茂木健一郎（@kenichiromogi）さんの連続ツイート第８４５回「ブラボー、やってみよう！」

茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ！　ぷれいりーどっぐくん、おはよう！

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連続ツイート第８４５回をお送りします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、ノウハウ系、芸術系ツイート！

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ぶや（１）昨日、新国立劇場の『タンホイザー』初日に行ってきた。「芸術の力」を堪能できる作品、そして上演。まあ、騙されたと思っていってみましょう。素晴らしいです。何しろ、１００年に一度の天才が、渾身の力を込めて球を投げてくるんだから。あふれちゃうよね。言葉では伝えられません。

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ぶや（２）幕間にホワイエをふらふらしていている時に、小耳に挟んだ話。「最近はオペラ初めての方も多くて」「そうですかそうですか」「それで、お客さんの中には、いらしてから、へえ、オペラって、ストーリーがあるんだ！　と驚かれる方も多いのです。」「なんと！」おもろいね。

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ぶや（３）これは、日本だけのことじゃないけど、オペラというと、有閑階級が社交に行って音楽聞いている、という古いイメージがあって、これ、まったく違うからねえ。作曲家も、演出家も、演奏家も、人間としての全存在をかけてぶつけてくる総合芸術だから。とにかく行ってもらうしかないんだよ。

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ぶや（４）私のオペラとの出会いはひどくて、高校２年生の時に、それまでオペラ一度も見たことがなかったのに、いきなり、畏友、和仁陽の演出の手伝いをした。しかも演目がウェーバーの『魔弾の射手』。まあ、それを考えたら、オペラ初心者だろうがなんだろうが、とにかく行ってみるしかないと思う。

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ぶや（５）今回新国立に初めて行って、『タンホイザー』を見るというかたのために、いくつか情報を。オペラというと、アリアが終わったら、拍手してブラボー！　というイメージがあるかもしれませんが、ワグナー以前のことです。ワグナーはオペラを変えてしまって、幕が下りるまでずっと音楽続きます。

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ぶや（６）『タンホイザー』には、有名な「夕星の歌」や、エリザベートの２幕冒頭のアリア、大詰めの「ローマ語り」など、歌手が歌い終えたら思わず「ブラボー！」と言いたくなる曲があるのですが、そこは我慢して、最後の最後までとっておきましょう。三幕が終わったら、あとはやり放題です。

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ぶや（７）一幕、二幕の後も拍手はありますし、人によっては「ブラボー」と叫んでいますが、最近の傾向としては、よほど素晴らしい演奏でもう我慢できない、という時以外は、ほどほどにしておいて、三幕が終わったあとに、まとめて拍手とブラボーというかたちが多いようです。昨日もそうでした。

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ぶや（８）耳を澄ませていると、時折、「ブラボー」だけじゃなくて、「ブラヴィ！」と叫んでいる人がいますが、これは、複数の人に対する称賛です。「ブラボー」は男性に対して。女性に対しては、「ブラバ−」だとされていますが、これをやっている人にはあまり遭遇しません。（昨日私はやりましたが）

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ぶや（９）オペラの上演は、ものすごいエネルギーを費やし、準備も大変なので、終演後は歌手、オーケストラ、スタッフのみなさんに、心からの感謝の思いを表したいものです。すぐに帰るお客さんもいますが、ぜひ残って、ブラボー、やってみてください。劇場に自分の音響が広がるのは、楽しいものです。

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以上、連続ツイート第８４５回「ブラボー、やってみよう！」でした。