バトルクエスト・クレンチ・ユア・フィスト #6
「ドーモ、皆様ご機嫌麗しう……」芝居がかったオジギをするガンダルヴァの後ろには、やはり腹心オーバーウェルムの姿有り。ガンダルヴァが金のセントー玉座に腰をおろすと、三人のオイランがすぐにその脚にすがりつき、愛撫を始めた。「本日昼の神前闘技を延期させて頂いたのは、他でもない」 25
2013-01-30 20:47:45ガンダルヴァのそれは誇らしげである。「昨夜、予期せぬインシデントがありました。美しき神仙園を垣間見たいたずら者あり」オイランの髪を撫でながら、恍惚めいて言った。謹聴する闇カネモチ達のあちこちからオイランの嬌声や喘ぎ、水しぶきの音が聴こえる。 26
2013-01-30 20:55:18「いたずら者だって?誰だ?ハーン?」闇カネモチのジョンソンが面白そうに声を上げた。ジョンソンは屈強な金髪碧眼の元アメリカンフットボール選手で、国会議員だ。ネオサイタマ市議と違って国会議員に政治権力は皆無だが、ステータスにはなる。「そのいたずら者を既に捕まえたッてのかい?」27
2013-01-30 21:02:36ガンダルヴァは勿体ぶって頷いてみせた「ここへ特別にお集まり頂いたは、第一戦に栄誉ある勝利を刻んだ代理戦士所持者の皆様。今宵ギリシアの神話伝説を再現する趣向で、興味深き死闘をお目にかけ、特別な邪気祓いと致しましょう。そのいたずら者を用いて……宜しいですか?」彼はジバヌチを見た。28
2013-01-30 21:12:07「フン!」ジバヌチはしかめ面で、肩を抱くオイランの唇に指を突っ込んだ。「くだらん当てこすりは神前らしからぬ事よ!ワシの犬が粗相をしたこと、詫びねばならんな。今ここでケジメでもするか!」「なに、貴方の責任ではござらぬ」ガンダルヴァは手を上げた。「楽しまれよ」 29
2013-01-30 21:29:22ドジャーン!再度の銅鑼が鳴らされ、別のヴェール奥から四人の護衛戦士が現れた。折れた巨大柱をミコシめいて担いでくる。ナムサン、柱には女が鎖で縛りつけられている。白い薄物をただ一枚着せられただけの……「まずアンドロメダを演じる女を紹介せねば。我が部下であったアナスタシア=サンだ」30
2013-01-30 21:38:10「ドッソイ!」屈強な護衛戦士が中央の無人の巨大浴槽へ入ってゆき、掛け声とともに巨大柱を立てた。「ンアーッ!」飛沫の中でアナスタシア=ナンシーが悲鳴を上げた。ガンダルヴァが叫んだ。「己を過信した高慢なアンドロメダは、神の怒りに触れ、嵐の海に!助けに参るのは英雄ペルセウス!」31
2013-01-30 22:04:46「グワーッ!」護衛戦士達にサスマタで追い立てられ、アコライトが現れる!後ろに回された右腕はベルトで腰に縛りつけられていたが、護衛戦士の一人がここでそれを断ち切り、浴槽の中に蹴り込む。「グワーッ!」「ワオオーッ!」闇カネモチ達が湧いた。彼らは商売敵のかく恥が大好物なのだ!32
2013-01-30 22:14:34「このペルセウスはちと風変わりで、ボンズのようでもある」ガンダルヴァが真面目くさって言うと、闇カネモチがドッと笑った。「さあアンドロメダを助けてみよ!」ガンダルヴァは身を乗り出した。「ウーッ!よいぞ……さて、そして当然そこには危険な海の怪物が待っている!出でよ!」 33
2013-01-30 22:20:24SPLAAASH!いつの間に潜んでいたのか?湯の中から、腰布とニンジャ頭巾を身につけ、全身の肌にビッシリと鱗の刺青を施した屈強なニンジャが起き上がった。そのメンポは水中呼吸機能を備え、奇怪な海洋動物めいた意匠だ!「ドーモ。アコライト=サン。アーケロンです」 34
2013-01-30 22:27:16「ゲホッ!」アコライトは湯の中から立ち上がり、アイサツを返した。「ドーモ、アーケロン=サン。アコライトです」「アコライト=サン!」ナンシーが叫んだ。アコライトは笑顔を作った。「無事でしたか。助けます」「こっちに集中せい、御稚児!」アーケロンが侮辱した。「お前は苦しんで死ぬ!」35
