ロア

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信じようと、信じまいと―― 「マルシチキリシル」と休まず千回言えば、出血を代償に異世界語が喋れるようになるという そんな噂が流れたある街の午後、一人の男が病院に運ばれてきた 男は舌を噛み切っており、言葉を喋ることさえ出来なくなっていた 信じようと、信じまいと――

2012-04-22 11:28:11
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信じようと、信じまいと―― ある病院に入院していた男が「右腕がかゆい」と訴え、看護婦を困惑させた 男は建設現場での事故で右腕を失っていたからだ 主治医は脳の混乱と考え、彼を納得させるためメスで「右手がある場所」を刺して見せた すると次の瞬間、何もない空間から血が噴出したという

2012-04-22 13:28:00
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ある男は誕生日を迎える息子のため、友人にスパイダーマンのスーツを着て家に来てくれるように頼んだ 誕生日当日、自宅に現れたスパイダーマンに、息子は飛び上がって喜んだ 翌日、男は友人から急用で行けなかったと謝られ、飛び上がって驚いた 信じようと、信じまいと――

2012-04-22 15:28:02
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信じようと、信じまいと―― ある女性は、ある晩ひどく恐ろしい夢を見て恐怖のあまり目が覚めた 驚くことに彼女の頭髪は一夜にしてすべて白髪になってしまっていた 目が覚めた瞬間にどんな夢だったのか忘れてしまった彼女が、今もっとも怖れていることは、その夢の内容を思い出すことだという

2012-04-22 17:27:58
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とある衣料品売り場に勤務していた女性は、背の高い男が売り場にあった女のマネキンを抱えて試着室に入っていくのを見た 彼女は注意しようと、中から男が出てくるのを待つことにした しかし、試着室のカーテンが開くと、中から出てきたのは男のマネキンを抱えたすらりとした女だった

2012-04-22 19:28:03
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深い森の中で、ある研究チームが古い小屋を発見した 中は埃まみれで生活の痕跡はなく、大きな壺が一つ置かれているのみだった 壺の中は真っ暗で底も見えない 不審に思った一人が石を投げ入れたが、音は返ってこなかった 思わず顔を近づけたところ、彼は突如消えてしまい、現在も行方不明である

2012-04-22 21:28:03
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動物は、自分が死んだことに気付くことができない しかし、あるきっかけでそれに気付く もしそのきっかけに出会うことがなければ・・・・・・ 信じようと、信じまいと――

2012-04-22 23:28:40
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信じようと、信じまいと―― 早期教育、脳障害等によらない天才は、きっかり七十五年に一度しか生まれない 先の「天才」は一つの言語を一月で極めたといわれる 今の「天才」は日本にいて、まだ知られていない 次に「天才」が生まれるのは2064年と言うことになる 信じようと、信じまいと――

2012-04-23 01:27:55
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北朝鮮が発射したミサイルが日本海に落下したとき、北朝鮮側は十発を発射したと公表したが、四発は不発だった だがアメリカの軍事衛星は七発目のミサイルが発射された瞬間を捉えていた 七発目は海に落下した様子も、どこかに着弾した様子も無い 果たして七発目は何処へ行ってしまったのだろうか

2012-04-23 03:27:45
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ある監視カメラが、何度も首吊り自殺を繰り返す男を捉えた 「何度も」というのは、男の頭が縄の輪をすり抜けるように変形したからである それを幾度か繰り返すうちに、ついに男の首は粘土のようにちぎれ、頭部をなくした身体は二、三歩よろめいた後、動かなくなった 信じようと、信じまいと――

2012-04-23 05:27:04
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信じようと、信じまいと―― ある部族に伝わる歌は、娯楽というよりも宗教的な儀式に近い その中の一つである「夜の神の歌」と呼ばれる儀式を、現地の大学生グループが再現したところ、長期に渡り悪夢に悩まされたという 彼らは夢の内容について聞かれても、絶対に口を開こうとしない

2012-04-23 07:28:11
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信じようと、信じまいと―― 人間の体内時計は、一日が25時間だという説がある しかしご存知の通り、地球の自転は24時間 体内時計と自転が噛み合っていないのだ 余談だが、火星の自転は25時間である 信じようと、信じまいと――

2012-04-23 09:28:55
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ある男が、地球の生物進化の調査を行っていた ありとあらゆる条件を入力し、最後に進化の頂点に立つ者は、なんと蟻であった 男は驚愕し、さらに調査を追及してみた すると、たった数十世代で蟻が二メートル大に巨大化することがわかった それから男は毎日蟻を踏み潰している、人類の未来のために

