ヨウカイスレイヤー第五話より「フラワリング・サツバツ・ナイト」#4

第五話「フラワリング・サツバツ・ナイト」 ファンタズマゴリア・ケイム・フロム・ジゴク #1:http://togetter.com/li/352567 バット・フー・イズ・ザ・イービル・ヨウカイ #1:http://togetter.com/li/361069 続きを読む
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YOUKAISLAYER @YKSLYR

第五話「フラワリング・サツバツ・ナイト」より「フラワリング・サツバツ・ナイト」#4

2013-01-18 21:50:20
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(これまでのあらすじ:ヨウカイスレイヤーがソバ屋台前で戦闘を行った翌日から、各地でダンザイ・シテンノと名乗る者達がヨウカイを襲い始めた。襲われた者の中にはタカギ・マリサも含まれており、シテンノの一人カザミ・ユウカに拷問を受けた)

2013-01-18 21:52:02
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(彼女たちシテンノはエンマ・ヨウカイの命を受けて行動していると説明する。エンマ・ヨウカイの目的とは?襲われたヨウカイたちの運命は?そしてヨウカイスレイヤーはこの異変とも呼べる混乱の中すやすやとフートンの中で寝ているというのか?)

2013-01-18 21:54:09
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チャリン。…………「ん?おかしいな、留守か?」春の夜のハクレイ・シュラインはいつにもまして参拝客は少ない。しかし、満開に咲く桜の下には所々が破けている黒い装束にエプロン姿、そして特徴的な帽子を被った少女が一人。タカギ・マリサその人である。「この時間なら寝てるかもしれんか」1

2013-01-18 22:00:34
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マリサはシュラインのフスマに手をかける。「ドーモ、レイム=サンいるか?」「あら、随分と遅かったわね。一週間も待っていたというのに」その声はサイセン箱の中から飛び込んできた。梯子状のスリットの一つがガバリと開く。その中にはサイセンは無く、かわりに無数の目玉が外を凝視していた。2

2013-01-18 22:02:00
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そして上半身だけの金髪の少女。ヤクモ・ユカリだ。「随分と遅かったわね、マリサ=サン」「よく言うぜ。見てたろ」「だって呼ばれなかったもの」ユカリはわざとらしく溜め息をつく。「それにその腕。とても私の手に負えるものではないわ。コワイコワイ」ユカリはサイセン箱の中に潜る。3

2013-01-18 22:05:22
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「オイオイ、待てって!」マリサも慌ててスキマに入り込んだ。「まだ話は01101コレ1001011101……」マリサは大量の目玉に飲み込まれる。コワイ!「01100111010は何度入っても01慣れねぇな」やがてマリサはそこへと降り立った。「あら、入ることを許可した覚えはないわ」4

2013-01-18 22:08:47
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「入るなとも言われてないがな」「相変わらずね。信頼なくすわよ?」ユカリの二つの目とスキマ中に広がる目玉がマリサを凝視する。「アンタだけには言われたくないぜ」マリサは目を見ぬよう帽子を深く被りなおす。「それで?レイム=サンに何の用だったのかしら」5

2013-01-18 22:09:48
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「オット、そうだよ。この際アンタでもいいぜ。……シテンノとは何者だ?そいつらのせいで私はハリツケだったんだが」「私に答えろと?冗談じゃないわ」ユカリはオーバーアクションで返した。「その手錠も見ただけで恐ろしいというのに」「コレがどうかしたのか?」マリサは両腕をぶらぶらと振る。6

2013-01-18 22:12:21
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その手首には剛性バンブー手錠が鎖の壊された状態でついている。「知ってるんだな?」「もちろん」ユカリが目を細める。「そう、もうそんな時期なのね。あの方が動くのは」「そうらしいな」「……最近何か気になったこととかある?変わったことでもいいわ」ユカリが突如質問する。7

2013-01-18 22:16:44
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「変わったことと言えば、そうだな……花が咲き乱れてることだな。ここに来る途中ずっとだ、季節関係なく咲いてやがる。ヒマワリとかヒガンバナとかよく咲いてたのを見たぜ」「貴女は異変だと思う?この花」「さあな。そのことも聞きに来るつもりだったんだが」「レイム=サンなら無縁塚にいるわよ」8

2013-01-18 22:17:55
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「無縁塚?」マリサはオウム返しに聞き返す。「そう、この世とジゴクを結ぶサンズ・リバーが流れる場所。貴女も死んだらまずその場所へ行くわ」「まさか、ヨウカイスレイヤー=サンは」「彼女が死ぬと思って?」「ハ、そうだな」ユカリはスキマを広げる。眼下にはサンズ・リバー。9