2013-01-30 22:33:02「やれ!アコライト=サン!」ジバヌチが吠えた。オイランを振り払い、吠え猛った。「ガンダルヴァ=サンのくだらん舞台も!貴様のくだらん隠し立ても!要はカラテ!カラテを示せ!ワシに示せーッ!」36
2013-01-30 22:45:03SPLAAASH!いつの間に潜んでいたのか?湯の中から、腰布とニンジャ頭巾を身につけ、全身の肌にビッシリと鱗の刺青を施した屈強なニンジャが起き上がった。そのメンポは水中呼吸機能を備え、奇怪な海洋動物めいた意匠だ!「ドーモ。アコライト=サン。アーケロンです」 34
2013-02-01 11:32:43「ゲホッ!」アコライトは湯の中から立ち上がり、アイサツを返した。「ドーモ、アーケロン=サン。アコライトです」「アコライト=サン!」ナンシーが叫んだ。アコライトは笑顔を作った。「無事でしたか。助けます」「こっちに集中せい、御稚児!」アーケロンが侮辱した。「お前は苦しんで死ぬ!」35
2013-02-01 11:33:02「やれ!アコライト=サン!」ジバヌチが吠えた。オイランを振り払い、吠え猛った。「ガンダルヴァ=サンのくだらん舞台も!貴様のくだらん隠し立ても!要はカラテ!カラテを示せ!ワシに示せーッ!」36
2013-02-01 11:33:19「あれがお前のパトロンだな?プッ!」アーケロンが嘲った。「状況を読めておらぬ。親も親なら子も子!これはイクサではない。これは俺の一人舞台!貴様を苦しめ解体する残虐ショーだというのに!」アコライトは無言だ。右手を前に翳し、手の甲を敵側に向ける。その目には決断的戦闘意志! 37
2013-02-01 11:43:52「その目!気に入らん事この上なし。邪教の分際で……」「来なさい!」アコライトが言った。話を遮られたアーケロンは眉をしかめた。「コロセー!コロセー!」闇カネモチが囃し立てる。アーケロンは拳を打ち合わせた。「お望み通りにしてくれるわ!イヤーッ!」大振りの右フックが襲いかかる! 38
2013-02-01 11:50:15「イヤーッ!」アコライトは右手を繰り出し、このフックを弾き返す。「イヤーッ!」アーケロンはさらに右サイドキック!アコライトは身体を傾け、背中でこれを受ける。「イヤーッ!」右脚を戻しながら、アーケロンが右手チョップ!アコライトは肩で受ける!アーケロンの目に残忍な笑みが浮かぶ! 39
2013-02-01 11:59:46「ムフフ……どうしたどうした……」アーケロンの目が残忍に細まる。左腕の無いアコライトが自身の左側からの攻撃をガードし続ける事は難儀。ジリー・プアー(徐々に不利)を引き起こす執拗な戦術である。「イヤーッ!」またも右サイドキック!「イヤーッ!」右チョップ! 40
2013-02-01 12:02:44「コロセー!」闇カネモチが叫んだ。「イヤーッ!」アーケロンが休まず仕掛けた。脇腹を抉る危険な角度の右サイドチョップだ!「エッ?」「イヤーッ!」「グワーッ!?」飛沫が撥ね、もうもうと湯気が立ち昇った。立っているのはアコライト……アーケロンは仰向けに転倒している!「イヤーッ!」 41
2013-02-01 12:10:11気づいた方もおられよう。それは最小限の足捌き!アコライトはアーケロンの軸足を蹴り転倒させたのだ。追い打ちのチョップを振り下ろす!「イヤーッ!」「グバーッ!」湯の中から呻き声!アコライトは更なる追撃を用心深く控え、間合いを取る。アーケロンがバック転で跳ね起きた。「ブフーッ」42
2013-02-01 12:13:52「ワオオオーッ!」闇カネモチが湧いた。ジバヌチは険しい顔で戦況を見守る。アーケロンは首を振り、頭巾を垂れ落ちる湯を散らす。「コシャクな抵抗を。小細工だ、そんなものは!」「ならばもう一度来なさい」アコライトは再び半身の構えをとった。 43
2013-02-01 12:16:01