2012-04-23 11:29:53
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ある天才ピアノ作曲家がいた 彼は物心付いた時から人と会う事を極端に嫌い、作曲の依頼も手紙で打ち合わせて楽譜を送りつけるといった徹底主義で、クライアントも彼の顔すら知らなかった「最後くらいは、自分のために作曲したい」と言い残した彼の遺作は、腕が二本では絶対に弾けない曲だったという

2012-04-23 13:29:13
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ベトナム戦争の戦死者よりも、帰還後の自殺者の方が多いのは有名な話であるが、その中の数人が「ラジールカが来る」という言葉を残して自殺していることは、あまり知られていない 彼らは皆、とある山を拠点として奪うための作戦に参加していた 「ラジールカ」が何なのか、未だにわかっていない

2012-04-23 15:29:07
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信じようと、信じまいと―― ある少年は不思議な赤ペンを持っていた その赤ペンはいくら使ってもインクが切れなかった 少年はそれをたいそう気に入っており、毎日肌身離さず持ち歩き、使い続けていた ある日少年は何の前触れもなく倒れ、そのまま死んでしまう 死因は出血多量による失血死だった

2012-04-23 17:28:16
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信じようと、信じまいと―― とある病院警備スタッフが自殺した 同僚の話によると、監視カメラの映像を見ている際に、突然叫びながら記録用のビデオテープを破壊し、逃げるように出て行ったという この事件は精神的ノイローゼによる自殺として処理されたが、結局彼が何を見たのかはわからない

2012-04-23 19:27:57
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信じようと、信じまいと―― 京都の知恩院の大方丈の菊の間に素川信政が書いた襖絵がある この襖絵には数羽の雀が描かれていた しかし、それらの雀はいつしか生命を得て飛び去ってしまい、現在は万寿菊の絵のみが残されている 信じようと、信じまいと――

2012-04-23 21:28:21
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涙の味、つまり涙の成分は、その泣き方によって違うという 悲しい時の涙、嬉しい時の涙、感動したときの涙・・・・・・それらの味は全て違うのだという ある女性が、愛した人を狂気の果てに殺し、狂い笑いながら流した涙は無味だったという 人間が無垢なる生物に近付いた瞬間だったのだろうか

2012-04-23 23:28:16
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信じようと、信じまいと―― 妊娠七ヶ月のある女性は、定期検診を受けに外出するため眉毛を整えようとしたところ、誤って剃刀で眉の上の皮膚を切り、二針縫う怪我を負った 幸い傷はふさがったものの、跡が残ってしまった その三ヶ月後に産まれた赤ちゃんには、彼女と全く同じ場所に瘢痕があった

2012-04-24 01:28:31
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地球は円盤型だと頑なに信じている男がいた 彼は自説を証明するため、世界の端を探しに南極へ向かったが、死体となって発見された しかし、死の前日の日記には、世界の端を見つけた喜びが綴られていた それが写っているはずのカメラは、フィルムが感光していた 彼は本当に世界の端を見たのだろうか

2012-04-24 03:27:55
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とある地域で、空が数日間「何か」に覆われるという事件があった その「何か」は空を埋め尽くすほどの大群だというのに、その地域以外では一切見られなかったという 不思議なことに、それを語った住民達は一人残らず消えてしまった ただ一つ「奴らは悪魔だった」というメッセージだけを残して

2012-04-24 07:27:49
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信じようと、信じまいと―― ある科学者は言う 地球が出来たのはほんの一~二週間前だと 更に科学者は言った 人間が出来たのは二~三日前だと それ以前の記憶は記憶でしかないと 我らは膨大な実験のひとつでしかないと―― 信じようと、信じまいと――

2012-04-24 09:29:09
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誰もが夢をみるが、その内容は非常に荒唐無稽である その理由は、目が覚める瞬間の脳が過去の出来事や体の状態を瞬時に処理するためといわれる ところが稀に、物事の辻褄が合い、妙に現実味を帯びた夢を見ることがある それこそが、何者かが眠る人の耳元である短い物語を吹き込んでいる瞬間である

2012-04-24 11:29:47
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信じようと、信じまいと―― 樽に入ったままナイアガラの滝から落下し、無事生還して世間をあっといわせたある冒険家は、とある町の大通りを静かに歩いていたとき、捨ててあったバナナの皮を踏んで転倒し、命を落とした 信じようと、信じまいと――

2012-04-24 13:29:02
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