正統BLまとめ

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須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL 正統BL、先日「青い孤独」をUPしたのですが、それに続く19本も書いたので、1から順に、20本投下いたします。一応連作の形です。 まずは「正当BL 1 青い孤独」です。

2010-09-01 15:53:51
須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL いつも、ひとり。それがあいつの印象だった。ハブられたわけじゃなく、それを好んでいたのだろう。窓際の席で空を見上げる表情が眩しかった。「俺のものになるか?」そう問いかけられて、ぼくは何も答えられず、それきり、すべてが終わった。あれがぼくの……儚い初恋。

2010-09-01 15:54:08
須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL 学校の裏門から河川敷のテニスコートへ向かう草の傾斜。テニス部の練習を見ていたぼくの横に先輩が座り、伸びすぎた草の陰で、ぼくの手にそっと触れた。きゅん……っと甘い衝撃が体を走るのを感じる。でも先輩はぼくの方を見てはくれなかった。あれが、二度目の恋の始まり。

2010-09-01 15:54:38
須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL 眩しかった夏の40日間。先輩の汗ばんだ胸に顔をうずめて午睡から目覚めた瞬間を、今も忘れられない。ほんの一時間前、苦痛を訴える声に構いもせず、先輩は若い欲望のままに先輩はぼくを貫いたばかりだった。その激しさが嘘のように疲れ果てて眠る先輩の顔が、愛しかった。

2010-09-01 15:55:17
須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL 「正当BL 4 浮かび来る影(1)」です。

2010-09-01 15:55:33
須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL 先輩は、決してぼくを男としては扱わなかった。自分の女……あるいは単なる性欲のはけ口。それを隠そうともしなかったから、先輩の友人たちもまた、ぼくをそういう存在と見ていたのだろう。でもぼくがそれを自覚したのは、夕暮れの教室で六人の三年生に囲まれたときだった。

2010-09-01 15:55:51
須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL 「正当BL 5 浮かび来る影(2)」です。

2010-09-01 15:56:06
須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL 「もっと泣けよ。しゃくりあげるたびに、おまえの尻、すげえ締まるからな」野卑な言葉。嘲笑がこだまする中で、六人の男たちは代わる代わるぼくを犯した。三度も中出ししやがったあいつの、ぬるりと汗ばんだ手のひらの感触を今も夢に見る。ぼくは永遠に、あいつを赦さない。

2010-09-01 15:56:27
須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL 「正当BL 6 夜色(1)」です。

2010-09-01 15:56:45
須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL あいつらは素っ裸のまま床に転がって呻いているぼくの写真を何枚も撮った。汗と、唾液と、精液とにまみれて、汚し尽くされた体。それは口止めだったのだろうが、そんなことをしなくても誰にも言えるはずなんてなかった。……すでに完全に日が暮れて、教室は真っ暗だった。

2010-09-01 15:56:58
須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL 「正当BL 7 夜色(2)」です。

2010-09-01 15:57:13
須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL 明日からは新学期が始まる。いつまでも転がってはいられなかった。狂気じみた痕跡の一切を消し去らなければ。暗い教室で、ぼくは溢れる涙を抑えながら床を拭き続けた。惨めな気分。でもぼくが夜の色の本当の暗さを知ったのは、その光景を先輩が見ていると気づいた時だった。

2010-09-01 15:57:25
須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL 「正当BL 8 怒りの苦さ(1)」です。

2010-09-01 15:57:35
須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL 「もういいだろ、服を着ろよ」先輩がぼくの手からモップを取り上げた。「見てたの? いつから?」問いかけたが、先輩は何も答えない。分かってるだろ? そう言いたげな表情。殴りつけたかった。でもぼくは腹の底に沸き上がる苦さ感じながら、ただ震えていただけだった。

2010-09-01 15:58:00
須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL 「正当BL 9 怒りの苦さ(2)」です。

2010-09-01 15:58:21
須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL その後も先輩は、何度もぼくを抱いた。……でももう二度と、あの午睡から目覚めた時のような悦びを感じることはなかった。先輩の友人たちも性懲りもなくぼくの体を弄んだ。あいつらはいつも手荒だったけれど、そのほうがマシだ。犯されながらイッてしまうことに比べれば。

2010-09-01 15:58:48
須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL 「辛いのかい?」ぼくにそう声をかけてきたのは、社会科担当の若い男性教師だった。先輩たちのような剥き出しの男くささを感じさせない穏やかそうな青年。じっとぼくを見つめる目の底に、ぼくよりも深い悲しみを感じさせた。先生は、先輩たちの行為を知っていたのだと思う。

2010-09-01 15:59:28
須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL 「正当BL 11 愛のほのめき」です。

2010-09-01 15:59:40
須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL 先生の愛撫は優しかった。ぼくはいつもうっとりとその愛撫に酔って達してしまう。先生を待てたことは一度もない。「……しないの?」ぼくは何度もそう尋ねた。欲しい……と、ねだっていた。物足りないとも思った。先生は……一度もぼくの後孔を味わおうとはしなかったから。

2010-09-01 15:59:53
須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL ぼくがねだると先生の愛撫は執拗さを増す。息が詰まるまで繰り返されるキス。ぼくの乳首も、下腹の昂ぶりも、そして後孔の窄まりも……先生の舌に翻弄されてわななく。ぼくが髪を乱し、先輩たちに力づくで教え込まれた快楽を欲して震えるのを、先生は静かに見下ろしていた

2010-09-01 16:00:29
須藤安寿/水冷式妄想機械 @anjusuto

@takenoko_BL 「正当BL 13 目の底に(1)」です。

2010-09-01 16:00:43
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