平野啓一郎『空白を満たしなさい』まとめ

平野啓一郎『空白を満たしなさい』の中で特に心に残った言葉、文をまとめました。 本のストーリーについては言及していませんので、ネタバレの心配はないかと思います。
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読書メモ @masashy_log

「みんな、個人の生きる権利は大事だと言いますよ。けど、本当の福祉は、個人じゃなくて、遺伝子単位だと思いますね。私の遺伝子の権利はどうなるんです?」(平野啓一郎『空白を満たしなさい』)

2013-01-26 20:02:52
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「こんな遺伝子でも、ザルの時代から脈々と受け継がれてきてるんですよ。生殖しながら!私の遺伝子に向かって、淘汰されろと言うんですか?遺伝子のジェノサイドですよ、これは。」(平野啓一郎『空白を満たしなさい』)

2013-01-26 20:04:50
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神秘を信じさせるのは、結局のところ、論理ではなく数だった。(平野啓一郎『空白を満たしなさい』)

2013-01-26 22:10:35
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「…人間の幸福というのは、つまり、自分の価値観と自分自身とが合致してる実感じゃないですか?」(平野啓一郎『空白を満たしなさい』)

2013-01-26 23:51:48
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「価値観に現状を無理してあわせようなんてすべきじゃない。現状に価値観の方をあわせる。それで楽になれますよ。」(平野啓一郎『空白を満たしなさい』)

2013-01-26 23:55:03
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その道の先には、無論、終わりがある。しかしそれは、一つの命を暗闇で呑み込んでしまう恐ろしい〈死〉であるより、むしろ存在するものを、音もなく消え入らせるような、まっさらな〈無〉である気がした。(平野啓一郎『空白を満たしなさい』)

2013-01-27 15:01:22
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亡くなるのではなく、無くなる――そう考えてみることに、なにか慰められることがあるのだろうか?(平野啓一郎『空白を満たしなさい』)

2013-01-27 15:15:21
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「結局人間は、自分よりも不幸な誰かがどうしても必要なんですよ。さもなくば、不安で気が狂いそうになりますからね。」(平野啓一郎『空白を満たしなさい』)

2013-01-27 16:24:44
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「誰も、人間の苦悩する権利を否定することは出来ません。それは、残酷なことです。我々はいつでも、癒しを与えることを急きすぎ、自分の住んでいる世界を憎悪から守るのに必死で、他者の苦悩を尊重することを忘れがちです。」(平野啓一郎『空白を満たしなさい』)

2013-01-27 17:11:57
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「死は傲慢に、人生を染めます。私たちは、自分の人生を彩るための様々なインク壺を持っています。丹念にいろんな色を重ねていきます。たまたま、最後に倒してしまったインク壺の色が、全部を一色に染めてしまう。そんなことは、間違っています。」(平野啓一郎『空白を満たしなさい』)

2013-01-28 11:42:31
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「今の時代、人に誇れる本物の幸福は、お金でも運でもなく、疲労で手に入れたものじゃないか。僕は幸福でした。でも、僕はその分、疲れてました。…くたびれ果ててるからこそ、僕には幸福になる資格があると、信じたい気持ちがありました。」(平野啓一郎『空白を満たしなさい』)

2013-01-30 12:08:16
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「自分は自分だ。本当の自分は一人しかいない。自分の中に複数の自分がいるなんて気持ち悪い。間違ってる。――だからみんな、こんなに苦しんでる!ただほんの一部の自分を否定すれば良いだけなのに…自分そのものを消そうとしている!」(平野啓一郎『空白を満たしなさい』)

2013-01-30 12:20:34
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死に、恐ろしい顔をしていてほしくなかった。いざ面と向かい合ってみると、意外に優しい、穏やかな顔であってほしかった。自分を生から引き離して、最後には譲り渡してもいいように。(平野啓一郎『空白を満たしなさい』)

2013-01-31 13:37:06
読書メモ @masashy_log

しかし、もし死に、そうした安らぎを認めるのなら、どうして人は、自ら進んで死を選んではならないのだろう?自殺して、その安らぎを望むことは悪なのだろうか?(平野啓一郎『空白を満たしなさい』)

2013-01-31 13:39:09
読書メモ @masashy_log

死んでもまた、生き返ると思うと、人はいつまでも、死者への未練から解放されない。失われた過去が、未来に蘇ることを待ってしまう。それに命は恐らく、一つだけだから尊いのだった。(平野啓一郎『空白を満たしなさい』)

2013-01-31 14:17:09