自作小説第六章:H.Y.2

自作小説第六章です。 第五章→http://togetter.com/li/424996
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@keitaspiegel

ーH.Y.2ー《「どうよ斐川、縄で30分以上縛られるとかいう、現代にあるまじき貴重な経験の感想は」 ボクに背中から問うてきたのは波切さんです。 「もうすぐ1時間いきますよ」 「そいつはあたしの求める返答じゃねぇ」 お互いに顔は見えません。見ようとしていません。》

2013-01-19 22:14:38
@keitaspiegel

《ボクと波切さん、そして同僚たちは、旧時代的な荒縄(いまどき合成繊維でないのです!)に手足をしっかり縛られ、中央情報管理室の隅に転がされています。 それを監視しているのは。 「ほォらァ、おめェらなーにをぺらぺらくっちゃべってんだァ」」》#H.Y.2

2013-01-19 22:20:16
@keitaspiegel

《これまたいまどき絶滅危惧種である、極端な方言的イントネーションで喋る、年齢不詳の老人たちなのです。ちなみにさっきの言葉も推測です。正直6割ぐらいは理解できていない自信があります。 「ンだンだ。余計なこと言ってるとォ、尻子玉ひっこ抜くゾォ」》#H.Y.2

2013-01-19 22:23:29
@keitaspiegel

《「ばっかよろおんめェ、それを言うなら舌の根ェこ引っこ抜く、だろゥ」 がらがらがら。のどに何かが詰まっているかのような笑いがひとしきり続きます。こんなものも珍しいです。圧縮知識はこのような身体表現上の違いも平均化・一般化しますから。 「チッ、死にかけ野郎どもが」》#H.Y.2

2013-01-19 22:27:26