよ。あたいでも見つからないとなるともう食われたか燃やされたかですね」お燐の話を聞いて機嫌を悪くしたのか雑な返事をした。さとりはまだ彼のことが諦められないのだ、そんな話を聞いて気分が良いはずがない

2013-01-17 18:50:18
北海道*ほたて @yakitatehotate

それに気づいたのかお燐は申し訳なさそうに耳を折り畳みしゅんとした。「彼、死んじゃったんだね。」笑顔でこいしが一言。その時にこいしのイントネーションに違和感を感じたさとりは「今の一言、もう一度言ってもらえるかしら?」と言った。こいしは不思議そうに「彼」とまで言った。さとりは吐いた

2013-01-17 18:50:27