2013-01-18 22:21:36
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「エンマ・ヨウカイは全て知っているわ。花のことも、アナタの手錠のことも」「つまり、そいつが異変を起こした張本人と?」「それも聞けば分かるわ。もっとも、あの方はおしゃべりだから聞かなくても話してくれるだろうけれど」マリサは立ち上がった。「じゃ、異変解決と行くか」10

2013-01-18 22:23:42
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「行く前に一ついいかしら?」ユカリがすでにスキマから半身を出しているマリサに言った。「貴女、スキマに入るのは初めてでしょう?」マリサは答えるかわりに左腕を挙げ、スキマの外へと消えていった。11

2013-01-18 22:24:48
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「サヨナラ!」少女が爆発四散した。13

2013-01-19 13:02:45
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彼女を襲った竜巻の中心から人影が飛び出し、二つに割れたテング・オメーンの鼻部分に着地する。辺りに舞う漆黒の羽は風に吹き流され、彼方へと飛んで行った。「アー、やーっ、こうも呆気ないと楽しむ暇さえ無い」アヤ・シャメイマルは周りを見渡し、誰もいないことを確かめながらつぶやいた。14

2013-01-19 13:09:03
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アヤはカメラを取り出しその場にしゃがみ込むと、氷が散らばる爆発四散跡の写真を数枚撮った。透き通るような氷の塊が崩れ落ち、多様な花が咲き乱れている地面へと染み込んでゆく。しばらく彼女はその場所を眺めていたが、全ての氷が溶けきったのを見送るとおもむろに立ち上がった。そして、15

2013-01-19 13:10:10
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「イヤーッ!」後ろ回し蹴りを放った!クナイ・ダートめいた氷塊が叩き落される!アヤは蹴りの勢いで回転跳躍、空中に小型竜巻の足場を作りそこへ静止すると、頭頂部にテング・オメーンをつけ仁王立ちで佇む少女を見る。「ドーモ、アヤ=サン。アタイはチルノだ」少女がオジギした。16

2013-01-19 13:13:01
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「ヨウセイにあるまじき回復力。流石ですが三度も名乗る必要は無いでしょう」「イヤーッ!」チルノは体を起こすと同時に氷塊ダンマクを放つ!アヤは竜巻もろとも高速回転を始め、風の刃を生み出しこれらを破壊した。下降気流がスカートが捲れるのを押さえつけている!17

2013-01-19 13:16:02
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「何を言っているのか知らないけどアンタは倒す!」チルノはホバーダッシュ前進!チルノが両手を合わせると、大気中の水分が凝集し凝縮、小型の剣が生み出された!「イヤーッ!」アヤは竜巻足場を蹴りコマめいて回転跳躍!1メートル上に新しい竜巻足場を生成し、そこに着地!18

2013-01-19 13:17:44
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その下をチルノが通過する!「貴方は自然に、貴方自身に迷惑をかけすぎていることを知る必要があるのですよ」アヤは連続前転でウケミをとるチルノへ向け言った。「悲しいこと……ですが自然もいつかは死にます。力を持ち過ぎた自然は自らを滅ぼすことを自覚すべきなのですよ」19

2013-01-19 13:22:58
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「何を言い出すのかと思えば!脅しには屈さないぞ!」チルノは二本目の剣を生み出す。「その頭では何を言っても無駄か」「イヤーッ!」小型剣を投擲!「イヤーッ!」アヤが竜巻足場を蹴ると、竜巻は風の刃となり剣を切断、風刃ダンマクは勢いを殺さずチルノめがけ降り注ぐ!20

2013-01-19 13:23:56
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「イヤーッ!」リリカ・プリズムリバーは重い一撃を側転で躱し、再び二人の姉の元へと着地した。遅れてキーボードが彼女の手元に到着する。「もう一人で戦えるんじゃない?」メルランがトランペットをくるくると回しながら言った。「リリカならきっと……やれるよ」とルナサ。21

2013-01-19 13:27:40
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「冗談きついわ」冷汗をぬぐうリリカ。「サポートくらいはするよ」「ほら前見て!」「「「イヤーッ!」」」三人は同時に側転!先ほどまで彼女たちがいた場所を巨大なダンマクが通過する!「避けるだけでは勝てないわよ?」ユウカは花を踏みつぶさぬ足取りでゆっくりとリリカに近付く。22

2013-01-19 13:30:16